こうしてあなたたちは時間戦争に負ける の商品レビュー

アマル・エル・モフタール(著者),マックス・グラッドストーン(著者),山田和子(訳者)

2024/07/13

文通百合タイムトラベルSF。うつくしい。仕掛けが凝っている

主要なSF賞を総なめにしたということで、もうちょっといかにもSFっぽいやつ（ハードSF的な？）かと漠然と思っていたがイメージと違った。でもヒューゴー賞やネビュラ賞ってこういうのが多いような気もする

2023/05/25

レッドとブルーという対立する陣営のトップエージェントがタイムトラベルに並行世界と多次元を縦横無尽に駆け巡るというスケールの大きさを背景に二人の一風変わった〈文通〉を通じての〈心の交流〉を描く…
正直言って物足りない。時間SFや並行世界モノとしてのパンチも弱いけど、百合としてもさっぱりし過ぎでは。
訳者後書きでは英語圏読者ならではの詩的な言葉遊びや古今東西のフレーズからの引用が本作の持ち味とあり、それはやはり邦訳にすればなかなかその魅力は伝わらないよな、と。

2022/09/04

手紙のやり取りを通して物語を進めていく実験的手法は面白いが、英語でないと判らないらしい文章の面白さが伝わらず残念。相手への奇想天外な手紙送出方法や、赤と青をイメージする書き出し、PSの使い方、時間SFにおいて納得できるストーリー、良い面はたくさんあるのだが、今一つキャラクターの気持ちに入り込めなかった。SFアニメ化して連続ものでやると、手紙の現れ方がビジュアライズされて面白いかも。二人の美少女のタイムトラベルバトルとして京アニで作れないかな？地味な手紙のやり取りはバイオレットエバーガーデンで克服済みだし・・・

2021/12/28

私はこういうSFが嫌いなんだなと
物語を蔑ろにしすぎているし、知識をひけらかすばかりで外挿的な楽しみがない

2021/12/21

ストーリーや展開を楽しむというよりは、言葉や状況の面白さを楽しむ本という印象が残った1冊でした。
私は想像力が豊かな方ではないので、この話の、とくに手紙本文ではない様々な風景や起こっている出来事の描写を上手く頭の中で描くことは出来なかったけど、無数の"分からない"があったからこそ、実感として感じられるひたすらの愛、愛、愛を強く受け取ることになって、手紙を読むのは楽しかったです。
"分からない"部分も、単に意味不明なものとして読むのが辛くはなるのではなく、想像は出来ないんだけど、どこかワクワクした気持ちにもなる、不思議な読後感でした。

様々な詩や小説や戯曲からの引用は分かるほどに楽しみ方が増えると思うけど、それが分からなくても、冒頭を読んで好きな文体だと思った方は、きっと最後まで楽しく読めると思います。

2021/11/01

2021-10-31
なかなか凝った構成と美しい文章。百合ではあるのだけど、むしろふたつの魂の交流の詩。
最後の最後でタイトルの意味が明らかになった時の爽快感たるや。人を選ぶと思うけど、刺さる人には奥底まで刺さる美編

2021/10/03

少々、私には味わい方わからなかった。巻末の資料を見ると英米文学とか文化に詳しい人には、別の楽しみ方があるのだろう。

2021/10/01

１ページ目から戦慄した。対立し合う2大勢力の其々の工作員の描写が凄くリアルで、アニメを文章で表現したらこうなるのかと納得。しかも文通を始めた2人は紙の媒体でなく、蝉の翅や年輪と手段も奇想天外で楽しませてくれる。手紙に表現される様々な引用も格調を高めてくれて、さりげない言葉のひとつ一つに作者の知識の深さが偲ばれる。英語独特の韻が多用されているが、原書ではなくてもルビが振ってあるので大丈夫。凄い本に出会った。

2021/09/23

何がなんだか分からないまま
とにかく無理矢理乗ったジェットコースターのように
身をまかせてみました。

スピードある展開で、時代を
過去に未来に、場所も東に、西に
駆け巡って、
ちょっと戦って、
手紙を読んで。

以下ネタバレ
この手紙が次第にメインになっていって。　
以下、さらにネタバレのため略。

今回は何がなんだかわからない
理解できなかったので星はつきません。
でも、裏の気持ちとしては
なんだか気になってしまって
近い未来にまたこの本を手にとるような
気がする、また読んでみたいという
感触が結構あるので、見えない星を4つ
つけてます。

2021/09/10

レッドとブルーの文通のバリエーションが規格外で面白かった。英語の韻の踏み方や引用の面白さはわからなかった。