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教科書と近代文学 の商品レビュー

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2021/07/14

日本近代文学館で、毎年夏に「教科書のなかの文学」と題して行っている展示4回分の内容が収録されています。 対象は、定番教材として国語の教科書への採用が多い芥川龍之介「羅生門」、中島敦「山月記」、森鴎外「舞姫」、夏目漱石「こころ」の4作品。 毎年夏に、近代文学館へこれらの展示を見に行...

日本近代文学館で、毎年夏に「教科書のなかの文学」と題して行っている展示4回分の内容が収録されています。 対象は、定番教材として国語の教科書への採用が多い芥川龍之介「羅生門」、中島敦「山月記」、森鴎外「舞姫」、夏目漱石「こころ」の4作品。 毎年夏に、近代文学館へこれらの展示を見に行って楽しんできましたが、ある意味その4つの展示が纏められた絵公式図録みたいな本です。 資料・図版も多数掲載されていますので(展示の時に見たモノ全部ではありませんが)、各展示が伝えたかったエッセンスみたいなモノは集約されて楽しめる一冊だと思います。 高校の授業を受けたのは遠い昔で、その内容も記憶の彼方の私にとっては、作品の文章だけを読んで受ける印象とは違って、この本で提示されるテキスト外の資料(直筆原稿から読み取れる情報や、当時の世情、その作品が書かれた同時期の作者の書簡…)からアプローチする視点がとても刺激的で面白かったです。 これを読むと、もう一度この4作品を読み返したくなりますね。

Posted byブクログ

2021/07/12
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※このレビューにはネタバレを含みます

展示をそのまま書籍化したような日本近代文学館の本、コロナ禍でなかなか展示に行けない今となってはいよいよそのありがたみが増したように感じます。 「羅生門」のラストについて、そういえば授業で考察させられたなあと思い出し、中島敦についてはその人となりをあまり知らなかったので興味深かったです。 そして「舞姫」については主人公への苛立ちがダントツに強かったのですが、それとは違った視点の解説が展開されていてなるほどと思うと共に冒頭の文章の美しさを再発見しました。最後の「こころ」については、何といっても地形×心情の描写を解説した部分が面白い。漱石の作品にはよく地名が出てきますが、その意味を考えるのも楽しさの一つなのだと勉強になりました。

Posted byブクログ