恐竜研究の最前線 の商品レビュー
近年の恐竜研究の状況を紹介した本。 著者は、長年にわたり恐竜研究を行い、現在もブリストル古生物学研究所の所長でもある。 恐竜研究の歴史から研究の各論まで、さまざまな図版やイラストで解説しており大変面白かった。 各論のテーマとして、恐竜とは何か、分類方法、発掘方法、生態、遺伝、個体...
近年の恐竜研究の状況を紹介した本。 著者は、長年にわたり恐竜研究を行い、現在もブリストル古生物学研究所の所長でもある。 恐竜研究の歴史から研究の各論まで、さまざまな図版やイラストで解説しており大変面白かった。 各論のテーマとして、恐竜とは何か、分類方法、発掘方法、生態、遺伝、個体発生、食生活、移動方法、絶滅まで詳細に考察されており、著者の経験も交えていて分かりやすかった。恐竜は一般人の関心も高く、メディアでもよく取り上げられているので、既に知っていることも多かったが、この本では系統だってまとめられているので、メディアで知り得ない部分、少し専門的な話も知ることができると思う。 古生物学は、1970年代頃まで科学と言えるのか、推測だけの話と辛口の評価をする人もいたが、現代ではコンピューターやセンサー技術、新しい解析方法を駆使して十分科学的な検証ができるようになっている。 現時点の最新情報でこの本は書かれているが、この先新たな発見や分析で評価が変わることもあると言う。この先の科学においては、固定概念で縛ることは NG ということだろう。 恐竜に興味がある人には一読する価値があると思う。 ちなみに、映画で有名なゴジラは怪獣であって恐竜ではない。 ハリウッド映画のゴジラが恐竜風の体型で表現されて違和感を感じたが、 科学的な考証も厳密に当てはめすぎるとよくないと思う。 SF は SFとして見るべきだろう。
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図書館の新着コーナーで手に取った。 なるほど、2000年代以降も進歩し続けている恐竜研究、なんとも魅力的な分野だ。それを支えているのはテクノロジーの進歩、ゲノム技術、コンピュータ技術、解析ソフト、非破壊検査装置などだ。だが、なんといってもテクノロジーを駆使して古生物の進化の過程を突き詰めようとする科学者の熱がすごい。 「推測」から「科学」の域への転移、この半世紀の研究の成果は前近代の比ではない、さらなる成果が楽しみだ。 この書籍も若い人に読んでもらいその熱を感じて欲しい一冊だ。
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