海帝(08) の商品レビュー
鄭和は、宝船(ほうせん。タカラブネではない)を旗艦とする大艦隊を率いて第三次航海に出発する。本書では第一次航海で密かに先帝(建文帝)をセイロンに脱出させた設定になっているため、マジャパヒト王国(ジャワ)の内戦に巻き込まれる第一次航海の史実はこの第三次航海で描かれる。ここで登場する...
鄭和は、宝船(ほうせん。タカラブネではない)を旗艦とする大艦隊を率いて第三次航海に出発する。本書では第一次航海で密かに先帝(建文帝)をセイロンに脱出させた設定になっているため、マジャパヒト王国(ジャワ)の内戦に巻き込まれる第一次航海の史実はこの第三次航海で描かれる。ここで登場する守護兵オラン・ベサール(巨きな人)は、著者の伝奇作家としての面目躍如と言ったところか。そして鄭和も言う通り「先を急ぐ!一気に錫蘭(セイロン)へ!!」。そのセイロンでは、鄭和に怨みを抱くアラガクコナーラ王とモルディブのハディージャ王女が待ち受けており、彼らとの戦闘場面も圧巻である。第四次航海はほとんど省略されているが、面白いのはマラッカで登場するイスカンダルたちだ。イスカンダルはアレキサンダー大王のペルシア語読みであり、マレーの王族たちはイスラム商人から伝えれらたこの英雄の名を好んだという。この心性をロシア人も受け継いだのか、ロシア陸軍が2006年から配備している短距離弾道ミサイル9K720の愛称も「イスカンデル」である。但し、著者も触れている「アニメ漫画のどこかの星の名」がこのような心性と関係しているかどうかは寡聞にして知らない。
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鄭和の旅も3回目。 潭太、大きくなって、かっこよくなりましたね。 そして、イェルマーク船長(T ^ T) 世代は変わっていくのは当たり前ですが、切ないです。 相変わらず、緻密な構成、物語は見事の一言。 そして、次は最終巻。 名残り惜しい……。
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