ウルトラマンの「正義」とは何か の商品レビュー
『ウルトラマン』『ウルトラセブン』を中心に、『ウルトラマンレオ』までのシリーズを、平山亨氏が手掛けた『キャプテンウルトラ』や『仮面ライダー』などと比較しながら、ウルトラマンにとっての〝正義〟とは一体何かを検討していく。 制作に関わった脚本家・監督たちに取材し、当時の制作背景を...
『ウルトラマン』『ウルトラセブン』を中心に、『ウルトラマンレオ』までのシリーズを、平山亨氏が手掛けた『キャプテンウルトラ』や『仮面ライダー』などと比較しながら、ウルトラマンにとっての〝正義〟とは一体何かを検討していく。 制作に関わった脚本家・監督たちに取材し、当時の制作背景を振り返りながらゆっくりじっくり論を進めていくので、『ウルトラマンの「正義」とは何か』というタイトルの割にその結論に辿り着くのに時間がかかっている印象が無いでもない。けれども、そのぶん丁寧に説明されている。 また、現在まで検討が繰り広げられてきた特撮作品への批評やその歴史も紹介されているため、『ウルトラマン』シリーズに対してどのような評論がされてきたかを振り返ることも出来る。何より、少ないながらもこの本のために上原正三氏や田口成光氏などのから新しい証言が得られているので、そのためにこの本を読む価値はあると思う。(ただし、著者は『多くのファン向けの書籍や関係者の回想では明らかになっていないような新事実を披露することには重きを置いていない。』と述べている。) 特撮作品を学術方面から興味を持ち続けてきたひとだけでなく、持ち始めたひとにも是非おすすめしたい本です。
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