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特撮と怪獣 増補改訂版 の商品レビュー

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2023/10/27
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自分の作り出した作品に対しての、芸術家としてのこだわりを強く感じる1冊だった。 不満や悔しさなどが率直に伝わってくる一方で、怪獣デザインの三原則など作品を受取る子どものことを第一に考えた愛情溢れる方でもありとても興味深かった。 細かい所だと、弥勒菩薩のアルカイックスマイルの話や影響を受けたり受けなかったりした彫刻家の話などがおもしろく、さらに色んな作品をみてみたくなったし、何より語り口がざっくばらんでとても面白かった

Posted byブクログ

2021/05/25

ウルトラマンのデザインで知られる画家、彫刻家の成田亨の自伝。円谷プロに対する不信・不仲が知られているけれど、そこら辺、割と率直に語ってる。個人的には怪獣デザインよりメカデザインに惹かれるので(一応、ポインターの開発について語ってる部分はあるけど)そこら辺もちょっと詳しく語って欲し...

ウルトラマンのデザインで知られる画家、彫刻家の成田亨の自伝。円谷プロに対する不信・不仲が知られているけれど、そこら辺、割と率直に語ってる。個人的には怪獣デザインよりメカデザインに惹かれるので(一応、ポインターの開発について語ってる部分はあるけど)そこら辺もちょっと詳しく語って欲しかったなぁ。

Posted byブクログ

2022/01/01

公開延期とのことですが今年のお楽しみ、シン・ウルトラマンのトレーラーでのカラータイマー無しバージョンに触発され成田亨画集「ウルトラ怪獣デザイン編」を開き、そしてそこで成田のカオス=怪獣、コスモス=ウルトラマンというコンセプトに触れ、もっともっと成田亨の言葉に触れたくなって1996...

公開延期とのことですが今年のお楽しみ、シン・ウルトラマンのトレーラーでのカラータイマー無しバージョンに触発され成田亨画集「ウルトラ怪獣デザイン編」を開き、そしてそこで成田のカオス=怪獣、コスモス=ウルトラマンというコンセプトに触れ、もっともっと成田亨の言葉に触れたくなって1996年出版の本書にたどり着きました。出色の面白さ。成田亨の語りで構成しているのですが芸術家らしい、そして自分でデザインしているからこその力強い言葉が次々繋がって気持ちいいです。P142『それで、「ゴジラ」ってのは全体構造がないでしょう。ただ、だらだらした体があるだけ。その点、僕の「レッドキング」ってのはいかにも構造的でしょう。」P154「現在、怪獣の発想は、東洋も西洋も神話時代で終わっている。人類はそれ以後今日まで妖怪だけを追ってきたんです。そして、怪獣映画、特にアメリカの怪獣映画はほとんど妖怪映画だった。唯一『キング・コング』があるとしても。ゴリラが巨大化しただけであり、円谷英二監督、オヤジの『ゴジラ』もただの恐竜にすぎないと思う。」ひぇー!これも今年のお楽しみ「ゴジラVSコング」も形無し!なによりも心に刺さったのは…P180「だけども僕がやった『ウルトラマン』というのは。プロヂューサーは栫井さんだと思うんだけど、僕にとって定かじゃない。脚本もない。まったく。ぺらぺらの企画書があるだけでね。監督の決定なんてのはずっと先の話だから、誰もいない。美術の作業が先行して、金城哲夫さんと相談して話を決めていくわけです。そして、出来上がったフィルムは。主演、誰ですか?主演・黒部進ですか。違うでしょう。主演・ウルトラマンでしょう。というとこは『ウルトラマン』は美術が主体の作品なんです。僕がデザインしたのは、主役のウルトラマン、敵役の怪獣。そしてその主役と敵役の間をつなぐ、役者がいます。黒部進とか小林昭二、それの服装から何から、飛行機も全部デザインしました。車もデザインしました。だから、かつての映画作りとは全然違うんです。要するに、美術が全部なんです。」そうかもしれない。ウルトラマンやセブンで特撮に心ときめかせた世代としては自分のネバーランドは成田亨の頭の中なのかもしれない…と思いました。もしかしたらきっと同じ原体験を持つ庵野秀明監督のシン・ウルトラマンって、円谷ウルトラマンから成田ウルトラマンへの脱却を図る映画なのかもしれない…と妄想しました。NHKのプロフェッショナルで彼が語っていた父親の足の欠落への複雑な思いと成田亨が幼少期の事故で抱えていたカッタイという左手への意識も、もしかしたらシンクロしているのかも。「シン・ウルトラマン」も「ゴジラVSコング」もメチャ楽しみです。あと成田亨の仮面ライダーの初期の怪人デザインへの一定の評価も新鮮。「シン・仮面ライダー」の原点もそこにあるのかも、と思ったりして。

Posted byブクログ