ビジネス実験の驚くべき威力 の商品レビュー
「ビジネス実験」という概念に興味があり購入しました。読後の率直な感想ですが、非常に骨太で読みごたえがありました。この手の本ですと(特にコンサルタントが書いているような本は)、事例は満載だけどそれでおしまい、内容は薄いというパターンもあり得ると思うのですが、本書は事例が多数紹介され...
「ビジネス実験」という概念に興味があり購入しました。読後の率直な感想ですが、非常に骨太で読みごたえがありました。この手の本ですと(特にコンサルタントが書いているような本は)、事例は満載だけどそれでおしまい、内容は薄いというパターンもあり得ると思うのですが、本書は事例が多数紹介されていると同時に、科学的な意味でのビジネス実験の取り組み方についても丁寧に記載されていて感銘を受けました。つまり、実際にビジネス実験に取り組む人が留意すべき点や理論もきっちりかかれているので、ビジネス実験の教科書でもあるということです。 たとえば、実験結果の解釈において陥る可能性がある間違い(タイプ1エラーとタイプ2エラー)の話や、ビジネス実験の際に必要となるサンプル数をどう考えればよいかなど、かなり細部にわたって科学的に重要な点が記載されていました。 事例で大幅にページを割いて記述されていたのは、宿泊予約サイトのBooking.com(オランダ)です。日本でいうとじゃらんのような存在ですが、この企業がいかにして実験志向の会社になったのかが丁寧に書かれていてストーリーとしてとても印象に残りました。デジタル技術によってビジネス実験のコストは安価になりました。実験プラットフォームなど技術の導入はどんな企業でもできるし、いざとなればサードパーティのツールを使わせてもらえばよいのですが、実験志向の会社になる最大の障害は経営陣、社員のマインドセットだ、というのが本書のキーメッセージだと認識しました。本書にもありますように、社長が何かの提案をしたら、部下が「いいアイデアですね、では実験してみましょう」(つまり実験でうまくいかなったら採用しませんよ)とサラッと言えるくらいの企業になるとすごいということでしょうか。 本書は統計学の知識が必要になるなど難解な箇所もありつつ、骨太で面白い本でした。
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データサイエンス!…からは一歩引いて、ビジネス実験が如何に漸近的イノベーションをもたらすか、という本。画像認識系の機械学習と因果推論系の機械学習の区別がついてない人は、まず読むべき。データはあくまでその手段だが前提なので、データ屋にも勉強になる。筆者陣の関係で、booking.c...
データサイエンス!…からは一歩引いて、ビジネス実験が如何に漸近的イノベーションをもたらすか、という本。画像認識系の機械学習と因果推論系の機械学習の区別がついてない人は、まず読むべき。データはあくまでその手段だが前提なので、データ屋にも勉強になる。筆者陣の関係で、booking.comやmicrosoftの例示が多い。ただまあ、MAU数千以下のフェーズのプロダクトはお呼びでない感じ。
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