ラスト・フレンズ の商品レビュー
3人の少女が抱える問題は、かなりシビアで、同じ体験をしている当事者にとっては、読むためには、休み休み進める必要があるかもしれないと感じました。(そのためだと思うけど、最初に相談先リストが記載されている。) けれど、ちゃんと救いはあるし、最後の展開は読者を惹きつける見事な描写。 幻...
3人の少女が抱える問題は、かなりシビアで、同じ体験をしている当事者にとっては、読むためには、休み休み進める必要があるかもしれないと感じました。(そのためだと思うけど、最初に相談先リストが記載されている。) けれど、ちゃんと救いはあるし、最後の展開は読者を惹きつける見事な描写。 幻聴に関する説明があると精神疾患の症状の理解がしやすいと思うから、そこは違う本で補っていく必要があるかなと感じました。
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はじめの警告で、若者の自死をテーマにした内容であることはすぐにわかるし、三人の死にたい女の子が知り合って、結局友情が芽生え、死なない話だろうと思って読んだらその通りだった。 最近のYAは深刻な内容(ジェンダー、虐待、家族の問題など)を扱ったものも多く、経験のない者でも読んで当事者のような気持ちになるものもあるので、警告ももっともだと思う。 が、これは、そこまで身につまされる本ではなかった。 三人の悩みが、いかにも物語のために作られた感じで胸に迫ってこない。才能のある作家なら、経験はなくても経験者のように書けるものだけど、この作者はそこまでの才能はないのだと思う。 三人の中にアジア系イスラム教徒をいれたのは良かったと思うが、その設定がそれほど生かされているわけでもない。 表記に工夫がしてあって、若い人にはそれが新しい感じなのかもしれないが、こうしたやり方はずーっと昔に流行ったのじゃよ。筒井康隆の七瀬シリーズで初めて読んだときは驚いたものじゃ。しかし、それも筒井康隆が発明したものではなかったということを後で知ったがのう。と、思わず口調が変わるのは仕方ない。 つまんない物語でも心に刺さってしまう人はいるから、警告はあって良いが、それほどリアルに刺激するほどの小説でもない。
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アブリの運営は、一人で悩んでいる人たちを繋いで、自殺を思いとどまらせるのが目的かも こんなアプリが現実にあればいいのに と途中までは本気で思いながら読み進めましたが、裏切られました。 三人の心の声が丁寧に表現されていて、それぞれの気持ちが変わっていく様子がよくわかりました。
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父親が自分の行動のせいで交通事故で亡くなり、自身も車椅子生活になったカーラ。母親のパートナーから性的暴行を受けていることを打ち明けられないオリヴィア。イスラムの社会の中で自分を見失っているミーリーン。それぞれが自殺マッチングアプリに登録し出会う。それぞれの心の傷をいだきながら出会...
父親が自分の行動のせいで交通事故で亡くなり、自身も車椅子生活になったカーラ。母親のパートナーから性的暴行を受けていることを打ち明けられないオリヴィア。イスラムの社会の中で自分を見失っているミーリーン。それぞれが自殺マッチングアプリに登録し出会う。それぞれの心の傷をいだきながら出会った3人は、本当に自殺してしまうのか? 性格も自殺願望の原因も違う3人が、どう変わっていくのか。気になって、気になって、本を閉じられなかった。それぞれのこれからは、まだまだ大変だと思うが、希望の持てるラストに少しホッとした。
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サイトに応募した死にたい3人の少女が集まった。 3人は死ぬために、与えられたミッションに取り組んでいく。 ドキドキしながら読みました。 それぞれの少女が感じる苦痛は、自分とは関係ないけれども、読んでいて共感できました。
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”翻訳された“と全く思わない自然な文章でとても読みやすかったです。時代は丁度 今 令和で、想像しやすく身近に感じました。読後は、著者と訳者と本に自分が抱きしめてもらえているような温かな気持ちになりました。生きる希望をもらえます。 中学 高校 大学生くらいで生きづらさを感じている...
”翻訳された“と全く思わない自然な文章でとても読みやすかったです。時代は丁度 今 令和で、想像しやすく身近に感じました。読後は、著者と訳者と本に自分が抱きしめてもらえているような温かな気持ちになりました。生きる希望をもらえます。 中学 高校 大学生くらいで生きづらさを感じている方(感じていた方)、少しでも生きていくことしんどいなと感じられている方におすすめです。
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3人の主人公となるティーンエイジャーの少女たちの鬱や希死念慮を描いた作品。作者はブリティッシュ・ムスリムで、自身の体験も踏まえ精神疾患に対する文化・宗教的な葛藤も提示している。消えたい気持ちが代弁されていて辛いけどどこかほっとする。 わたしはミーリーンに近いと思うけど、事故で父を...
3人の主人公となるティーンエイジャーの少女たちの鬱や希死念慮を描いた作品。作者はブリティッシュ・ムスリムで、自身の体験も踏まえ精神疾患に対する文化・宗教的な葛藤も提示している。消えたい気持ちが代弁されていて辛いけどどこかほっとする。 わたしはミーリーンに近いと思うけど、事故で父を亡くし自身も障害を負ったカーラ、離婚した母親の彼氏から性的虐待を受けるオリヴィアなどから、いろいろな形の辛さを知ることができた。 最後まで読み終わると、ほんとに傑作だった。メンタルヘルスのテーマだけでなく、爽やかで心温まる青春小説でもありサスペンスやミステリー要素もあり、絶妙なバランス。ママたちと娘たちの関係性が丁寧に描かれているのもよい。人によるかもしれないけど、わたしは読んですっきりできたな。結局「死ななくてよかった」になるのなら、もやもやするかもと思っていたけど、意外と大丈夫だった。でも、こんな風に上手くいかない子たちもいるんだろうなとも考えてしまう。 こういう作品を広められる人になりたいって思ったし、そのおかげで一時的かもしれないけど生きて絶対頑張ろうって思えるようになった。
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3人の自殺願望のある少女が自殺サイトで出会い、それぞれの悩みを共有し乗り越えていく。 3人の人物造形がいい。作者の分身とも言えるミーリーンはイスラム教徒、カーラは車椅子、オリヴィアは母と母の恋人と暮らしている。自殺願望の理由も三者三様だ。 3人の視点で次々と場面が変わっていくのも...
3人の自殺願望のある少女が自殺サイトで出会い、それぞれの悩みを共有し乗り越えていく。 3人の人物造形がいい。作者の分身とも言えるミーリーンはイスラム教徒、カーラは車椅子、オリヴィアは母と母の恋人と暮らしている。自殺願望の理由も三者三様だ。 3人の視点で次々と場面が変わっていくのも、スピーディーで飽きさせない。1人語りの表記も3人でそれぞれ違いを出している。 自殺サイトも本当にありそうで、ミステリーの要素も加味される。映画になりそうな小説だなと思う。
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