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戦争というもの の商品レビュー

4.2

26件のお客様レビュー

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2021/10/17

戦時中の状況が読みやすい形でまとめられている。文中に語られる民衆の様子と、「欲しがりません勝つまでは」の記述など、情報を発する側と受け取る側の乖離を改めて考えさせられる本。「百年兵を養うは平和をまもらんがためである」という言葉は印象に残った。 まえがきで、「戦争によって人間は被害...

戦時中の状況が読みやすい形でまとめられている。文中に語られる民衆の様子と、「欲しがりません勝つまでは」の記述など、情報を発する側と受け取る側の乖離を改めて考えさせられる本。「百年兵を養うは平和をまもらんがためである」という言葉は印象に残った。 まえがきで、「戦争によって人間は被害者になるが、同時に傍観者にもなりうるし、加害者になることもある。そこに戦争の恐ろしさがある」と述べられているが、あとがきで「天災と違って、戦争は人間の叡智で防げるもの」と著者の妻が述べている。この2つの記述に、戦争の悲惨さや虚しさが表現されているように感じた。 著者は亡くなってしまったとのことで、この本や著者に限らず、亡くなる前に戦争体験や自分の受けた身体的被害あるいは精神的苦痛について語られ拡散されることがあるが、今後生きていく上で、それらにもっと耳を傾けていかなければと思う。

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2021/10/17

最後になった。12年前に再就職した会社の社長から、日本、韓国、中国の近代史は、知っておく必要があると教えられた事を思い出す。日本の学校では近代史を教えない。

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2022/02/17

企画の段階では、37の「名言」を取り上げる予定だったが、2021年1月に著者が亡くなり、14の「名言」となりました。残り23の言葉についても、著者の説明と共に知りたかったです。 学生時代には、戦争のことを学ぶ機会もあり、修学旅行などで、原爆資料館などを訪れることもあり、戦争の悲...

企画の段階では、37の「名言」を取り上げる予定だったが、2021年1月に著者が亡くなり、14の「名言」となりました。残り23の言葉についても、著者の説明と共に知りたかったです。 学生時代には、戦争のことを学ぶ機会もあり、修学旅行などで、原爆資料館などを訪れることもあり、戦争の悲惨さを知り、憲法9条の問題なども、もう少し、日ごろから考えることがあったように思う。 しかし、社会人になり、日々の生活に追われるようになると、いつの間にか、戦争のことを正面から考える機会が無くなっていく。 徐々に、戦争だけは絶対にいけない、そんな上っ面な言葉だけが自分の中に残りつつも、戦争とはなんだったのか、新たに知ることも、知っていることを改めて見つめることも、積極的にはしなくなってきた。 そこへきて、昨年からの新型コロナ、オリンピック。心なしか、これまでよりも戦争について取り上げているメディアが少なかったように思うのだ。そしてそれを、まあ仕方ないよなあ、こんなご時世じゃなあ、なんて思っている自分がどこかにいた。 しかし、この本を、8月は積読にしたまま過ごしてしまい、9月に入って読み始めた途端、はっとした。そう。本当に、はっとしたのだ。自分の戦争のことを考えなくても仕方ない、戦争はしちゃだめだってわかってるから大丈夫、みたいな気持ちを、心底浅はかだと思った。 この本は、名言を軸に、戦争と言うものがどういうものだったのか、そこから何を感じ学ぶべきなのかを、平易な言葉で綴ってくださっています。でもだからこそ、難しい資料を読むよりも、胸に迫ってくるものがある。 言葉って怖い。その言葉によって、思い込んだり、思想として叩き込んだりすることで、社会が間違えた方向に向かっていくのが怖い。 そして、著者がこう記しています 『悲しい事実は現代にもつづいています。6月23日の沖縄全戦没者追悼式のときに、歴代の首相は挨拶のなかで、きまって「県民の心に寄り添って」といいます。そして美辞麗句で哀悼の意を表しますが、ついぞ国家としての謝罪をのべたことはないのではないか。わたくしはそう思うのです。しかも、いまの自民党政権たるや工事費一兆円をかけて辺野古の米軍新基地の建設を、沖縄の人びとの心のうちを無視して強行しているのです』 『三枝昴之といういま活躍している歌人がいますー略ー彼がじつに見事に、いまの悲しい事実を三十一文字にまとめています。「沖縄県民斯ク戦ヘリ」「リ」は完了にならず県民はいまも戦う』 私は特に右でも左でもないし、自民党政権を全否定する立場でもない。それでも思う。安倍政権から続く現政権も、戦没者追悼式に限らず、著者の言う「美辞麗句」が多すぎやしませんか?オリンピック開催にあたって繰り返された、安心・安全と言う言葉。菅首相は、戦没者追悼式で読み飛ばしもしました。人はミスを犯すものではある。けれども、上っ面じゃない、心からの哀悼の気持ちがあったら、原稿をただ読むだけ、だから読み飛ばしも起きてしまう、と言うことは無いのではないか。

