読んでほしい の商品レビュー
まさにタイトル通り、読んでほしいと悩む内容の本。 ハラハラ・ドキドキ続きが読みたくてページが進むわけではなく、感動にむせび泣くでもなく、スキマ時間にちょこちょこ読んで、じれったくて、時にはくすっと笑っての本だった。
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「小説を書いたから読んでみてくれないか」 この一言が言い出せず、右往左往し懊悩する主人公の姿が、じれったくもユーモラスで、時に切ない。 10代は臆面も無く語れた夢や、剝き出しにできた承認欲求を、40代ではむやみに曝け出せないのだ。凄く分かる。 自分よりも他人の都合を優先しがち...
「小説を書いたから読んでみてくれないか」 この一言が言い出せず、右往左往し懊悩する主人公の姿が、じれったくもユーモラスで、時に切ない。 10代は臆面も無く語れた夢や、剝き出しにできた承認欲求を、40代ではむやみに曝け出せないのだ。凄く分かる。 自分よりも他人の都合を優先しがちな主人公にとって、「読んでほしい」と言い出せないこの小説こそが、初めて明確に打ち立てた自分軸なのだろう。 置き忘れても、持て余しても、見失っても、ぶれずに自分を貫く難しさと、一筋の光明を見た気がした。 矢部太郎氏の装画も良い味を出している。
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本を手に取った時は読者に言ってるのかと思ってたけど、タイトルの通りの内容だった。 それにしてもどれだけひと言が言えないのか。 でも、それだけ初めて書き下ろした渾身の本なんだろうな。途中なんか怪しい方向に向かったが、着地点は見えていた。で、どんな本なんだろ。 222冊目読了。
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