赤い大地と青い海 の商品レビュー
著者の平和への思い、あの戦争を忘れてはいけない思い、後世に伝えたい思いが強く伝わってきて、共感しました。 著者のおじいさまとおばあさまの実体験を元に、終戦後の満州・シベリア抑留を力強く生き延び、引き揚げてきたか、満州と同じように日本の領土だった南樺太で何があったか、また、本土の新...
著者の平和への思い、あの戦争を忘れてはいけない思い、後世に伝えたい思いが強く伝わってきて、共感しました。 著者のおじいさまとおばあさまの実体験を元に、終戦後の満州・シベリア抑留を力強く生き延び、引き揚げてきたか、満州と同じように日本の領土だった南樺太で何があったか、また、本土の新聞記者視点の戦争、そして中国残留孤児について、日本が、世界が戦争へと走った結果、起こったことはこんなこと、というのを改めて思い知らされました。 また、命の尊さについて、そして私たちが今あるのは、戦争によって被った多くの、大きすぎる犠牲のもとにあることを、改めて胸に刻み、生きていかなければいけないと知らされます。 そして何よりも、作中での「命は繋がれている」という言葉にハッとさせられました。 実は、著者のお祖父様と同じく、私の母方の祖父も満州におり、その後ソ連の捕虜となり、シベリアで6年間抑留されていました。 また、作中で大阪大空襲も描かれていますが、父方の祖母がその大阪大空襲にあいました。 祖父も祖母もそんな想像を絶する境遇のなかを生き延び、命を繋いでくれたのだと、ガツンと殴られ目が覚めた思いです。 この作品に出逢えて良かった。 いつどんな時も思い出したい。 繋いでくれたこの命を大切に、この命は繋がれた命なんだと思いながら、これからを生きて行きたいです。 おそらく著者である橋本譲介氏と私は、同じ世代の人間でしょう。その私たちが、この「赤い大地と青い海」、またべつの作品などを通じ、戦争とはこういうことだということを知り、絶対にしてはいけないものなのだと、後世に伝えていかなければいけないと思います。私たちや、私たちの子供世代、孫世代、そのまた次の世代以降が、未来が平和であるために。
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