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2021/09/09

はじめて手にした半藤一利さんの本が遺作になってしまったことが悔しいです。 もっと続きを読みたかったです。 後半、特に沖縄のところは胸に迫るものがありました。「県民に対し後世特別のご高配を賜らんことを」と残して自決された司令官の大田実少将の電文に心打たれました。 こんなふうに沖縄...

はじめて手にした半藤一利さんの本が遺作になってしまったことが悔しいです。 もっと続きを読みたかったです。 後半、特に沖縄のところは胸に迫るものがありました。「県民に対し後世特別のご高配を賜らんことを」と残して自決された司令官の大田実少将の電文に心打たれました。 こんなふうに沖縄の人々に寄り添った人もいたのだと胸が熱くなりました。 奥様(エッセイスト)の解説とお孫さん(編集者)の編集後記にも感動しました。 著者本人の企画書のとおり、まさに“孫に知ってほしい”戦争の名言の数々、 若い方こそ読むべき本ではないかと思います。 知りたい事はまだまだあるので、今後も戦争関連の本は読んでいきたいと思っています。 本書も定期的に再読したい本です。

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2021/08/17

半藤一利さんは特に近現代史の研究家として第一人者であろう。しかし、安倍前首相や、その取り巻き達からは嫌われていた。第2次大戦における後世に伝えたい言葉を紹介したこの本は、半藤さん最後の著書である。 まずは山本五十六。真珠湾奇襲にあたり指揮官だけの会議において「日米交渉が成立したら...

半藤一利さんは特に近現代史の研究家として第一人者であろう。しかし、安倍前首相や、その取り巻き達からは嫌われていた。第2次大戦における後世に伝えたい言葉を紹介したこの本は、半藤さん最後の著書である。 まずは山本五十六。真珠湾奇襲にあたり指揮官だけの会議において「日米交渉が成立したら、例え攻撃機発進後でも直ちに帰投せよ」と指示したところ、機動部隊司令長官南雲中将は「実際問題として実行不可能」と発言。山本長官は「兵を養うは、一に国家の平和を守らんがためである。これができない指揮官は即刻辞表を出せ!」と叱責。各指揮官は全員シュンとなったという。司馬遼太郎は当時の日本について「現実の日本は、アメリカに絹織物や雑貨を売って細々と暮らしている国で、機械については他国に売るほどの製品はなかった。陸軍の装備は日露戦争時に毛の生えた程度の古ぼけたもの(主力小銃は三八式歩兵銃、主力戦車はブリキと揶揄された)で、海軍は連合艦隊が1ヶ月も走れる石油はなく、その石油もアメリカから買っていた。大戦争など起こせるはずもなかった。」と書いている。自称保守派連中でも、この現実を理解していない者が多すぎる。 半藤さんは、昭和20年までの教訓で第一のものは「国民的熱狂を作ってはいけない」ということだという。 また、アジア解放を掲げアジアの人々のために戦争に向き合っていた日本人もいることはいた。しかし残念ながら殆どの日本人はアジア緒民族を軽蔑しきっており、それらの国を欧米の代わりに日本が支配するというものだった。もし当時の日本人に岡倉天心や高村光太郎のように、苦しんでいるアジアの民を自分の苦しみとしていたならば、後々まで憎悪されるような圧政はなかったのではないかと書いている。 沖縄戦において大田少将は大本営宛に「沖縄県民斯く戦へり。県民に対し後世特別のご高配を賜らんことを」と電報を打った。しかし米軍基地問題等、沖縄の人々の心の内を無視して強行しているとも書かれている。実際このような考えは上だけでなく、例えば本土から来た警察の機動隊員が現地の人を「この土人が!」と呼び蔑んでいることを見ると、行政の末端に至るまで浸透していると感じる。 参謀次長河辺中将手記には戦争末期、北の国境にソ連軍の大群が集結しているのを確認しておきながら、攻めては来ないと結論付け、ソ連の日本侵攻の報に接し「ソは遂に起ちたり。予の判断は外れたり」と書いた。そのお人好しさに滑稽感があるばかりとして、軍上層部の情報収集能力や国際感覚のなさを指摘する。これは株をやっている人にもお馴染みの、自分の都合のよい判断をする「正常性バイアス」というものだ。 著者の企画メモにはこの本に記載されたもの以外にも、政治家や軍人らの有名な言葉が書かれている。それらに対する半藤さんの考えも読んでみたかったのだが残念である。

