精神科医療の「7つの不思議」 の商品レビュー
当事者の身近にあるからこそ分かる苦悩、スティグマがあると思うんです。それは精神疾患だけでなく事件の加害者、被害者等、そういう現状があると思います。でも、今回の著書は専門家目線でも口火を切っているのが面白いですねぇ。 '233/13 '2311/20
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7つの不思議という問いかけから始まっていくのが面白かった。 夏刈さん自身がBPDを学んで自分のことが整理されたと語る部分が面白かった。 遺伝でもあり、環境でもあり、運でもある。 過去の他者との関係性による経験が、現在の心と脳の繋がりを生んでいる。 精神科病院のないベトナムと、...
7つの不思議という問いかけから始まっていくのが面白かった。 夏刈さん自身がBPDを学んで自分のことが整理されたと語る部分が面白かった。 遺伝でもあり、環境でもあり、運でもある。 過去の他者との関係性による経験が、現在の心と脳の繋がりを生んでいる。 精神科病院のないベトナムと、日本の比較の話で、夏苅さん自身のこれまでの活動が、むしろ偏見を助長したことになっていなかったか、という自省は、はっとされられるものがあった。
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医師として、家族として、患者として、複数のお立場から、精神科医療にまつわる「不思議」について紐解いていかれる本でした。 それぞれのお立場の方を大切にしながら説明されているので、どのお立場の方も安心して読めるのでは、と思います。 時と場合、状況によって、「薬物療法」「人薬」「時...
医師として、家族として、患者として、複数のお立場から、精神科医療にまつわる「不思議」について紐解いていかれる本でした。 それぞれのお立場の方を大切にしながら説明されているので、どのお立場の方も安心して読めるのでは、と思います。 時と場合、状況によって、「薬物療法」「人薬」「時間薬」が必要になるタイミングがあることが伝わってきました。必要なタイミングで必要な「お薬」が届いていくようになるといいな、と思いながら読みました。
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お母様が統合失調症に罹り、ご自身も精神疾患を発症して二度の自殺未遂を起こした精神科医による本。患者の家族として、精神科の患者として、精神科医としての三つの立場から、医療体制や医師などへの提言が書かれている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
以前夏苅さんの本を読んだことがあり、その頃から精神病に関して当事者であり医療者であるという著者に関心を持っていました。 このタイトル…ちょっと誤解を招くのではと思いました。 私はこのタイトル及びサブタイトルを見た時、夏苅さんの患者さんが診療室で話した、他の精神科の診察室では聞けないような話を集めたものかと思ってしまい「7つの不思議」の意味合いを、本書で書かれていたものと全然違うものとして捉えていました。例えば統合失調症の症状で現れる妄想の内容とかそういうものかと思いました。 本書でいう「7つの不思議」とは 1.病名を言われずに何十年と通院している患者さんがいる 2.何十年と薬を飲んでいるのにゴールが見えない 3.精神疾患の原因や薬を見つけるための研究が進んでいない 4.医師から「統合失調症はありふれた病気」と言われる 5.「病気」を自覚できない人もいるのに病院へいかないと治療されない 6.思春期の患者さんの入院に適した病院がほとんどない 7.成人した患者さんに対してなぜ家族会が必要なのか という7項目でした。言われてみればどれもこれも不思議な点ですし確かに知りたいことなのですが、私はタイトルを勘違いしてました。 たくさん「ささる」ところのある一冊です。p44に境界性パーソナリティについて書かれていますが、私も精神病患者の家族として感じたことは患者は「怒り」と「諦め」に苛まれている事が多いのではないかということでした。 あとがきに夏苅先生ご自身は「ルサンチマン(恨み)」が大きかったことを書かれていますが、対象は様々あれど発病のきっかけとしては何らかに対する怒りや諦めが大きいのじゃないかなと感じます。 第7章「ケアしなくていい権利」と「ケアする権利」にはとても大事なことが書かれていると思います。 誰しも大事なものを大事にするというのは、より深く関わることがそうであるとすることが多いと思うのですが、より大事にしようと思ったら「対象と距離を取る」「対象と壁を作る」「対象との関わりを断つ」という選択をしたほうが良い場合が必ずあると私は考えます。 しかしそういうことを改めて言ってくれる人も機会もなかなか得られないのが現状です。それ故に関わり方を間違えて関係性や病状など様々な状況を悪化させたり、回復や状況の改善の遅れを招いたりすることも多くあるのではないかと考えます。 そういう中で、この第7章に書かれていることはなかなか人には言ってもらえない大切な事柄だと思います。 本書に書かれていることは、精神病患者及び関係者(家族や医療者、ケアラー)に広く知ってほしいことばかりです。多く読まれることを願います。 でも、もしも文庫化されることがあるなら…タイトル見直されたほうがいいんじゃないかなぁと個人的には思います。
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まえがき:「生い立ち」を公表後、10年を経てわかったこと ささっとわかる「私の家族の物語」 診察室から飛び出して、患者さんとご家族の声を聞く 序章:病気のことがわかっていないから起こる精神科医療の「7つの不思議」 精神医学は、病気の原因を未だ見つけていない わかっていないから「不...
