パリのパサージュ の商品レビュー
「パリのパサージュ」という題名であるが、普通の人にとっては、では、「パサージュ」って何?ということになるはずだ。 それについて、筆者は「まえがきに代えて」の中に下記のように記している。 【引用】 ところで、パサージュを日本人に説明するときには、「まあ、日本のアーケード商店街のよう...
「パリのパサージュ」という題名であるが、普通の人にとっては、では、「パサージュ」って何?ということになるはずだ。 それについて、筆者は「まえがきに代えて」の中に下記のように記している。 【引用】 ところで、パサージュを日本人に説明するときには、「まあ、日本のアーケード商店街のようなものですね」と言うのだが、そう言ってから、「いや、本当はまったくちがうものなんですが」と言い直したくなる。しかし、その実、具体的にどこがどうちがうのかを具体的に語るのは案外むずかしい。形態的にはよく似ているからである。 ただ、形態的には同じでも、パサージュはパサージュで、アーケードの商店街はアーケードの商店街なのである。 では、パサージュとアーケードの商店街との本質的なちがいとはなんなのだろう。 思うに、それは、パサージュには、バルザックやフロベールの生きた十九世紀という「時代」がそのまま封じ込められている点にある。 【引用終わり】 筆者がこの本を書いた時点では、パリには19のパサージュが残っていた。それらは、すべてセーヌ川の右岸、すなわち、オペラ座側に位置している。 本書は、その19のパサージュについての紹介が中心となっている本だ。カラーのものを含めて、写真が多く掲載されているが、それを見れば、日本のアーケード商店街とは異なることが一目で分かる。パサージュとアーケード商店街の違いというよりは、パリと日本の違いである。 パリには何度か行ったことがあるが、パサージュを訪れたことはない。この本をもっと昔に読んでいたら、是非、訪ねただろうのにと思ってしまう。
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パサージュは、パリの通りと通りを繋ぐガラス天井のアーケード街。十九世紀の賑わいを今に伝えるパサージュで辿る新しいパリガイド。〈写真〉鹿島直
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