絵本翻訳教室へようこそ 新装版 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
翻訳はやはり幅がとても広いので、絵本の翻訳という、そうそう教科書がないものを見かけてつい飛びついてしまった。 本文中でも語られているが、「簡単な翻訳、難しい翻訳」というのはない。難しさの質が違うだけ。 メールだって論文だって紹介文だって会話文だって絵本だって、それぞれの難しさがある。 そして、正しい翻訳、正解の翻訳というのは存在しない。まあ、間違った翻訳、なんか違う翻訳というのはあるけど… と言っても絵本の難しさは相当なものだと思う。子供だましではない、子供に向けた翻訳… 考えるだけで頭が疲れる。 絵本の翻訳なので、漢字は1、2年生くらいまでにする、そしてひらがな多めになるので文節ごとに全角スペースで間を空けるなど、「読者のことを考えた翻訳」として心構えが役立つ。翻訳って、テクニックとかではなく、どちらかというと心構えが大事だと思っている。誰に向けた文章になるのか、原文は誰に向けたものだったのか、どういう用途で書かれた文章なのかなど、文章以外の情報をできるだけ集めて、それらをふまえて文章を再構築する。文章の構成や順番などは正直どうでもよくて、ニュアンスや意図を正しく伝えられるかというのが肝心。論文や説明書の翻訳だと、補足ならともかく、翻訳者の意図が入るとよろしくないのでダメだけど。 例文を自分でも訳してみたが、結構先生の訳に近いものができて嬉しかった。翻訳について結構理解できているんじゃないだろうか。 今後も精進していかねば。
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