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時の他に敵なし の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2024/03/22

きっとこの人はSFを読むのが大好きなんだろう。そういう愛は伝わる。しかしそのことが作品にいかされているのかは疑問。 自分も場面が二転三転する書き方は疲れるし、世界観を頭に入れている人でないと、はて?となるので。 編集、って大事だ。

Posted byブクログ

2022/04/16

近年の研究により、現生人類がネアンデルタール人と交雑(その後、駆逐?)していたことが明らかになっており、それ以前の古代人類間でも同様のことが行われていた。そういった史実を踏まえると、40年前の壮大な作品が今だからこそ輝きを放っていると感じる。

Posted byブクログ

2023/02/27

タイムトラベルものであり、文化人類学ものでもある。差別や家族の物語でもある。書かれたのは結構古くて、1982年。40年経って訳出された。でもプロットは決して古くない。 「少なくとも二回は読んでいただきたい」と訳者はいう。 まだ一度しか読んでいないから、もう一度読んでから改めて感...

タイムトラベルものであり、文化人類学ものでもある。差別や家族の物語でもある。書かれたのは結構古くて、1982年。40年経って訳出された。でもプロットは決して古くない。 「少なくとも二回は読んでいただきたい」と訳者はいう。 まだ一度しか読んでいないから、もう一度読んでから改めて感想を書いてみようと思う。分厚いけど。 タイトルはイェイツの詩から。 『対訳イェイツ詩集』(岩波文庫、2009)版ならp.245。 The innocent and the beautiful Have no enemy but time;

Posted byブクログ

2021/07/17

 時の他に敵なし。じゃ敵は時か。  国家的プロジェクトとしてタイムマシンで200万年ほど過去に戻り、原生人類ホモ・ハビリスの調査の任にあたった「ぽく」、アメリカ空軍下士官ジョシュア・カンパは、そこでヘレンと名づけたハビリスの女性と恋に落ちるという話。タイムマシンはバスの中に設えら...

 時の他に敵なし。じゃ敵は時か。  国家的プロジェクトとしてタイムマシンで200万年ほど過去に戻り、原生人類ホモ・ハビリスの調査の任にあたった「ぽく」、アメリカ空軍下士官ジョシュア・カンパは、そこでヘレンと名づけたハビリスの女性と恋に落ちるという話。タイムマシンはバスの中に設えられ、「むこう」では空間に穴が空くというドラえもんのタイムマシン方式で、そこから吊り台で過去の世界に降りる。ヘレンのいるハビリスの群れに受け入れられようと奮闘する姿が描かれる一方で、ジョシュア自身の生い立ちがカットバックされていく。  彼はスペイン人の唖の娼婦の息子として生まれたが、恐らく父はアメリカ軍の黒人兵。スペイン駐留軍にいた下士官の家庭の養子となって育つ。  更新世に降り立つや、20世紀との連絡手段も断たれてしまったジョシュアは、ハビリスの群れに接近し、そこの家族となっていく過程が一人称で描かれる。他方、ジョシュアがアメリカ人家族に受けいられ、しかし家族の崩壊に遭遇し、過去に旅立つことになる経緯が三人称で平行して語られていく。結末で物語のふたつの線が結ばれるわけだが……  マイクル・ビショップは1970年代にデビューした「大型新人」の一人、名前はよく知っていたので本書も手にしたが、実はひとつも読んだことがなかった。マイクル・ムアコックとごっちゃになっていたみたい。

Posted byブクログ