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保身 積水ハウス、クーデターの深層 の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2021/09/01

積水ハウスで起きたクーデターについての本。 同社が被害にあった地面師による詐欺事件をきっかけに、当時の和田会長が社長をクビにしようとする。 和田会長はカリスマ的な経営者であり、その頃はもっぱら海外事業に取り組んでいた。 会長にとって地面師詐欺は寝耳に水だった。 詐欺グループはい...

積水ハウスで起きたクーデターについての本。 同社が被害にあった地面師による詐欺事件をきっかけに、当時の和田会長が社長をクビにしようとする。 和田会長はカリスマ的な経営者であり、その頃はもっぱら海外事業に取り組んでいた。 会長にとって地面師詐欺は寝耳に水だった。 詐欺グループはいくつか大きなミスを犯しており、積水ハウスにも詐欺であることを知らせる警告が各方面から寄せられていた。 社長以下の担当者がなぜ騙されたのか、不可解なほどであった。 そのため、第三者委員会は社長の免責辞任は避けられないと結論づけた。 しかし、取締役会は多数派工作により社長派が過半数を占めていた。 会長は海外事業に専念するあまり、社内政治への注意を怠ったのだ。 その結果、社長の解任動議は否決されてしまう。 そればかりか、逆に和田会長が積水ハウスを追われ、クビになるはずの社長が会長に就任してしまった。 本書では、詐欺事件の詳細とクーデターに至った経緯、その後の顛末が詳細に描かれている。 もっとも強く感じたのは、日本の会社には真の意味でのガバナンスが根付いていないということだ。 企業にとってのガバナンスとは株主、さらには社会にとって利益となるよう自身を律し、説明責任を果たすことだ。 実際には、会社を私物化してしまう経営者が後を立たない。 日本は資本主義を輸入こそしたが、根本にある理念は浸透していないということなのだろう。 また、きっかけとなった地面師事件については、積水ハウス社内に詐欺グループとの内通者がいたことが示唆されている。 50億円以上の金がだまし取られ、その大部分が闇へと消えたのだ。 犯人グループの立場になれば、多少のお金を渡してでも積水ハウスの社員の協力をあおぐはずだ。 反社会的な勢力の影響が会社に及ぶことを防ぐにはどうすればよいのか、考えさせられた。 社長派の方々が取材に応じなかったため和田会長側寄りの内容にはなっているが、綿密な取材に裏づけられた良書である。

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2021/07/15

不謹慎な物言いになるが、面白かった 読んでいて思ったのは 失策の責任は取らずにトカゲの尻尾切り 情報は正確に開示しない(開示請求には応じない) 監視(と罰則をちらつかせ)による恐怖政治を敷く 株主総会では聞かれたことに正面から答えない。 あれ?これって何かに似てる… 株主で...

不謹慎な物言いになるが、面白かった 読んでいて思ったのは 失策の責任は取らずにトカゲの尻尾切り 情報は正確に開示しない(開示請求には応じない) 監視(と罰則をちらつかせ)による恐怖政治を敷く 株主総会では聞かれたことに正面から答えない。 あれ?これって何かに似てる… 株主ではないので積水ハウスに物言うことはできないが、投票券は持っている。

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2021/07/04

こういう保身や汚職、不祥事がでる企業は制度や運用云々の前に、組織の土壌が腐っている。人身一新しない限りは本質的な仕事はできないんだなと、、そういう企業には入らないようにしようと思った。

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2021/07/02

とても面白い! 不動産の知識面とガバナンスの両面から、とても勉強になる本。また海外ビジネスの拡大という意味でも勉強になる。 五反田海喜館の土地を地面師に60億円騙し取られた積水ハウスの話。 小林興起氏の名前も出てくる。預金小切手で支払われた。マネロン? 仮登記で逃げるのが普通な...

とても面白い! 不動産の知識面とガバナンスの両面から、とても勉強になる本。また海外ビジネスの拡大という意味でも勉強になる。 五反田海喜館の土地を地面師に60億円騙し取られた積水ハウスの話。 小林興起氏の名前も出てくる。預金小切手で支払われた。マネロン? 仮登記で逃げるのが普通な地面師詐欺だが、本登記で60億円まで振り込まれたという謎の答えは、内通者がいること。。 ディテールにさりげなく謎かけを残しておく書き方が憎いw 旧時代の実力者和田氏と地面師詐欺事件の首謀者でありクーデターを起こし和田氏を解任した阿部社長。。。その後積水ハウスは増収増益。。 表面上の印象である旧来のイケイケどんどんのビジネススタイルから堅い財務重視スタイルへの経営方針への移行とみるか、、、それともガバナンスが全く効いてない問題なのか。。 諸々複雑なことが偶然重なり合って起きることってあるなぁと思いました。 また、「コーポレートガバナンス」は「企業統治」と訳されている。その結果、コーポレートガバナンスは内部統治=経営陣による社員管理と誤解されている。本来は、株主による取締役・経営執行陣の管理のこと。っていう説明があって、再認識しました。

Posted byブクログ

2021/06/27

ジャーナリストの書物は元来、あまり好きでは無かったがこの本は違う。 多面的に問題を捉え、矛盾の指摘、客観的な論証が出来ていると思う。 企業倫理に学生時代から関心があり読んだ。 興味のある方はぜひとも手に取っていただきたい。

Posted byブクログ

2021/06/22

力作。 世間一般の評価と実態の乖離に驚いた。 年齢ではく、人間性の本質、なんだな〜。 それにしても、積水にお勤めの皆様、ご苦労様です。

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