まえがき:「生い立ち」を公表後、10年を経てわかったこと ささっとわかる「私の家族の物語」 診察室から飛び出して、患者さんとご家族の声を聞く 序章:病気のことがわかっていないから起こる精神科医療の「7つの不思議」 精神医学は、病気の原因を未だ見つけていない わかっていないから「不思議」が起こる 第1章(不思議1):病名を言われずに、何十年と通院している患者さんがいる なぜ医師は、病名を言わないことがあるのか 医師によって違っていた診断基準 今、医師が使用している「DSM(診断)」 「DSM」は、まだまだ過渡期 母の症状を当てはめてみると…… 精神疾患を巡る「遺伝」と「環境」の問題 病気の原因は、「遺伝」と「環境」と「運」 患者・家族としての私の願い:病気を理解するには、病気の説明が必要です 第2章(不思議2):何十年も薬を飲んでいるのに、ゴールが見えない 薬を出すときの精神科医の本音とは? 今、使われている薬は、偶然な出会いから生まれた 精神科の薬物療法は、とにかく飲んでみるという「経験則」 それでも薬を、有益なものとして捉える 私の服薬体験―薬によって得たこと、失ったこと 減薬、断薬は、自分の症状と照らし合わせながら主治医と話し合いを 患者・家族としての私の願い:薬を出すなら、「薬を減らす」「薬をやめる」ことも同時に考えて! 第3章(不思議3):精神疾患の原因や薬を見つけるための研究が進んでいない 人間の「こころ」と「お金」 研究者は、どんな研究をしているのか? 拒食症だった私の「こころ」 患者・家族と研究者が一緒になって 「研究の沙汰も金次第」 患者・家族としての私の願い:研究に患者・家族の参加を! 第4章(不思議4):医師から「統合失調症はありふれた病気」と言われる 医師を始めとした専門家と、患者・家族の認識の違い 精神疾患への偏見を。専門家はどう考えていますか いろいろなタイプがある「統合失調症」 患者・家族としての私の願い:患者・家族の実際の生活を知ってください 第5章(不思議5):「病気」を自覚できない人もいるのに、病院へ行かないと治療されない なぜ、病気の人が放っておかれるのか 拒食症だった私が、病院に行かなかった理由 医師も困っているのです 家族による自衛対策 患者・家族としての私の願い:患者さんやご家族は「承認される」ことを願っています 第6章(不思議6):思春期の患者さんの入院に適した病院がほとんどない 切れ目のない医療を! なぜ「思春期科」がないのか 思春期医療の役割 地雷を踏んで歩いていた、私の思春期 患者・家族としての私の願い:人間の発達課題を学び、訓練したスタッフを 第7章(不思議7):成人した患者さんに対して、なぜ「家族会」が必要なのか どうして精神科医療には、「家族会」があるの? 私から見た「家族会」 家族会の現状 患者・家族としての私の願い:家族の本当の願いは「家族ケア」ではありません 第8章:アンケートから見える「望まれる医師像」 患者・家族、専門職が力を合わせて診療を良くするために 終章:精神科医療の未来に向けて 「病気を治せない」精神科医療ができること 精神科医療の未来に向けての3つの提案 あとがき:私を奮い立たせたのは、権力への「恨み(ルサンチマン)」だった
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