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2021/11/23

今年の1月に90歳で亡くなった昭和史研究の第一人者「歴史探偵」の半藤一利さんの遺作です。「孫に知ってほしい太平洋戦争の名言」をエピソードとともに書いてあります。80年前、日本はなぜアメリカとの開戦に踏み切り、膨大な犠牲者が出てもなお戦い続けたのか…。この本を読めばわかります。この...

今年の1月に90歳で亡くなった昭和史研究の第一人者「歴史探偵」の半藤一利さんの遺作です。「孫に知ってほしい太平洋戦争の名言」をエピソードとともに書いてあります。80年前、日本はなぜアメリカとの開戦に踏み切り、膨大な犠牲者が出てもなお戦い続けたのか…。この本を読めばわかります。この本には、沖縄での悲劇に代表される戦争の悲惨さ、当時の政治家、軍部などの無能さが詰まっています。文章も柔らかく、若い世代向きに書かれています。二度と戦争をしないためにも、すべての人が読むべき本だと思います。

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2021/08/09

毎年8月は極力戦争に関する本を読むようにしています。戦争を知らない私が、日本とは?日本人とは?という問いに向き合うときに戦争を知らなくていいのか?という想いがあるからです。戦争に触れれば触れるほど、平和な今の時代に戦争を知らないことの怖さを感じます。

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2021/07/21

半藤一利さんが「歴史探偵」と呼ばれる所以に納得の本書であった。「戦争は国家を豹変させる。歴史を学ぶ意味はそこにある」深く胸に刺さった。もっと半藤さんの話を聞きたかった。合掌。

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2021/07/18

様々な文献に目を通し、頻繁なインタビューを実施して著に表している著者が、最後の最後で伝えたかったこと、残したかったテーマは戦争、ということなんだろう。 この書籍自体の分量は多くなく、1時間~2時間で読了できる。そのため、中高生や今まで本を読んで来なかった人にもお勧めできる。 ...

様々な文献に目を通し、頻繁なインタビューを実施して著に表している著者が、最後の最後で伝えたかったこと、残したかったテーマは戦争、ということなんだろう。 この書籍自体の分量は多くなく、1時間~2時間で読了できる。そのため、中高生や今まで本を読んで来なかった人にもお勧めできる。 歴史を発掘することで様々な価値を残してくれた著者に感謝申し上げたい。 ご冥福をお祈りいたします。

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2021/07/11

半藤一利氏が雑誌『歴史街道』に「開戦から八十年—名言で読み解く太平洋戦争」を執筆する条件として、PHP研究所に籍をおく孫娘が編集を担当することで連載が始まりました。企画段階で37篇の「名言」が掲載される予定でしたが、2021年1月帰らぬ人となり、本書の14篇をもって遺稿となりまし...

半藤一利氏が雑誌『歴史街道』に「開戦から八十年—名言で読み解く太平洋戦争」を執筆する条件として、PHP研究所に籍をおく孫娘が編集を担当することで連載が始まりました。企画段階で37篇の「名言」が掲載される予定でしたが、2021年1月帰らぬ人となり、本書の14篇をもって遺稿となりました。 半藤氏の東京大空襲で九死に一生を得る戦争体験をとおして語られる著作からは、凄惨な歴史から学ぶべきことの重要さが切々と伝わってきます。戦争の語り部から戦争をなりました知らない読者へ、平和の願いを託された最後のメッセ-ジです。

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