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膠を旅する の商品レビュー

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2022/02/02

膠そのものはもちろん、膠をめぐる歴史、文化、つまり人々の営み。写真も豊富で、ずいぶん中身の濃い本でした。肝心の展覧会は観られず、ニコ美の配信と公開講座を興味深く拝聴。こうして書籍という形になっていると、より深く追体験したり、あのときのあの話はこのこと、と気付いたり、もっと年月が経...

膠そのものはもちろん、膠をめぐる歴史、文化、つまり人々の営み。写真も豊富で、ずいぶん中身の濃い本でした。肝心の展覧会は観られず、ニコ美の配信と公開講座を興味深く拝聴。こうして書籍という形になっていると、より深く追体験したり、あのときのあの話はこのこと、と気付いたり、もっと年月が経って振り返ることもできたり、良い。

Posted byブクログ

2021/06/13

「膠を旅する」内田あぐり監修 2021/6/11付日本経済新聞 夕刊 ■「膠を旅する」内田あぐり監修  古来、絵画をはじめ建造物や工芸品、楽器などの接着剤として世界中で使用されてきたのが膠(にかわ)だ。特に日本画制作では、画面と絵画を接着するものとしてなくてはならない重要な素材...

「膠を旅する」内田あぐり監修 2021/6/11付日本経済新聞 夕刊 ■「膠を旅する」内田あぐり監修  古来、絵画をはじめ建造物や工芸品、楽器などの接着剤として世界中で使用されてきたのが膠(にかわ)だ。特に日本画制作では、画面と絵画を接着するものとしてなくてはならない重要な素材でもある。動物の皮や骨から生成されるゼラチンを主成分とする接着剤で、日本では主に皮革製品のくずが使用されている。しかし時代の変化とともに、伝統的な手工業としての膠は途絶えてしまった。本書では当たり前にあり、これまでほとんど顧みられることがなかった膠の過去と現在、そして未来へと焦点をあてている。   研究者や画家などのコメントや、膠と関わりの深い土地の調査、論考など多角的に分析を行う。伝統文化と深く結びつきながら、なぜ伝統的な膠は途絶えていったのか。過去、現在、そして未来を考察する。歴史や背景を知ることで、膠は単なる修復材にとどまらない、生活に密着したひとつの文化だということがよく分かる。(国書刊行会・4180円) ■「世界一の動物写真 増補改訂版」ロザムンド・キッドマン・コックス著 50周年を迎えた世界最高峰の写真賞「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」。137人の写真家がとらえた184枚を掲載する。動物と正面から向き合ったポートレートや水中撮影を駆使したものなど実に様々だ。   一瞬を逃さず捉えた数々の写真は、これまでにまったく見たことのない新しい自然の姿を見せてくれる。キャプションも充実しており、各作品の革新性がよく分かる。動物に気づかれないよう、マジックミラーを使用したことなど当時の状況や写真家の狙いも詳述されており、撮影過程が分かるのも興味深い。尾澤和幸訳。(日経ナショナルジオグラフィック社・3960円)

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