もっとディープに!カラス学 の商品レビュー
研究者はどんなことを考えながら観察や実験をしているのかを知ることができます。 大学・大学院生の論文(研究成果)を一般向けにかみ砕いて説明した部分も多く、もっと堅苦しく書けば学術書になる内容も満載です。 学術論文ではないので、確かではないが著者の推測や感じたことも綴られており楽しく...
研究者はどんなことを考えながら観察や実験をしているのかを知ることができます。 大学・大学院生の論文(研究成果)を一般向けにかみ砕いて説明した部分も多く、もっと堅苦しく書けば学術書になる内容も満載です。 学術論文ではないので、確かではないが著者の推測や感じたことも綴られており楽しく読むことができました。 解剖学的な研究成果も踏まえ、ヒトとの対比も交えて、カラスの視覚、味覚、嗅覚、聴覚が説明されています。 特徴的な視点としては、嘴と嘴毛について詳しく調べられており、この部分も面白かった。 嘴の中には神経が張り巡らされていて、圧覚、振動、温度など、嘴からかなり繊細に刺激を感じ分けているそうです。 鳥にとっての嘴は、ヒトにとっての指みたいな役割も持っているのだから当然かと思っていたら、まさにそう書いてありました。 しかし、ゾウの鼻やヒトの指と同じようなものと考えてはいけないとも言っています。 視覚については、赤・緑・青・紫外線の4原色で識別しており(ヒトより)優れていそうです。 味覚については、歯がなく何でも丸のみすることから想像できるとおり敏感ではないそうです。 嗅覚も敏感ではなく、聴覚はヒトに若干劣る程度のようです。 カラスは頭がいいらしいということで、脳や心の研究もされていて、実験テーマにも面白いものが満載でした。 カラスは男性と女性の識別ができるか、とか、一度覚えた顔写真から同一人物か違う人かを見分けられるか、といったもの。 ヒトを識別する能力があるのは本当らしいです。 識別には色が重要な要素でもあるらしく、白黒にすると識別できなくなるそうです。 危害を加える危険人物とエサをくれる友好人物の識別はできているというのは確かだと思っていいようです。 数量の識別もできるようで、7個と8個といった微妙な違いが分かるのには驚きました。 本書のような解剖学的な研究成果を知った上で、カラスの行動学の本を読むと楽しさが倍増しそうです。
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めちゃめちゃ面白かった!!! カラス種は良いですねぇ、ほんとに興味が尽きない。最近行動学の本ばっかり読んでましたが、解剖形態学方向の話も楽しいです。嘴の測定値や後半の脳やストレスと学習の部分が個人的にとても楽しかった。 再読必至本です。
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