青年少女よ、春を貪れ。(2) の商品レビュー
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百々瀬ハルが亡くなったキャンプに参加していたメンバーへ‘真相’を聞く為に和歌山へ戻って来た近藤勝之。が、勝之の突然の帰省を警戒する3人(古崎とは接触出来ず)はキャンプの話に触れさせないよう共謀する。 それでも勝之元来のクソ真面目かつ真摯な姿に、僅かにではあるがそれぞれの態度に変化が見られ出すのだが…という2巻。 覚えておくべきこと ・事故死したハルの第一発見者は佐伯亮。死亡時、ハルは亮からもらったルアーを持っていた。ハルの死に一番関わりが深そうなのは亮。 ・亮は家庭事情により大学進学を断念していた様子がある。祖父母に育てられてきた。現在、祖母には認知症の兆候あり。 ・水川わゆはモラハラ夫からの精神的DVに追い込まれている描写がある。母親とはうまくいっていない。 ・水川の夫は過去にハルが付き合っていた男性のひとりかもしれない。p104にそれらしいコマが描かれている。 ・網口龍樹は現在、中学の教員。キャンプの日に「ハルを崖から突き落としたのは自分」と言い出す。きっかけは「中3の夏」(p176)。 ・龍樹は「昔から演じることだけは得意」(p155)だった。 ・ハルは生前「色んな人間から恨み買ってた」(p175)。 ・ハルはキャンプ時には三つ編みにしていた(p152)。 ・ハルの母親は漫画家〈百々瀬ナツコ〉であることは1巻でも解禁済みだが、日常エッセイ漫画でヒットを出している。作中にハルも登場し、プライベートなことも赤裸々に描かれてきた過去がある。 ・亮と水川は勝之が持って来たハルの遺骨に過剰な反応を見せた。龍樹も勝之がハルの遺骨を海に散骨しようとした途端に様子が一変し、「百々瀬を殺したのはおれや」(p170)という発言をした。 ・2巻に千鶴さんは登場せず。 明らかにキーになっていたのは「ハルの遺骨」。亮・龍樹・水川らは自分たちが何も語らなければ真相は「何も知れへんよ」(p45)と構えていたのだが遺骨を見た途端に反応を見せたということは、遺骨そのものが重要なヒントである可能性が高いと思う。 私の考えでは、ハルの遺体の顔はまだ作中では見切れていたりしてはっきりと描かれておらず、また、ハルはキャンプの時の三つ編みの髪型が古崎とそっくりに見える事から、もしかしたら‘入れ替わり殺人’が行われた可能性があるのではなかろうか。だから遺骨を調べられたらバレると焦った様子を見せたと。 母親の影響によって‘作り物の人気者’である自分に嫌気がさしたハルが龍樹・水川に持ち掛けて自分すなわち古崎を顔がわからなくなるくらいめった打ちして隠蔽しつつ殺させ、自分は古崎として生きながらもやがて行方をくらまして…みたいな筋書きが思い浮かんだけどうまく整合が取れない。 謎が深まった2巻。胸がざわめきつつ3巻へつづく。 1刷 2025.1.5
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初恋の人の死の真相を求め、旧友たちを訪ねる勝之。故郷で会った友人たちは、誰もが過去に囚われ、誰もが現在に疲弊していた…。彼ら彼女らとハルはどう関わっていたのか、勝之の知らないところで何があったのか。勝之の愚直な真っ直ぐさは、友人たちには痛いだろう。謎と闇は深まるばかり。どう進展す...
初恋の人の死の真相を求め、旧友たちを訪ねる勝之。故郷で会った友人たちは、誰もが過去に囚われ、誰もが現在に疲弊していた…。彼ら彼女らとハルはどう関わっていたのか、勝之の知らないところで何があったのか。勝之の愚直な真っ直ぐさは、友人たちには痛いだろう。謎と闇は深まるばかり。どう進展するのかが気になります。
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