ダーウィン事変(02) の商品レビュー
アニマルライツという難しい問題に真正面からがっつり取り組んだ作品。 2巻では動物愛護に理解は示すもののヴィーガンなどには過激すぎると冷笑的態度をとる大衆に対してその欺瞞性をざくざく抉ってくる内容に。 「自分はただの一匹の動物にすぎない」といったチャーリーに対して、それすらも特権で...
アニマルライツという難しい問題に真正面からがっつり取り組んだ作品。 2巻では動物愛護に理解は示すもののヴィーガンなどには過激すぎると冷笑的態度をとる大衆に対してその欺瞞性をざくざく抉ってくる内容に。 「自分はただの一匹の動物にすぎない」といったチャーリーに対して、それすらも特権であり、多くの動物はその一匹としてすらカウントされないと叫ぶテロリスト。その言葉はチャーリーの心境に変化を与えるのだろうか? この漫画の怖いところは、ヒューマンジーのチャーリーをサルの姿をした人間としてではなく、人とは異なる知性を持つ生物として描いているとこで、一見、養父母やルーシーと友好関係を結んでいるように見えても、何処か本当に理解しあえているのか判らない不安が常にある。AIにしてもそうだけど、人間以外のオルタネイティヴな知性が存在したとして、果たしてそれは人間と共通する価値観や思想的基盤を持つものなのか。知性の普遍性に対する疑念を与える作りになっている。
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