アンソーシャル ディスタンス の商品レビュー
ストロングゼロ やばすぎる。なんで短編なのにこんなの書けるんだ。 金原ひとみさん大好きすぎる。 デバッガー 「SNSではいくらでも見つかる同志が、現実社会ではゼロだ。」 コンスキエンティア 1日の終わりには落としてしまうメイクと、積み重なっていく不倫や仕事の落とせない疲れの対...
ストロングゼロ やばすぎる。なんで短編なのにこんなの書けるんだ。 金原ひとみさん大好きすぎる。 デバッガー 「SNSではいくらでも見つかる同志が、現実社会ではゼロだ。」 コンスキエンティア 1日の終わりには落としてしまうメイクと、積み重なっていく不倫や仕事の落とせない疲れの対照が面白かった。 アンソーシャルディスタンス 「また悲しいとか嫌だなとか言い合って、無慈悲のような希望のような朝を迎え、コロナが拡大を続ける東京に戻っていくのだろう。」 テクノブレイク コロナを恐れて引きこもっていくところがとてもリアルだった。だんだん通販で済ませるようになり、その回数も減らしたいから野菜も葉物ではなく根菜を食べるようになったり、化粧品や洋服も買わなくなっていく。 「望まない妊娠や出産をする人々が「猿」とか「ガキ」とか「人間未満」などと憎悪を剥き出しにされる傾向があるが、そもそもあなたの言う人間って何?」
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様々な誘惑に飲み込まれそうになる現代に生きる人々。淡々と生きているようで、どこか儚く脆い。この人たちを前に、自分の人生は自分で選択した結果だと言い切ることができるだろうかと、躊躇してしまいます。
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『理想的本箱』の紹介から借りて読んだ本。 うーん、自分にはどの短編も共感できなかった。 30代ってそんなに外見に気になるだろうか? 人って、そんなに性欲あるものか? 個人的には20代の頃の自分より30代のいまのが 好きなので理解できないな。 また全部の短編にセックスの話が出...
『理想的本箱』の紹介から借りて読んだ本。 うーん、自分にはどの短編も共感できなかった。 30代ってそんなに外見に気になるだろうか? 人って、そんなに性欲あるものか? 個人的には20代の頃の自分より30代のいまのが 好きなので理解できないな。 また全部の短編にセックスの話が出てきて、 途中からうんざりしてきてパラ読みでした。
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個人的に、村上春樹くらい作品を読む前は気合を入れる作家さん。 読後とんでもなく体力を奪われて、 しばらく離れては「金原節、読みたいかも、、、」と舞い戻り、おそらく本書で4作目くらい。 前回金原さんのエッセイを拝読したのも相まって、 シチュエーション違えど似通った主人公•エッセイ...
個人的に、村上春樹くらい作品を読む前は気合を入れる作家さん。 読後とんでもなく体力を奪われて、 しばらく離れては「金原節、読みたいかも、、、」と舞い戻り、おそらく本書で4作目くらい。 前回金原さんのエッセイを拝読したのも相まって、 シチュエーション違えど似通った主人公•エッセイ同様の語り口に「ぐあー全部金原さんで再生されてしまう、、」と集中力を削がれるものの、 なぜかページを捲る手は止まらない。 最後のエピソードで蓮二が芽衣に放った 「セックスをシェルターにしているだけだよ」 の科白から、時代や関わる人が変われど他者を媒介に自分の存在を確認する【女の承認欲求】が金原節を通して私の痛いところをついてくるからしんどいのか、と腹落ち。 相対的ではなく、絶対的な自分の存在を守ってあげないと、いつの時代も女はしんどい。 朝井リョウさんの解説で、 金原節を「一人称視点の視野狭窄による唯一無二のドライヴ感」が言い得てすぎて1人で唸った。 確かにとんでもないものが通り過ぎていった感覚。 毎度読後は放心するけど、既視感があるから鼓動が大きく聞こえる。 メンヘラが自分の気持ちをきちんと言語化できたら、多分こんな感じ。
