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美しく、狂おしく の商品レビュー

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流石は「お志麻」さん…!!!

2021年7月読了。 映画全般はもちろん、時代劇通として知られる著者が、「女優・岩下志麻」の全てを聞き取らんとばかりに気合いの入った、役者インタビュー本の傑作であります。 個人的には、彼女が大河ドラマや松本清張作品に出演していた頃がオンタイムの世代なのですが、それ以前...

2021年7月読了。 映画全般はもちろん、時代劇通として知られる著者が、「女優・岩下志麻」の全てを聞き取らんとばかりに気合いの入った、役者インタビュー本の傑作であります。 個人的には、彼女が大河ドラマや松本清張作品に出演していた頃がオンタイムの世代なのですが、それ以前の松竹駆け出し時代や御主人との作品等について、今まで知らなかった事が色々と伺えて、大変勉強に成りました(五社作品は好きですが、『極妻』シリーズは正直苦手なので…ww)。 女優さんのスタンスとして、もっと「構える姿勢」の方かと思っていたのですが想像以上に気さくで、自身の作品に対してかなり冷静に振り返ってらっしゃるのも印象的でした。 『自分はいわゆる「憑依型」なので、撮影中は勿論のこと撮影終了後も暫くの間は、その「役柄」から抜けられない…』、 『その役を演じて終わりではなく、その作品がちゃんとヒットするかまで考える様に成ったのは、(御主人と一緒に)独立してから…』、 『(演じる)役の振り幅が大きければ大きい程良いと思っているが、「普通の専業主婦」の役柄だけは無理…』 等々、かなり突っ込んだ本音まで語っているのは、何より聞き手である著者の熱意の賜物だろうと拝察しました。 仮に主役では無くとも、まだまだ役者として魅力的な作品が有れば出演したいと云う熱意も感じられて、今後の活躍にも期待したいと、改めて彼女が好きに成りました。過去の作品でも、まだまだ観ていない物が沢山有ったし。 これは本の感想とは異なりますが、最後に、こんなベテラン女優さんがここまで意気込みを語っているのに、その後余りオファーが殺到しているとも思えない現状を見るにつけ、日本の映画界の企画力の脆弱さを感じ、心底憂える気持ちにも成ってしまいました…。 そんな事はさておき、この本は日本の映画を語るには必読の一冊であります。文庫化されましたので是非!

左衛門佐

流石は「お志麻」さん…!!!

映画全般はもちろん、時代劇通として知られる著者が、 「女優・岩下志麻」の全てを聞き取らんとばかりに、気合の入ったインタビュー本の傑作であります。 個人的には、彼女が大河ドラマや松本清張の作品に出演していた頃がオンタイムの世代で、正直『極妻』シリーズ(コレは苦手w)以外は大...

映画全般はもちろん、時代劇通として知られる著者が、 「女優・岩下志麻」の全てを聞き取らんとばかりに、気合の入ったインタビュー本の傑作であります。 個人的には、彼女が大河ドラマや松本清張の作品に出演していた頃がオンタイムの世代で、正直『極妻』シリーズ(コレは苦手w)以外は大体拝見していると思っていましたが、それ以前の松竹駆け出し時代や御主人との作品等について、知らなかった頃のエピソードが色々と伺えて、大変勉強に成りました。 女優さんのスタンスとして、もっと「構える姿勢」の方かと思っていたのですが想像以上に気さくな方で、 「自分はいわゆる憑依型で、撮影中は勿論、撮影後も暫くその役が[抜ける]まで時間が掛かる」、「役を演じて終わりではなく、その作品がちゃんとヒットするかまで考える様に成ったのは(御主人と)独立してから」、「役の振り幅は大きい方が良いが、『ただの専業主婦の役』だけは無理」等々、 かなり突っ込んだ本音まで語っておられるのは非常に貴重で、聞き手である著者の熱意の賜物だろうと拝察しました。 主役でなくとも役者としてはまだまだ現役でいたい、と云う熱意も感じられて、今後とも様々な映画でその素晴らしい演技を拝見していきたいと、心から思えました。 最後に一つだけ、「役者の子供さん」って云うのは、本当にツラいんでしょうねぇ…。

左衛門佐

2021/06/25

【娘役から極道まで、時代を先取りした仕事人生!】医者志望の高校生が徐々に女優という仕事に取り憑かれていく。大女優の年代記、仕事論、そして美の下に隠す狂気を語った濃厚な一冊。

Posted byブクログ