世界の凋落を見つめて の商品レビュー
過去十年、腹を立てつづけた四方田犬彦!がおもしろい。 今は、きっと、もっと腹を立てていると思うと、ちょっと笑っていられない気もする。でも、もっと、腹を立てていてほしい。
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エッセイストの著者による、2011年から2020年までに雑誌に掲載されたエッセイをまとめた本。 著者については全然知らなかったのだけど、『「かわいい」論』の著者と書かれてあって、そういえば読んだことあるなと思った。どんな内容かあまり覚えてないのだけど、今ほど本をよく読む前に書名に...
エッセイストの著者による、2011年から2020年までに雑誌に掲載されたエッセイをまとめた本。 著者については全然知らなかったのだけど、『「かわいい」論』の著者と書かれてあって、そういえば読んだことあるなと思った。どんな内容かあまり覚えてないのだけど、今ほど本をよく読む前に書名に惹かれて読んだ覚えがある。 本書は、ある年に書かれたことだからといって、その時代の話を書かれているとは限らないのだけど、この10年はいろんなことがあったんだなということが分かった。 2011年にオリンピックは都市の景観を破壊する三大元凶(後の二つは地震と無差別爆撃)と書かれてあって、ちょっと笑った。まあ、オリンピックは壊してるわけじゃないから他の二つとは違うような気もするけど、そういう見方もあるのか。 ウィーンには、全長1㎞以上ある、カール・マルクス・ホーフという集合住宅があるらしい。1382世帯もあるそうだけど、一つの建物で一つの町になっているような感じなのだろうか。いろんなお店もあるようで、ここにいるだけで生活に不自由なさそうに思った。 他、9.11の自爆攻撃を、海外メディアでは「カミカゼ」と呼んでいたという話も初めて知った。確かに、そういうイメージは分からなくないのだけど、それで通じるほど「カミカゼ」って有名なのか。 佐村河内守についてもいくつか書かれてあって、耳が聞こえないというのは嘘というように言われてたけど、感音性難聴であることは事実らしい。まあ、Wikipediaみてみたら、中度で障碍者手帳の交付の対象となるレベルではないそうだけど。 『週刊金曜日』2016年12月2日号に掲載されたという、「熊にひどい目にあったら」というエッセイはよく分からなかった。幼いころに、家族が食べられるなど熊にひどい目にあった経験があって熊が怖くなったため、熊に関するキャラクターなどのいっさいを禁止してほしいという話。本気でいってるわけではなくて皮肉ではあるようなのだけど、いまいち何のことかよく分からなかった。多分、時事ネタなのだろうけど、2016年のこの時期に何かあったんだったかな。 アフリカのナイジェリアでは映画をよく撮影しているという話も初めて知った。今世紀に入って世界で最も多くの映画を撮っている国だそう。調べてみるとそんなに品質はよくなさそうだけど、将来的にアカデミー賞をとったりするのだろうか。
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学生時代以来の四方田氏の著作だが,相も変わらず他者とは異なる独自の視点から,様々な事象を解釈するその内容は,筆舌に尽くしがたいほどの納得感と危機感が私の心の中に醸成される.何故このように一言一言が至言になるのだろう.出来が違うとはこのこと.
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