夜の獣、夢の少年(下) の商品レビュー
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面白かった。指の行方ににハラハラし、虎の存在にビクビクし、ジーリンとシンの気持ちのすれ違いにドキドキし。五常の最後の一人、最後の最後でどんでん返しでした。リディアの毒でリディアが死ぬのかと思いきや…。そうは言っても懲悪的な結末。レンがどこまでも純粋で可愛かった。老先生の骨も返せてよかったよかった。結局虎は最後まで出て来ず。人狼ではなかったのですね。
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どの主人公たちにも魅力があり、どんどん場面が展開して面白かった。 しかしミステリアスな虎に関する記述に物足りなさも感じる。もっとホラー風味でも良かったんじゃないかとか、マクファーレン先生は本当に人虎だったのかどうかとか。
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すれ違い、それはドラマの基本。 当人達にとっては「すれ違ってる」なんてわからない。 読者以外に、現実では「空飛ぶ鳥」か「神様」ぐらいか……。 マレーシアに実在するイポーやパトゥ・ガジャという場所で繰り広げられる、不思議な出来事。 人々は、次々と起こる不審死を「人虎」のしわざと...
すれ違い、それはドラマの基本。 当人達にとっては「すれ違ってる」なんてわからない。 読者以外に、現実では「空飛ぶ鳥」か「神様」ぐらいか……。 マレーシアに実在するイポーやパトゥ・ガジャという場所で繰り広げられる、不思議な出来事。 人々は、次々と起こる不審死を「人虎」のしわざとして恐れる。 一方で「五常」になぞられた登場人物たちの謎が漂う。 ミステリーともファンタジーとも、やや消化不良な感があるが、20世紀初頭の英領マレーシア社会を背景にした珍しい物語で、雰囲気は独特。
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上下巻とも一気読みできた作品だった。 登場人物が多くて何度も確認しながら読みました。 ハラハラする展開あり、ドキドキ胸が高鳴る描写あり、と楽しめました。
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一気読み。 上巻の終わりで期待したほどの事件はなかったけれど、 意外な犯人が出てきてファンタジーというよりミステリーの面白さ。 植民地時代のマレーシアの話、初めて読んだ。 別の作品もぜひ読みたい。
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英日翻訳学習中+東南アジアの文化に興味有+中国語とインドネシア語(マレー語に近い)学習経験有+ファンタジー好きの私には堪らない作品だった。 1930年代のマラヤ(現マレーシア)の歴史や風土をしっかり調べた上で書かれているようなので、旅行で行ったマレーシアや中国の風景も参考に思い出し、鮮やかにイメージしながら読み進めることができた。 原題でもあるThe Night Tiger、人虎の存在は様々な形で(ときにかなりはっきりと)仄めかされながらも、最後まで明確にはならず、迷信は迷信として謎を残してくれたのも好感。 創元「推理」文庫なだけあって、ただのファンタジーではなく、ミステリー要素も強く、まさかその人が犯人…!と不意を突かれた。 【翻訳に関してのメモ】 ・視点について 訳者もあとがきに書いているが、視点の問題が訳す際に難しそうだった。原文では主人公のジーリンのみ本人視点、他の登場人物については三人称(神視点)、レンとウィリアムについては時々本人視点、と視点が移り変わっているそうだ。 英日の翻訳で特に難しいと思うのが神視点の訳。日本語では主語を省略することが多いので、小説を神視点で書くのは難しい。それもあり、本書を読んでいて、視点が今どこにあるのか分かりにくいところがあった。 例えば、ジーリンとレンが共有する夢の場面。「おなじみの夢」とあっても、誰にとって「おなじみ」なの?と思ってしまった。恐らく著者と読者(神)にとってなのだと思うけど、日本人的には、その人物がその夢を「おなじみ」と感じていると読めてしまった。 ・「西洋棟」 Western Buildingか?単に西棟(固有名詞で大文字)ではないのか? ・「数」 番号のことを「数(かず)」と表記している箇所があった。辞書的には間違いではないが、語感として「数」というと「数量」をイメージしてしまった。番号であれば「数字」と相性が良い気がする。 ・ふりがな 基準がよく分からなかった。初出で振られていないのにその後振られているところも… ・気になった表現 何度も出てくるなあと思った表現 「かぶりを振る」 「袖にする」
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仁義礼智信、の読み方が当然なんだけれども違って、いつも一つ思い出せなくってなんだっけ?と思いながら読みました。義がイーなんですねぇ。 という訳で、恋愛に鈍い系のヒロインの恋物語がメインだったらちょっと苦手だったかもしれないですが、話の軸は小瓶に入った指だったので。そこの軸からあ...
仁義礼智信、の読み方が当然なんだけれども違って、いつも一つ思い出せなくってなんだっけ?と思いながら読みました。義がイーなんですねぇ。 という訳で、恋愛に鈍い系のヒロインの恋物語がメインだったらちょっと苦手だったかもしれないですが、話の軸は小瓶に入った指だったので。そこの軸からあまりずれなかったのが面白かったです。それにしても人虎って山月記でしたっけ?アレもそういうのじゃなかったかな…と思ったり。中国の古い話は奥が深い。 それにしてももう一人の礼さんコワイ。彼女が植えたのって夾竹桃かイチイの木かなぁなんて思ったんですが、どうなんだろう。夾竹桃と言えば、千葉市では昔、出産祝いとして苗を配ったらしいですが。今思うと結構怖い話だな、うん。 レトロな雰囲気の旧市街を駆けずり回るヒロインが動きにくそうなドレス姿で、絵としては良いけど大変そうだなぁなんて思いながら読み終えました。面白かったです。
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なかなかおもしろかった! ちょっとあやしげで薄暗いような、独特の雰囲気があって好きなタイプの物語だった。 登場人物の名前の一部に五常の字がはいっていて、それがキーになるところはなんとなく里見八犬伝を思い出した。個人的には途中から謎の行方よりもロマンスの方に夢中になってしまった。二人にはこれから幸せに暮らしてほしい。 そしてできれば二人のその後も見たい…。 こわいロマンスも最後の方にあったけども、それについては本格的にネタバレになってしまうから語らないでおく。 ところで五常の一人は登場前に亡くなっているからこの世には四人しかいないわけだけど、作中で何度も繰り返されるように四は非常に縁起の悪い数字。そうするとまた何か事件に巻き込まれるのではないか、という気もする。続きがもしあったらぜひ読みたいなぁ。
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