ボードリヤールとモノへの情熱 の商品レビュー

アンヌ・ソヴァージョ(著者),塚原史(訳者),ジャン・ボードリヤール(写真家)

2024/08/05

全然関係ないけどボードレールとボードリヤールが頭の中でたまにごっちゃになる。

本著の内容はボードリヤールの思想の入門的な導入部と、抽象的にも具体的にも汎用される彼独特の「モノ」の思考形式、それに断絶としての写真論が記されている。
バルトのストゥデュムとプンクトゥムが出てきたりと、やっぱ『明るい部屋』読まないとなーと。
主体の排除ではなく、主客の混交というテーマをハイパーリアルかつテクノロジーの進化によって複雑多岐な価値付け、モードに支配された現代上で試行錯誤するボードリヤールは、冷徹かつ無感情な印象の思想家ではなく、太い熱意と遊び心に満たされている。