琉球警察 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
占領統治下の沖縄を舞台にしたサスペンス。 週刊ポストで柳広司の「南風(まぜ)に乗る」という歴史小説が始まっていて、それと同じ時代ということで読みました。 著者なので歴史小説なのかと思ったら、徳之島出身の警察官が主人公のサスペンスでした。 主人公が公安になってからの展開が面白かったです。 当時の沖縄が米軍によって虐げられ翻弄されるところとか、沖縄人の気持ちとかは勉強になりました。 せっかくなので、エピローグで沖縄返還、琉球警察解散まで説明してほしかった。
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戦後の琉球警察、瀬長亀次郎の物語。 米軍の沖縄に対する非道な行いが描かれてある。 アメリカは妄想と自己愛で他の国を不幸にしている。それは第二次世界大戦に勝利してから今まで続いている。 この本は、自民党議院すべてに読んで欲しい。 読めば、辺野古基地なんて作らないだろう。
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方言を取り込んでみても、沖縄出身の作家に比べるとどうしても頭で書いている感じがしてしまうが、瀬長亀次郎の本土復帰運動や、その背景にある米国軍政下の沖縄の人々の虐げられた状況など丁寧に書き込まれている。 いろいろと綺麗ごとを並べたところで、本土返還まで差別意識丸出しに圧政を続けた...
方言を取り込んでみても、沖縄出身の作家に比べるとどうしても頭で書いている感じがしてしまうが、瀬長亀次郎の本土復帰運動や、その背景にある米国軍政下の沖縄の人々の虐げられた状況など丁寧に書き込まれている。 いろいろと綺麗ごとを並べたところで、本土返還まで差別意識丸出しに圧政を続けたことは間違いなく、その流れは現在にも繋がっている。
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戦後の本土復帰(という言葉も差別的だと思うが)までのおよそ四半世紀にわたるUSCAR統治下前半の沖縄が舞台設定。瀬長亀次郎の人民党の不屈の政治闘争を伏線に、琉球警察公安刑事の活躍と精神世界の彷徨を、幼少期からの友情や傀儡組織である琉球警察刑事たちの葛藤等を絡めながら見事なプロット...
戦後の本土復帰(という言葉も差別的だと思うが)までのおよそ四半世紀にわたるUSCAR統治下前半の沖縄が舞台設定。瀬長亀次郎の人民党の不屈の政治闘争を伏線に、琉球警察公安刑事の活躍と精神世界の彷徨を、幼少期からの友情や傀儡組織である琉球警察刑事たちの葛藤等を絡めながら見事なプロットで描く。沖縄の悲惨な戦後史(勿論まだ終わっていない)をもっと沖縄以外の日本人は知るべきで、約3か月の悲惨な沖縄戦以降の米国領としての四半世紀のもっと悲惨な歴史を知る、とっかかりとしてはこのようなエンタメ要素もある優れた小説が最適では。。一つだけ難点はもっと適当なタイトルがあったんじゃないかということぐらい。
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伊東潤氏の作品は史実を徹底的に調査されている。実在する瀬長亀次郎氏も登場し、占領下から返還に向けた沖縄における人々の心情や、想いだけではどうにもならない事実との葛藤などを交え、沖縄人としての誇りを伝えてくださっている作品でした。 コロナ禍で行くことが憚られるが、日本わ代表するリゾート地の一つ沖縄。 第二次世界大戦で米軍の占領下にあったとは知っているが、生まれた時には既に返還されており、教科書レベルの情報しか持ち合わせていない不勉強を恥じた。
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切り離され支配された戦後の沖縄で、沖縄を取り戻すために戦った琉球警察の物語。 目の前の現実と自分の役割に葛藤しながら、それでも全ては沖縄のために。 沖縄人による島んちゅへの差別とか、USCARのありえない介入統治とか、そんな理不尽な社会の中でも生きていった人たちが実際にいたんだろ...
切り離され支配された戦後の沖縄で、沖縄を取り戻すために戦った琉球警察の物語。 目の前の現実と自分の役割に葛藤しながら、それでも全ては沖縄のために。 沖縄人による島んちゅへの差別とか、USCARのありえない介入統治とか、そんな理不尽な社会の中でも生きていった人たちが実際にいたんだろな。それは現代人なんかよりもっと強く逞しいパワーで。 沖縄のこんな小説好きだわ。
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