戦争×漫画 1970-2020 の商品レビュー
戦争を扱う作品集。切り口は様々。初出は、古いもので1972年、新しいもので2019年。戦後ある程度経ってから世に出たものである。著者略歴をみると、戦後生まれの方がほとんど。体験していないものが戦争を語る。かつては批判されたものだという。それでは、いつか忘れ去られる。角田光代さんが...
戦争を扱う作品集。切り口は様々。初出は、古いもので1972年、新しいもので2019年。戦後ある程度経ってから世に出たものである。著者略歴をみると、戦後生まれの方がほとんど。体験していないものが戦争を語る。かつては批判されたものだという。それでは、いつか忘れ去られる。角田光代さんが危機感を述べている。…悲しく終わる話、心に染み入る話、インパクトを残す話、示唆に富んでいる話、残念ながら意味がわからなかった話。漫画という媒体では画の力が大きい。それは毒にも薬にもなるが、描かれることで後の世に伝わる何かがある。
Posted by
戦後生まれの私達は、映像や語りでしか、戦争を知らない。それをどうにか理解したい。アプローチは異なるが、どの漫画も不条理な戦争を知らせてくれた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
全体的に穏やかな語り口の作品や戦場そのものよりも市井の人々を描く作品が多いように思われた。また、戦争を経験していない作家の作品も多く、同じく戦争を経験していない私には心強く感じられた。 特に印象深かった作品は以下 「菜々子戦記」さそうあきら お馬鹿さんな菜々子が、無学だったことで戦争の話題で人を傷つけたり理解できなかったりして、一生懸命歴史を勉強する。私もそういう気持ちを持ち続けようと思わされた。 「LOVE STORY’KILLED.」高橋しん これは元々好きな作品。戦争のぐちゃぐちゃの醜さや人間の極限の精神状態はこんな感じなのかなと想像する。「なにするんですかぁ」の無力さ無機質さがこわい。銃弾が語り手なのがすごい。 「砂の剣」比嘉慂 沖縄の小さな島に兵隊たちがやってくる。元兵士の校長は市民が犠牲になるから撤退してほしいと説得。戦略的に重要な島でありつつも、本島の凄まじい爆撃を見た大尉は小島を後にし、後にこの戦争で亡くなる。穏やかで静かながら、恐ろしさと切なさが詰まった作品。 「あいの針仕事」おざわゆき 疎開にゆく小さな妹の服を作るため、父親が新しい上着を譲ってくれるが出来上がった服は水を通したら記事がボロボロになってしまった。寂しさ悲しさひもじさ虚しさ情けなさ。少女の心を考えると涙が出てしまう。
Posted by
戦争を題材にした漫画を集めたもの。この漫画を手に取ってみる人はどれくらいいるのだろう。また買って読む人はどれくらいいるのだろう。 戦争を知らない自分も含めて、戦争とは何かを正しく理解できるのだろうか。 でも漫画を通して理解できることは少なくはないはずだ。
Posted by
- 1