取締役になるときいちばん最初に読む本 改訂2版 の商品レビュー
会社の重要な意思決定を担う取締役は、契約形態やその身分や報酬の保護の度合いなど、さまざまな点で従業員とは異なる。 一般の従業員は雇用契約だが、取締役は委任契約であり、解約の容易さが大きく異なる。大企業で取締役に昇進した方が一度退職して退職金を受け取るのは、この契約の切り替えのた...
会社の重要な意思決定を担う取締役は、契約形態やその身分や報酬の保護の度合いなど、さまざまな点で従業員とは異なる。 一般の従業員は雇用契約だが、取締役は委任契約であり、解約の容易さが大きく異なる。大企業で取締役に昇進した方が一度退職して退職金を受け取るのは、この契約の切り替えのため。 取締役は取締役の運営など経営に関する意思決定ができるが、一方で、善管注意義務や忠実義務、監視義務や内部統制構築義務、利益相反取引の制限など、さまざまな義務を負う。万が一会社に損害を与えた場合、特別背任罪という刑事罰を受けたり、株主代表訴訟を受けてしまう可能性もある。 とはいえ、経営判断の原則といって、会社のためを思って、過失なく行動した結果、損害を与えたとしても、それは責任を問われないという考えもある。 いずれにせよ大いなる権力には大いなる責任が伴う。 なお、書籍は分かりにくい取締役制度について非常に分かりやすくまとまっているが、やや内容が冗長、かつ最後のあたりは一般的な法律論になっており、内容はかなり薄め。
Posted by
- 1