英国の仏教発見 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
この作品では衝撃的な事実が語られます。以前当ブログでも紹介した『新アジア仏教史02インドⅡ 仏教の形成と展開』でも西洋由来の仏教学の問題について語られていますが、本書はまさにその本丸と言ってもよい作品になります。 この本を読むと、「原始仏教に帰れ。日本仏教は堕落している」という批判が出てきた理由がよくわかります。これまでどうしても腑に落ちなかった大乗仏教批判に対して「ほお!なるほど!そういうことだったのか」という発見がどんどん出てきます。この批判が出てくる背景を追うととてつもない事実が浮かび上がってきます。これは最高に刺激的な一冊です。とてつもない作品です。もうぜひ読んで下さい!きっと皆さんも衝撃を受けると思います。
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仏教は西洋において、19世紀前半に発見された。この時期に「ブッダ Buddha」の語が英語等を話す世界で流通し始め、「仏教 Buddhism」という英単語が複数の学術誌上に初めて現れた。 本書では、主に19世紀ヴィトクリア朝の英国人の仏教表象を分析して、宗教としての仏教、...
仏教は西洋において、19世紀前半に発見された。この時期に「ブッダ Buddha」の語が英語等を話す世界で流通し始め、「仏教 Buddhism」という英単語が複数の学術誌上に初めて現れた。 本書では、主に19世紀ヴィトクリア朝の英国人の仏教表象を分析して、宗教としての仏教、宗教家としてのブッダ像が形成されていく過程を明らかにしたものである。 インド、セイロン等に住んだことのある植民地官僚や軍人、宣教師、又は在英国の学者、宗教家等の膨大な文献を読み込んで、西洋における仏教理解の進展が解き明かされる。 仏教のヨーロッパにおける受容経緯、あるいはオリエンタリズム研究の一応用分野といった問題群に関心があれば格別、引用の羅列がどこまでも続くような叙述は、一般読者には正直キツかった。
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