愛を描いたひと の商品レビュー
つい先日映画「マルモイ」を観た。 日本統治下の朝鮮併合の時代の映画である。 さまざまなことを考えさせてもらった。 その余韻もさめやらぬまま 行きつけの図書館に行き 新刊のコーナーで 目に飛び込んできた一冊が この「愛を描いた人」 前から思っていることですが 日本で語られる アー...
つい先日映画「マルモイ」を観た。 日本統治下の朝鮮併合の時代の映画である。 さまざまなことを考えさせてもらった。 その余韻もさめやらぬまま 行きつけの図書館に行き 新刊のコーナーで 目に飛び込んできた一冊が この「愛を描いた人」 前から思っていることですが 日本で語られる アートの世界では ほとんどが アメリカ・ヨーロッパ一辺倒の 情報だけが流れ込んでくることに 辟易していることが多い すぐ隣に あるのに アジアの絵描きたちのことが 語られることが 皆無に近いことを いつも苦々しく思っている それだけに こうした労作が世に出てくることは とても嬉しい限りである 知人の「絵描き」さんが 戦争は悲惨なものだけれど 絵画の世界では その悲惨さゆえに 見事な作品が 生み出されることがある と おっしゃっていた ここに紹介される イ・ジュンソプさんは (私にとって)初めての絵描きさんだが 韓国では国民的画家であるそうな 妻が 日本人であることがゆえに その当時の世相(戦争中)が 丹念に描かれた とても興味深いノンフィクション作品に 仕上がっている イ・ジュンソブさんの「絵」 できれば 「無言館」で じっくり 向き合いたいものだ と 思いました。
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日韓併合の時代に日本の美術学校で出会い、終戦の混乱の中、今の北朝鮮の元山で挙式。朝鮮戦争勃発。中国軍の参戦により元山を追われ二人の子供と釜山、済州島に避難。この先、方子は子育て環境悪化のために帰国。イ・ジュンソプは絵を描く機会を得るため停戦後ソウルに向かう。繰り返す転居や別居に至...
日韓併合の時代に日本の美術学校で出会い、終戦の混乱の中、今の北朝鮮の元山で挙式。朝鮮戦争勃発。中国軍の参戦により元山を追われ二人の子供と釜山、済州島に避難。この先、方子は子育て環境悪化のために帰国。イ・ジュンソプは絵を描く機会を得るため停戦後ソウルに向かう。繰り返す転居や別居に至るストーリーを追っているだけで、辛いのですが、それでも絵手紙を含んだイ・ジュンソプの作品の中に家族の影響力は見て取れ、方子も絵描きの人生を優先させた後悔はないようでした。
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描かずにはいられなかったイジュンソプの生涯を妻の山本方子との愛を軸に語る。日韓の歴史に翻弄され、会えない妻子に向かって届けた手紙や思って描いた作品が胸を打つ。最後精神を病んでも描き続けた画家の業を感じながら、この別離があっての作品とも言えるし、でももし家族で暮らせる中での作品なら...
描かずにはいられなかったイジュンソプの生涯を妻の山本方子との愛を軸に語る。日韓の歴史に翻弄され、会えない妻子に向かって届けた手紙や思って描いた作品が胸を打つ。最後精神を病んでも描き続けた画家の業を感じながら、この別離があっての作品とも言えるし、でももし家族で暮らせる中での作品ならどんな色を見せてくれたのかとも思いを馳せた。 口絵の作品群から素晴らしさは忍ばれるが、実際に展覧会で見てみたいです。また、装丁も素晴らしかった。
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