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Distance わたしの#stayhome日記 の商品レビュー

4.2

14件のお客様レビュー

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2021/08/12

2020年4月からのイラスト日記。政府の宣言や社会動向も少し記載されている。今のコロナ社会の状況を描き出しているとともに、すっかり変わってしまった生活に気づかされる。とはいえなんだか希望を常に持ち続けていたいと読んでいて思える図書。何十年後、何百年後かにはこのイラストは大切な思い...

2020年4月からのイラスト日記。政府の宣言や社会動向も少し記載されている。今のコロナ社会の状況を描き出しているとともに、すっかり変わってしまった生活に気づかされる。とはいえなんだか希望を常に持ち続けていたいと読んでいて思える図書。何十年後、何百年後かにはこのイラストは大切な思い出のアーカイブになると思う。

Posted byブクログ

2021/08/12

『必要とされていない。そう考え始めると、悪い方向に転がり落ちていく。運動のために、毎朝散歩をした。線路脇のツクシがスギナに変わっていったり、日に日にタンポポの茎が伸びていった。そんなものばかり見ていた。綿毛が飛んでいく。ふっと、そうだ、今のじぶんは最高に自由なんじゃないか、と思い...

『必要とされていない。そう考え始めると、悪い方向に転がり落ちていく。運動のために、毎朝散歩をした。線路脇のツクシがスギナに変わっていったり、日に日にタンポポの茎が伸びていった。そんなものばかり見ていた。綿毛が飛んでいく。ふっと、そうだ、今のじぶんは最高に自由なんじゃないか、と思い始めた』 十年以上前になるけれど、何故か巡回(これって既に死語かしら?)している連載やブログが、カタカナの入っている作家ばかりだったことがあった。既にリンクが切れてしまっている古いブックマークには、寺田マユミの「His Daily Life」とか、オカヤイヅミの「すきまめし」とか。その中に今日マチ子の「センネン画報」もある。こちらは更新こそないものの過去のブログ記事も含めて全てに未だアクセス可能で時々眺めてみたりすることもある。 一般的にネット上の表現の場はブログからソーシャルネットワーキングサービスへ移行した感があるけれど、その新たな場で作品そのものを淡々と投稿するスタイルの表現者の裾野が広がったのとは裏腹に、いわゆるプロフェッショナルな人々は作品そのものの発表するやり方から、エッセイ風の言葉を発信する方向に変化している傾向があるように思う。そんな中、今日マチ子が淡々と上げ続けるイラストの投稿の本質は、場の呼び名が変わっても大きく変わってはいない気がする。この「Distance」として単行本にまとめられた作品たちには、「センネン画報」に繋がる表現者の「シンネン」のようなものが存在するとさえ思うのだが、それは「発信する」ことに対する作家の拘り、そこにこそ今日マチ子の業(カルマ)があるからなのかも知れない。。 毎日一頁マンガを描く、と宣言して始まった「センネン画報」は、宣言通り描かずにはいられないという気持ちが先行した作品だとも言える。もっとも作品のスタイルの変動幅は大きい。ただし一つ言えるのは、回を重ねるにつれ、如何にもマンガというスタイルの作品から、徐々にエッセイ風の内容にシフトしていく、ということ。画風も時に抽象的になり、時には少女漫画風になりはするが、作品はより内面的なものに焦点が当たったようなスタイルに移ってゆく。その中で生まれた幾つかのヒントは、「いちご戦争」ではより抽象的な表現へ、「みかこさん」では青春期の物語へと発展していったと、かつてのフォロワーとしては思うのだが、そんな風に個々に分化する前の「センネン画報」の芯に近いもの、ある意味もやもやとした内面を映し出したものが、#StayHomeとタグ付けられた本書の作品群と位置付けられるように思う。 高橋源一郎による解説めいたリーフレットは、伴走者的立場の理解者というより、展覧会で作品を鑑賞する批評家といった視線で綴られているけれど、これらの作品を自身のかつての(やさぐれた)日常を記した作品と対比して、やや刹那的な心象風景の日記と捉えているのは流石だなと思う。というのも、ここには失われてしまう刹那に対する思いはあるものの、意図を持って残そうとする意志はないようにも思えるから。だが、その刹那に対する共感を、喚起する才が今日マチ子にはある。 日々更新される作品では、短いキャプション以外に作家の心情を窺う情報はなかったが、本書ではその作品の背景をもう少しだけ知ることができる言葉が添えられていて、意外な事実を見い出したりもする。そして切り取られた時には気付かなかった想いが、後になって意味を持っていることを改めて発見するという経験に繋がる。閉塞感の中で多くの人が感じる苦しさを、全面的に解放するような作品ではないが、互いに孤独だけれど並走している人の存在を知るだけで、少しだけ楽になることができるような本だと思う。作家自身の健康を祈って止まない。

Posted byブクログ

2021/06/09

2020年4月の緊急事態宣言以降、著者がTwitterにアップしていたイラストの日記。 ソーシャルディスタンスが当たり前になっていく人々の様子、街の様子。 何気ない日常の風景が綴られている。 来年の今頃はどうなっているだろうか…

Posted byブクログ

2021/05/19

今日マチ子さんによる、2020年4月から1年間のイラスト日記。 緊急事態宣言に心がぐらぐらしたり、ちょっとしたことで心を保ったり、新型コロナ禍渦中の情景を虚実織り交ぜて写し取ったイラスト。大まかな時事のタイムラインも月毎に載っているので、自分自身の新型コロナ禍よりも前の記憶も重ね...

今日マチ子さんによる、2020年4月から1年間のイラスト日記。 緊急事態宣言に心がぐらぐらしたり、ちょっとしたことで心を保ったり、新型コロナ禍渦中の情景を虚実織り交ぜて写し取ったイラスト。大まかな時事のタイムラインも月毎に載っているので、自分自身の新型コロナ禍よりも前の記憶も重ねながら深く読んだ。 2021年5月16日、第三十二回文学フリマ東京にて購入。栞、ポストカードのオマケもいただいた。今日マチ子さんのイラストはツイッターではよく見かけていたけど、著書を手に取るのは、実は初めて。

Posted byブクログ