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負のオーラ漂う表紙の写真から連想できるような内容の短編集だった。 恋愛も結婚も出産も上手く行く方が奇跡的なのではと思わせられるし、実際そうである。 『デバッガー』は、11歳下の男性と35歳の主人公の女性が付き合い始めるが、主人公の女性は自らの老いがどんどん気になるようになり、整形を繰り返す...という話。 見た目も大事かもしれないが、中身の方が大事だと説教垂れるような人には永遠に分からないだろう。相手の肌の若さ、太陽光を何の躊躇いもなく浴びれる身体。どうやったって若さの前では無力なのだ。多分大山くん(歳下男性)は、主人公がすっぴんでも綺麗と言ってくれる人なんだろう。でもそこは問題ではない。自分が自分を綺麗と思えるかどうかが一番の問題なのである。整形こそやらないが、主人公の気持ちは分かってしまった。 『テクノブレイク』は、コロナ禍、コロナにかかりたくない主人公の女性が、恋人にセックス前の洗浄等徹底した感染対策をし始めたがゆえに、恋人から距離を置かれるようになるという話。 誰が悪い訳でもないんだけれど、この感染症に対する価値観って本当に人それぞれで、価値観の違う者同士が一緒にいることは難しい。 話が逸れるが、職場で感染者がまたちらほら出てきているというのに飲み会をやれと命令してくる上司に辟易している。それこそ、この主人公の様に、どうしてもセックス(飲み会)したい!した結果感染しても構わない!ぐらいの気持ちにならなければとてもとても...なんだけどな。 結局、行き過ぎた主人公の行いはさらに恋人を遠ざけることとなってしまい、かわいそうに思った。どうしたら良かったんだろうね。
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強烈な生と性。でも何故か性描写は淡々としているように感じられる。主人公の私情をあまり挟んでないからかな。まるで動物の生態を説明しているかのような雰囲気もある。 それと一つの文章が割と長めだったりもするけど、全体としてリズミカルで早口で音読してみたくなる。金原さんの文章好きだな。...
強烈な生と性。でも何故か性描写は淡々としているように感じられる。主人公の私情をあまり挟んでないからかな。まるで動物の生態を説明しているかのような雰囲気もある。 それと一つの文章が割と長めだったりもするけど、全体としてリズミカルで早口で音読してみたくなる。金原さんの文章好きだな。 「人は偶然性によってのみ存在し続け、偶然性によってのみ死ぬ。」めちゃめちゃ同意。 ストロングゼロより 「単純に、恋愛というステージを降りてみれば、私は彼のような人が人として好きではなかったのだ。」 テクノブレイクより アル中も整形依存も普通の生活の中に紛れており、最初は自分の中の小さな割合だったのに、最後は飲み込まれそうになる。自分とは関係のない世界だと思っていたが、主人公本人たちもそう思いながら溺れて行ったんだろう。他人事ではないと思った。
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断続的な絶頂感がピークアウトする。そのピークを何度も求めては、破滅的な思考に堕ちていく。性欲強めの短編集、メンヘラ、即物的。 物語はコロナ禍に描かれたという点で特異だ。それ故に、アンソーシャルディスタンスというタイトルが行動制限の抵抗にすら見える。接触距離を保たず、極限まで密接...
