ホラーは誘う の商品レビュー

マティアス・クラーゼン(著者),小沢茂(訳者)

2024/03/10

海外のホラー評論。取り上げられている作品がほぼ既読＆観たものなので、なるほどなるほど、と思いながら読みました（取り上げられている作品に関しては、ネタバレ満載）。「ローズマリーの赤ちゃん」は読んでいないし見ていないのだけれど、なぜか（笑）ネタは知っているので問題はないし。ホラーに対する見識がさらに深くなったような気はしています。でもいろいろ小難しく考えるよりは、とにかく楽しめばいいのかもしれませんね、ホラーって。
取り上げられているゲームの色々が気になります。雰囲気は好きそうなんだけれど、ゲームはスキルが必要なので難しそうで断念です。

2021/12/08

2021年12月7日読了。荒唐無稽に思えるホラーストーリーになぜ人は惹きつけられるのか？というテーマを進化論的な観点から分析した本。普通で考えたらホラーを愛好するって意味がわからない・むしろそういう危険な要素は遠ざけて安全な環境に浸りたいというのが生物の基本欲求のように感じるが、「危険をシミュレーションして学習することで生存確率を上げている」という説は納得できるが、本当にそうだろうか…という気もする。しかし多くのホラー論者が「殺人鬼の○○は男根の象徴、殺人は去勢への恐怖の象徴」みたいなことを大真面目で語っていることが面白い…そうじゃねえだろと。後半では複数の殿堂入りホラーの怖さの要素、展開の妙などを詳細に分析しておりこちらも読み応えがある。ゲームやVRを使ったホラー演出についても言及されているのはホラーの未来を考えても非常に興味深い。ホラーが消えたり人気を失う、ということはこれから先の未来でもきっとないのだろうな。