あるヤクザの生涯 安藤昇伝 の商品レビュー
故石原慎太郎さんの作品。石原慎太郎さんの作品は初読みだが、作者のエピソードは世紀の大スター石原裕次郎の兄という面も含め、作家、政治家としても認知度が高く、色んなドキュメンタリー番組や雑誌等で好んでよく目にしてきた。 この二人は日本で一番有名な兄弟ではないか?と思う。 自分が慎太...
故石原慎太郎さんの作品。石原慎太郎さんの作品は初読みだが、作者のエピソードは世紀の大スター石原裕次郎の兄という面も含め、作家、政治家としても認知度が高く、色んなドキュメンタリー番組や雑誌等で好んでよく目にしてきた。 この二人は日本で一番有名な兄弟ではないか?と思う。 自分が慎太郎さんに感銘を受けたのが当人が都知事時代、東日本大震災の時だった。 あの大震災は都内で自分の店のその日の仕込み準備中に起きた。電車は止まり帰宅困難者が続出し都内が大パニックに陥った。自分にとって初めての事だった。 テレビでは津波の映像と燃え広がる港の火災、福島第一原発の事故等、実際に起きた事なのに現実感が全然ついてこなかった。この先の不安と脅威に引き摺られていく様だった。 その時都知事である慎太郎さんが「自分の事しか考えていない日本人に対しての天罰」と発言されていた。当時その発言は批判が集中し、亡くなった方々が大勢いる中でメチャクチャな発言、立場として知事の発言としては不適切と世間に叩かれまくっていた。 しかし自分はテレビの前で気付かされた、正に自分の事だと。 こんな大震災が同じ日本で起こるなんて想像もしていなかった、震災や天災等を含め世の中を甘くみていた、しっかりと見てこなかった自分に対しての天罰だと思い知った。都知事の発言で目が覚める思いがした。 それまでは自分の事だけ、自分達の事だけしか何もかも考えていなかった。 あの震災と都知事のあの一言は自分にとって今までで数少ない、人としての教訓になっている。 その慎太郎さんの作品。 昭和史に残る「安藤昇」というヤクザと呼ばれた男の半生を私小説風に描かれた作品。 自分はこの安藤昇という昭和のカリスマに以前から牽かれていた。違う方が書いた作品、安藤昇本人が書いた作品も何作か読んだことがある。 今回の作品は半生を描かれた割には浅いかなと感じさせられた。 20年前に読んだ大下英治さんの「小説安藤組」の方が深く色んなエピソードが描かれていた。 今回の作品では書かれていなかったが安藤昇の愛した「信•義•耐」という言葉があり、「心技体」を準え教訓にしていたらしい言葉。 信 信用、信頼、信じる事 義 義理、道義 耐 忍耐 自分も何かにつけてはその「信義耐」を思い出しながら行動に移している。座右の銘とまでとは言わないが自分が生きていく上で大切にしている言葉になっている。 また数冊安藤昇の絡む作品を読んでいきたいと思っている。
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ヤクザ、暴力、男、漢、死合、緊張感、女 生涯変わらず、生き通した。 自分とは縁のない世界、考え方 読了50分
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つまらなくはないが、俺の一人称と石原慎太郎が書いているということが脳内で混在してよくわからない気分になる 憧れて、こういう男になりたい(なりたかった)という願望も半分入ってる気がする
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ー安藤昇という男の暴力に裏打ち彩られた生き様に、人生における人間にとっての暴力という誰しもが潜在的に嗜好する、否定しきれぬ極めて人間的な属性の意味合いを感じぬ訳にいかなかった。 石原慎太郎が描きたかった事を努めて想像する。こうした暴力の魅力に生きた人物を記録しつつ、しかし、数あ...
ー安藤昇という男の暴力に裏打ち彩られた生き様に、人生における人間にとっての暴力という誰しもが潜在的に嗜好する、否定しきれぬ極めて人間的な属性の意味合いを感じぬ訳にいかなかった。 石原慎太郎が描きたかった事を努めて想像する。こうした暴力の魅力に生きた人物を記録しつつ、しかし、数ある安藤昇列伝において敢えて薄く焼き直したような中身にどのような意味があるのかを深読みすれば、恐らくは、石原慎太郎自身と安藤昇や喧嘩師花形敬、幹部西原健吾との出会いを描きたかったのであり、文中でも特に彼らにスポットライトを当てた。更には、拳銃相手にドスでは敵わない自然の理屈を、アメリカの核は日本の傘になり得ない自らの沖縄返還時のアメリカ基地見学体験で実感した核保有論者としての主張を、安藤も同意した事で語らせたかったのか。 暴力を美化するのは気にくわない。しかし、その光と影において潜在的嗜好という絶妙な表現はまた、石原慎太郎らしいと感じる遺作であった。
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石原慎太郎氏が他界したあと、2022年7月に読了。右寄りで高圧的な政治家…というイメージのある氏だが、昭和の生き証人であったことは間違いなく、田中角栄や安藤昇といった破天荒な生き方をした人物像を書き記している。 息子の石原良純氏は、私の二つ上。そこから、私の親世代が、どう時代を...
石原慎太郎氏が他界したあと、2022年7月に読了。右寄りで高圧的な政治家…というイメージのある氏だが、昭和の生き証人であったことは間違いなく、田中角栄や安藤昇といった破天荒な生き方をした人物像を書き記している。 息子の石原良純氏は、私の二つ上。そこから、私の親世代が、どう時代を生きたかが見えてくる。世の中はジェンダーフリーになり、先輩後輩の関係性も変わり、一見、生きやすい世の中に進化したのかも知れないが、果たしてそうだろうか? これから凋落していく日本に対し、昭和を生き抜いた日本人の生き様を通じて、何かを伝えたいと残された遺言と思われてならない。
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字数少なくてすぐ読めていい。 けどもその分ストーリーは薄め。 女との絡みが濃く描いてある本を今度は読んでみたい。
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なぜ石原慎太郎がこのタイミングでこの題材を書いたのか? 文字量が多くないのであっという間に読み終えたが、ちょっといまいちか。安藤の凄さがわかったようなわからないような…?
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評伝と言いながら「俺」を主語として語る言霊システム(©️大川隆法)。 安藤昇の評伝なら面白エピソードには事欠かないでしょうに、安藤に仮託して何事かを語ろうとする著者の老醜が感じられるばかりである。
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実在の人物に焦点を当てたノンフィクションノベル。破天荒な生き方は正に慎太郎小説の主人公のよう。 特攻隊崩れから愚連隊、安藤組組長そして映画俳優。筆者石原慎太郎と微妙に絡んだ生涯を描く。実在の人物がモデルとはいえこれぞ正に石原慎太郎の小説。 スポーツとヤクザ、どちらも命を張った...
実在の人物に焦点を当てたノンフィクションノベル。破天荒な生き方は正に慎太郎小説の主人公のよう。 特攻隊崩れから愚連隊、安藤組組長そして映画俳優。筆者石原慎太郎と微妙に絡んだ生涯を描く。実在の人物がモデルとはいえこれぞ正に石原慎太郎の小説。 スポーツとヤクザ、どちらも命を張った闘いであり石原慎太郎の得意とする題材。
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ヤクザって正義なのか悪なのかわからなくなるが、そういった二元論を超えて、男としての生き様に格好良さを感じてしまう
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