断続的な絶頂感がピークアウトする。そのピークを何度も求めては、破滅的な思考に堕ちていく。性欲強めの短編集、メンヘラ、即物的。 物語はコロナ禍に描かれたという点で特異だ。それ故に、アンソーシャルディスタンスというタイトルが行動制限の抵抗にすら見える。接触距離を保たず、極限まで密接になれば、そこにあるのは性的な距離からも更にめり込んだ依存関係。 マグネットや粘着性のあるステッカーのように、貼っては剥がし、関係性を維持するだけではなく、釘を打ち込むように相手にめり込めば、深く繋がれても、相手の身体にも穴が開く。強い依存は跡を残し、時に相手も駄目にする。 めり込み、のめり込み、互いに駄目になったとしても、物理的感覚を伴う対面の充足を求める。コロナが境界線を可視化しただけで、元来そのラインを踏み越える行為は、人を溺れさせる距離感だったのかも知れない。あ、そうだ。山本文緒が面白いと言っていたから、この本を読んだのだった。
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金原作品上級者向け。 というか、18禁。 朝の通勤電車で読む小説ではない。 最後の短編が好き、なような。そうでもないような。 わりと現実味があったのは最初の短編。
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5つの短編集です 数ある金原ひとみ作品の中で 群を抜いた面白さだったかも!!!! いや、いつも面白いんだけど、特に面白かった!! ほとんどエロ本といえるような内容の章もあるから人には勧めないがw 〆 以下ネタバレ 最後の2作品はコロナ禍で価値観が変わっていくカップルの話。 あんなに何もかも完璧で順調だった2人が、 コロナに対する危機感や真剣度で感覚がすれ違ってお互いに理解し合えないモンスターのように見えていく様子が面白かった。 数年経って忘れかけていたコロナ禍のことを 思い出しながら読んでいました。 過剰なまでに神経質になる人、 気にせず飲み歩いてあっけらかんとしてる人、 あまりの捉え方の違いに呆然としましたね。 今後どうなるのか先が見えない不安感と 価値観が浮き彫りになっていく感じ… その感覚をちょっと忘れかけていたので、 読んでいてリアルに思い出しました。 〆 個人的に面白かった短編があって、 年下のピチピチな男の子に好かれたアラサーおねえさまの恋愛話。 彼氏は年齢差なんて全く気にしてないのに、 こちらが勝手に気にして卑屈になって、 小さなシワひとつ見つけては自信を失い、 勝手に卑屈になってプチ整形に取り憑かれて、 気が狂っていく話… 私も若い頃はおねえさまたちの自虐ネタに 「えー!全然若いじゃないですかー!」 って心の底から言ってたけど 今自分がアラサーの立場になってみると 若い子達がどれくらい本気でこの言葉を言ってくれてるのかよくわかんないのよ。 こう言っててもふとしたときに「あーやっぱりおばちゃんなんだ」って思われてるかもしれないし、 話を合わせておだててくれてるだけかもしれないし、 かと言って必要以上に偏屈になってダルいおばちゃんにもなりたくないしさ、 実際どのレベルで老けてるのかがどうも客観視できなくて、 過剰に敏感になってしまう!! そんな様子がリアルすぎて… 年上のおねえさまに恋するピチピチ男子はこの本を必修科目にしてアラサーの乙女心を学んでから挑んでほしいわw もはや教科書よw 〆 基本的に読んだら売るようにしているのですが この本は手元に残しておきたいな。 久しぶりにそう思える本でした。
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実はこの本もまた「鈴木保奈美のあの本読みました?」という番組で、平野啓一郎さんが紹介されていて、読み始めました。 「ブクログ」の私の本棚に登録する際、確認したのですが、金原ひとみさんの本が1冊もありませんでした。著者は芥川賞作家ですし、多くのサイト等でもお名前を拝見する機会も多...
実はこの本もまた「鈴木保奈美のあの本読みました?」という番組で、平野啓一郎さんが紹介されていて、読み始めました。 「ブクログ」の私の本棚に登録する際、確認したのですが、金原ひとみさんの本が1冊もありませんでした。著者は芥川賞作家ですし、多くのサイト等でもお名前を拝見する機会も多いのに、本作が初読みとは我ながらびっくりです。 平野さんが紹介されていたように、著者が1時期フランスで過ごされていたこともあってか、短編5作の題名は全てカタカナ。意味もわからず、まずそこから調べて作品を読むことから始まりました。 読み終えてみて、とても読みやすい文章を書かれる作家さんだなというのが第一印象。さらに文章から受ける感覚はお若くて、瑞々しさを溢れんばかりに感じられたことが印象的です。 たまたま「7つの習慣」書籍実践サークルに参加していることもあってか、表題作の男女の生き方、考え方、さらに彼らを取り巻く、主に男性の母親の本質に考えさせられることが多かったです。 きっと今後も活躍されるであろう著者の作品を今後は注視していこうと思います。
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