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古代エジプト全史 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2023/07/15

読み物っぽい見た目をしていますが、かなり硬派な内容でした。なんせ数千年前の話なので、当然史実が分かっていないところが多々あるわけですが、それを安易に物語として描かずに、淡々と誠実に現在の最新の研究結果を紹介してくれます。著者の主張が多少あるとはいえ、基本的にいろんな説があるところ...

読み物っぽい見た目をしていますが、かなり硬派な内容でした。なんせ数千年前の話なので、当然史実が分かっていないところが多々あるわけですが、それを安易に物語として描かずに、淡々と誠実に現在の最新の研究結果を紹介してくれます。著者の主張が多少あるとはいえ、基本的にいろんな説があるところはフラットな視点で書かれているので、正確な知識を得ることができます。 その分、読むのが多少しんどい部分があるのは事実でした。特に旧石器時代から初期王朝までの章は、その後のおなじみの王様が登場して盛り上がるまでの、前提知識を得るための修行の時間のように感じてしまいました。 すごいと思うのは、前3000年頃からローマ支配の始まる前30年まで、周辺民族の支配期間や混乱期があるとはいえ、ある程度の王朝の流れが年表として作れてしまうということ。シャンポリオンに感謝です。古代ローマと言えば世界史では序盤も序盤ですが、そこまでにこれだけ長い歴史が語れてしまう古代エジプトは本当にすごいし魅力的です。 エジプト旅行に行ったことがあるのですが、この本を読んでから行けば、マイナーな場所や展示物にもっとテンション上がって楽しかったろうなと。もう一度行きたくなりました。

Posted byブクログ

2023/07/12

図書館で借りた。 砂漠の中にピラミッドにスフィンクス、ツタンカーメン…古代エジプトについてイメージを持っている人は多いと思う。その古代エジプトが3000年以上続いたのはご存知だろうか。 日本という国ができて1500年程度、イエス・キリストが生まれて2023年、中国4000年と言う...

図書館で借りた。 砂漠の中にピラミッドにスフィンクス、ツタンカーメン…古代エジプトについてイメージを持っている人は多いと思う。その古代エジプトが3000年以上続いたのはご存知だろうか。 日本という国ができて1500年程度、イエス・キリストが生まれて2023年、中国4000年と言うが、その古代中国よりも1000年以上前にあったのが古代エジプト文明。その古代エジプトの先土器時代からローマ帝国に支配されるまでの全史を順に解説された本。最新研究も交えた大作だ。 エジプト文明の奥深さを楽しむことができた。非常に満足。

Posted byブクログ

2023/06/09

自分の学生時代にこんな本があったらなあと思う。意外なことに日本語で書かれた古代エジプトの通史はさほど多くない。著者の河合先生は、押しも押されもせぬ、世界的な古代エジプト研究者である。つまり、本書は現時点で手に入る最良の古代エジプト通史と言える。 先史時代の記載がかなり多いのはあ...

自分の学生時代にこんな本があったらなあと思う。意外なことに日本語で書かれた古代エジプトの通史はさほど多くない。著者の河合先生は、押しも押されもせぬ、世界的な古代エジプト研究者である。つまり、本書は現時点で手に入る最良の古代エジプト通史と言える。 先史時代の記載がかなり多いのはありがたい。グレコ・ローマン時代は駆け足で少しわかりにくいかなという印象。だが、やはり何と言っても面白いのは、河合先生が専門とされる第18王朝の記述である。めくるめく人間ドラマにワクワクしながら読み進めた。 巻末には膨大な参考文献と研究する際の情報源が惜しみなく開示される。学生や若手の研究者には非常に参考になるだろう。ネットとの連動企画もあり、至れり尽せりの本当にお得な一冊である。 20数年前、外国考古学の研究畑に片足を突っ込んでいた頃、海外文献の渉猟には本当に苦労した。海外から取り寄せるのに数カ月、お値段も高く、バイト代の大半が消えていった。国内の研究所もあちこち巡った。それが今や、メールでやり取りができ、Academia.eduなどを活用すれば、労せずに必要な文献やら研究者とつながることができる。かつては数万円した専門書が無料で公開されていたりする。昔とは違う苦労もあるだろうが、総じて研究はしやすい時代ではないかと思う。羨ましいような、そうでないような。本書を読み、かつての研究魂が刺激されて、どうにもやり場に困っている。

Posted byブクログ

2022/01/30

なんとなくわかってるつもりで、でも曖昧な、古代エジプトの歴史を、エジプトの地に人類が登場してから、プトレマイオス王朝が倒れてエジプト王朝が終焉を迎えるまでを通して書かれた歴史書。 エジプト学は日々新しい発見があるが、2021年の時点での最新の情報が詰め込まれている。文化史や宗教史...

なんとなくわかってるつもりで、でも曖昧な、古代エジプトの歴史を、エジプトの地に人類が登場してから、プトレマイオス王朝が倒れてエジプト王朝が終焉を迎えるまでを通して書かれた歴史書。 エジプト学は日々新しい発見があるが、2021年の時点での最新の情報が詰め込まれている。文化史や宗教史についての記述はほぼなく、あくまでも『通史』であり、これをベースに文化・思想・宗教を理解すると、より理解がすすむのでないか。 巻末にカテゴリー別の文献紹介(一言紹介付き)やネットを利用した情報収集の紹介があるのもよい。

Posted byブクログ

2021/08/28

エジプトと言えば紀元前からの王と民衆そして墓と言う印象。しっかりとした歴史が綿々と紡がれてれいる。 特に関心がある時代に、ローマのカエサルとクレオパトラがあるが、この書のなかでは後期のごく一部でした。 それだけ、エジプトの歴史は広く長いものであると知ることができました。

Posted byブクログ