二度の自画像 の商品レビュー

チョン・ソンテ(著者),吉良佳奈江(訳者)

2021/09/10

「境界」と「記憶」をテーマに描く短編集(두번의 자화상)。韓国と北朝鮮、日本を含む他のアジアの国との境界、過去との記憶、韓国戦争、独裁政権、光州事件などなど。何故だか懐かしい風景が描かれるが、やはりそこは異国だった。遠足(소풍)、見送(배웅)り、釣りをする少女(낚시하는 소녀)、せさ茶碗(밥그릇)、おもてなし(영접)、「労働新聞」(로동신문)、墓参(성묘)、望郷の家(망향의 집)、白菊を抱いて(국화를 안고)、消された風景(지워진 풍경)、桜の木の上で(소녀들은 자라고 오빠들은 즐겁다)、物語をお返しします(이야기를 돌려드리다)。