薬を食う女たち の商品レビュー
どれもすり抜けていくように、記憶に残らない。本人にとっては、いつまでも纏わりついて離れないこと。 クスリと縁のない生活をしてきたから。こんなに身近にあるものだって、知らずに生きてこられたから。 遠い話のように感じるのは、彼女達のことが分からないのは、無意識か意識的に遠ざけることを...
どれもすり抜けていくように、記憶に残らない。本人にとっては、いつまでも纏わりついて離れないこと。 クスリと縁のない生活をしてきたから。こんなに身近にあるものだって、知らずに生きてこられたから。 遠い話のように感じるのは、彼女達のことが分からないのは、無意識か意識的に遠ざけることを積み重ねて、見て見ぬふりをしてきたからか。 「薬を食う」という表現が言い得て妙。
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これはすごいものを読んでしまった。大槻ケンヂのロコ!思うままにとか、ステーシーズとか、10代の頃読みまくったものたちが溢れかえってきた。なんか落ち着いた。
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痛すぎて読み進められない。ノンフィクションの部分があるという可能性が残酷すぎて怖気づく。心臓が痛い。
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ドラッグに手を出してしまった、いや、出さざるをえなかった(と思いたい)女性たちの話。が、この本じたいは、フィクションである。でも彼女らの声はホンモノである。 どうしてこうなっちゃうんだろう、何がこうさせるんだろう、と考えても考えてもこたえの出ない問いが、読んでる間じゅう、頭を支...
ドラッグに手を出してしまった、いや、出さざるをえなかった(と思いたい)女性たちの話。が、この本じたいは、フィクションである。でも彼女らの声はホンモノである。 どうしてこうなっちゃうんだろう、何がこうさせるんだろう、と考えても考えてもこたえの出ない問いが、読んでる間じゅう、頭を支配する。生き方を社会や時代のせいにするな、という言葉もよく聞くけれど、いやこれどう考えても社会のせいだろ、時代のせいだろ、って思ってしまう。じゃあ社会や時代ってなんだ? 想像を絶する、体験したくもない日々をやり過ごしている人がいる。それも若い女性たち。誰もがこの世界で自分なりの幸せを見つけていいはずなのに。 やさしい社会について考えているのに、なんでか暗い気持ちになる。つらいけど、読んでおくべき本だった。
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「読書人」の書評をみて手に取ったが、正直かなりヘビーだった。 これは、語る人も、聞き取りする人も、そしてそれを書き起こすという作業も、編集も何もかも、超重量級にヘビーだったに違いない。それらをこなした人々に敬意を表したい。 が、斜め読み。 ガッツリ読むと自身にダメージが及そうな...
「読書人」の書評をみて手に取ったが、正直かなりヘビーだった。 これは、語る人も、聞き取りする人も、そしてそれを書き起こすという作業も、編集も何もかも、超重量級にヘビーだったに違いない。それらをこなした人々に敬意を表したい。 が、斜め読み。 ガッツリ読むと自身にダメージが及そうな気がした。
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彼女たちの背景を知ることができた。細かいニュアンスや思いとかを丁寧に書いていて凄い。どの文章も彼女らしい文章になっていて、1人の作家が書いたとは思えない。色んな人が書いた短編小説を読んでいるようだった。
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“だれかが逮捕されるとあちこちで人がうぬぼれだして、刑事も記者も観客も、あたらしい権利を手にした民衆のように沸きあがる。問う権利、罵る権利、蔑む権利、戒める権利、伝える権利、評する権利、嘘をつく権利、自殺をそそのかす権利。あと人間に足りないのはどんな権利だろう。”(p.9) ...
“だれかが逮捕されるとあちこちで人がうぬぼれだして、刑事も記者も観客も、あたらしい権利を手にした民衆のように沸きあがる。問う権利、罵る権利、蔑む権利、戒める権利、伝える権利、評する権利、嘘をつく権利、自殺をそそのかす権利。あと人間に足りないのはどんな権利だろう。”(p.9) “「あなたはどこかでまちがえる。でも、あなたはまちがいじゃない」”(p.160)
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