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戦時中の日本 の商品レビュー

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2024/06/28

戦争をテーマにした作品でよく描写されるような庶民の暮らし…常に飢えに耐えながら周りの目を気にし空襲警報と徴兵に怯える…理不尽で悲惨なイメージがあるが、当時の人達にも当たり前に生活があり、苦しい中でも娯楽を楽しんだり様々な工夫を凝らして日々を生き抜いていたことがわかる。 戦時中の...

戦争をテーマにした作品でよく描写されるような庶民の暮らし…常に飢えに耐えながら周りの目を気にし空襲警報と徴兵に怯える…理不尽で悲惨なイメージがあるが、当時の人達にも当たり前に生活があり、苦しい中でも娯楽を楽しんだり様々な工夫を凝らして日々を生き抜いていたことがわかる。 戦時中の女性ファッションといえばモンペ姿だが、この時代でも既にモンペはダサい認識だったらしい。 確かにモガの登場よりも後の時代だもんなぁ。 女性用の国民標準服を検索したところ和服式と洋服式といくつかバリエーションかあるようだ。 何だかどれもダサいのけどモンペよりはまだ可愛いのに、やはりいつ空襲が来るかわからない状況では動きやすさが勝ったか。 舞台や寄席、アニメに映画と娯楽も一応あるものの、扱う題材はやっぱり国民の戦意高揚のための戦争もの、そのプロバガンダにゲンナリする。 (尚、戦時中に作られた『桃太郎の海鷺』は日本初の長編アニメらしいが、それよりも少し前のアニメ『絵本1936年』にはまさかのミッ〇ーが敵役で登場する。) 敵性語、敵性文化の排除など本当に莫迦莫迦しいのだがまだよいほうだと感じる。 徴兵されて命まで捧げさせられる他にも、戦死者の出た家は名誉なことだと扶助金は受け取り辛い雰囲気を作り、貧しい中の国債の購入奨励や建物疎開(取壊し)、結婚式のやり方まで決められて、どれだけの人が人生を台無しにされたことだろうか。 人だけではなく、戦争により食料がないから、危険だからと人間の都合で処分された動物縁の動物たち。 以前実際に天王寺動物園の展示で見て胸が痛んだものだ。 絵本「かわいそうなぞう(土家由岐雄)」のゾウの花子が有名だが、毒餌を食べないからと絞殺されたヒョウや切断されたニシキヘビなど猛獣だけでも150頭以上もの動物が人の手によって殺されたそう。 ▼《『戦時猛獣処分』 の真相に迫る》 https://jvma-vet.jp/mag/06812/a6.pdf 章を読み進めるにつれ憤り呆れるばかり。他者を傷つける事が正しさとなるなんて、つくづく戦争は愚かしい。 戦いを始めたお上も、空気に飲まれてしまった民も。日本も相手国も関わった人全てに、他に選択肢はなかったのか問うてみたい。 そしてまた、それを繰り返すのだろうかね。

Posted byブクログ