ヘヴィ あるアメリカ人の回想録 の商品レビュー
昔、米国の長寿番組の黒人司会者がエルメス本店で出入り禁止をくらった事件があった。その事件とは別にある黒人が、差別を受けるには理由があって、そのことに黒人自身が目を向け対処していかないと差別は永遠になくならない、と説明していた。黒人という人種が真面目で礼儀正しく尊敬されるイメージを...
昔、米国の長寿番組の黒人司会者がエルメス本店で出入り禁止をくらった事件があった。その事件とは別にある黒人が、差別を受けるには理由があって、そのことに黒人自身が目を向け対処していかないと差別は永遠になくならない、と説明していた。黒人という人種が真面目で礼儀正しく尊敬されるイメージを持たれるには、同胞でつるんでぬるま湯に浸かり、批判ばかりしていてはダメなんだと。なんだかー、こういう意識は、人種問題を超えて、一人の人間として、よりよく生きるということを現してもいて、自分も耳が痛い。
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タイトル通りヘヴィ。アメリカに数年住んだことがある。黒人の生きづらさはなんとなくイメージできる。社会的に成功している人はもちろん多くいる。でもそこには僕らがわからないところで黒人としての生き方を抑制していたり白人中心の世界に合わせて犠牲にしているものがあったりするのかもしれない。...
タイトル通りヘヴィ。アメリカに数年住んだことがある。黒人の生きづらさはなんとなくイメージできる。社会的に成功している人はもちろん多くいる。でもそこには僕らがわからないところで黒人としての生き方を抑制していたり白人中心の世界に合わせて犠牲にしているものがあったりするのかもしれない。そしてそれ以前に生活圏や収入、教育レベルで否定できない格差がある。それはバラクオバマが大統領になろうが変わらない。 この本に書かれた世界は側からみれば社会的な地位がある人でもとても多くの個人的な問題を抱えている場合があるということ(これは特定の人種に限定されない話ではあるかもしれないが)。そんな問題の多くが黒人の社会に内在する問題、白人との関係によって常に生み出される問題から作り出されてくる。 巻末の解説にあるように「母とみずからがもろともに住まう、暴力なしでは済まされない黒人の過酷な生態系を、レイモンはいわば恥を忍んで暴き出すのだ」という表現に集約される。
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