悪の処世術 の商品レビュー
プーチンはじめ習近平、トランプなど「独裁者」と呼べる人たちが、どのように台頭してきたかや権力の構造、力の源泉などについて解説しています。 プーチンが情に厚いという意外な側面や、シリアの内情とアサドの学歴など、登場する11人について、知らなかったことがたくさん書かれていました。 ...
プーチンはじめ習近平、トランプなど「独裁者」と呼べる人たちが、どのように台頭してきたかや権力の構造、力の源泉などについて解説しています。 プーチンが情に厚いという意外な側面や、シリアの内情とアサドの学歴など、登場する11人について、知らなかったことがたくさん書かれていました。 この本を読むと、今現在起きている社会の様が、もう少し違う観点から理解できるような気がします。 また民主主義の在り方を、改めて考えることの必要性を感じます。
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存命中のカリスマ独裁者から歴史上有名な独裁者まで11名の独裁者の人となりが軽やかに読める至極の一冊です。本書は自己啓発書でもあり、人物伝でもあり、はたまた地政学を押さえる上で必要な歴史知識の要点が押さえることができる良書だと私は思います。特に本書でシリアのアサド大統領の章はシリア...
存命中のカリスマ独裁者から歴史上有名な独裁者まで11名の独裁者の人となりが軽やかに読める至極の一冊です。本書は自己啓発書でもあり、人物伝でもあり、はたまた地政学を押さえる上で必要な歴史知識の要点が押さえることができる良書だと私は思います。特に本書でシリアのアサド大統領の章はシリアという国を知る上でとても役立ちました。世界史が好きになる一冊です。
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佐藤優先生が20世紀以降の独裁者の基本的な内在的論理を解説した本ですが、今の世界を読むためにも一読の価値があると思う。他方で習近平やプーチンを取り上げていないのはちょっと残念か。 スターリンの章でキリスト教の代わりの宗教としての共産主義、人民に自由を与えるとがめる奴が出てくるので...
佐藤優先生が20世紀以降の独裁者の基本的な内在的論理を解説した本ですが、今の世界を読むためにも一読の価値があると思う。他方で習近平やプーチンを取り上げていないのはちょっと残念か。 スターリンの章でキリスト教の代わりの宗教としての共産主義、人民に自由を与えるとがめる奴が出てくるので権力が全てを管理するのだ、そのかわりに生活や教育は国家が保障するのだ、権力批判は許さないがタブーに触れなければ食うには困らないよ、という社会を目指し(一定期間成功し)たとあるが、鄧小平以降習近平までの中国によく似ていると思った。あれほど批判したスターリンの轍を踏むのがちょっと面白いね。習近平が毛沢東へ先祖返りしようとしているとはよく言われるが、本書を読んでその感を強くした。 著者の言わんとするのはどうやら今の日本がこのような独裁体制へ転落する危険に晒されているぞということだが、自主警察やらネット世論やらをみているとその恐れはあるようだに思われる。僕からは、この本に限らず本を読め、と言っておく。
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どの独裁者も自国の発展を真剣に考えていた事がわかった。やり方や達成度は違えど、どの独裁者もこれは同じ。自分は独裁者にはなりたくないけどこれだけは見習うべき。
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プーチン、習近平、トランプ、金正恩、アサド、ホッジャ、ヒトラー、毛沢東、スターリン、カダフィ、金日成 独裁者たちの姿から現代でも独裁の起こりうる危険性を指摘する。 独裁者の権力の源泉を探り、その手腕と独裁に至る背景から体制崩壊まで。 独裁者自らが強権を発動するにではなく。周囲...
プーチン、習近平、トランプ、金正恩、アサド、ホッジャ、ヒトラー、毛沢東、スターリン、カダフィ、金日成 独裁者たちの姿から現代でも独裁の起こりうる危険性を指摘する。 独裁者の権力の源泉を探り、その手腕と独裁に至る背景から体制崩壊まで。 独裁者自らが強権を発動するにではなく。周囲の人物が、密告などの忠誠心競走を通じて独裁者の権力を作り上げていく過程を示す。それは現代の日本でも他の国でも起こりうることだという。 「独裁者は単体では生まれない。ある人物が突如として求心力を持ち暴走を始めるのではない。組織の中で発生した力を組織の内部のさまざまな人間が都合よく利用していくことで徐々に園力が肥大化し、いつのまにか当の本人ですら制御しきれない暴力的な塊としての権力が生まれてしまうのである。」 コロナ禍で、中国的な統制が感染者を抑え込むことなど。自由主義的な価値観より単一な価値観が効率的に思われることも現に起きている。 決して独裁は過去の遺物ではない。 「独裁者の求心力は、個人から生まれるのではない。個人の求心力を都合よく利用する集団と、その求心力に巻き込まれてしまいたいと熱望する人々が、独裁者をつくり出すのである。」 新書なのでやむを得ないがスターリン、毛沢東などもっともっと深く掘り下げた論考を読んでみたかったです。
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独裁者の独裁者たる所以について知ることができると思い購入した。まさに十人十色で、出自、能力、考え方も様々で非常に興味深く読めた。私が不勉強なのが原因だが、所々難しく感じ、頭に入ってこない箇所もあった。
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近現代の独裁者たち11人につき、どのような特徴をもっているかを的確にコンパクトにまとめた本。新書なのでこんなもんだろう。
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p61 ある国の文明度を測る唯一の基準は、弱者に対して国がどういう態度を取るかだ 武漢日記 方方 p80 新約聖書はキリスト教徒のみが経典とするが、旧約聖書はキリスト教徒とユダヤ教徒が共に経典とする p121- シリア 少数のアラウィ派が権力を握る 独裁国家と言っても、アラウ...
p61 ある国の文明度を測る唯一の基準は、弱者に対して国がどういう態度を取るかだ 武漢日記 方方 p80 新約聖書はキリスト教徒のみが経典とするが、旧約聖書はキリスト教徒とユダヤ教徒が共に経典とする p121- シリア 少数のアラウィ派が権力を握る 独裁国家と言っても、アラウィー派が拠点を持っていたシリア北西部の山岳地帯と首都ダマスカス周辺のみを支配 スンナ派などの他の部族の地域は完全に切り捨てている アラブ社会主義を掲げたシリアとリビアには、かつてソ連という強い後ろ盾があった p130 イラン 過去のペルシャ帝国のような影響力を中東で回復したい レバノン、シリア、イラン、イラクの4カ国でアメリカやイスラエルに対抗できるシーア派ベルトを構築したい p141 大した資源のないシリアをめぐって、なぜ各国はころほどまでに影響力拡大の駆け引きを繰り広げるのか? その答えはシリアの隣国、イラクにある。資源の宝庫であるイラクへの足がかりとしてシリアは重要な意味を持っている イスラム国は当初はISIL イラク・レバントのイスラム国と名乗っていた レバントとは東部地中海沿岸のレバノンやヨルダン、イスラエルを含めたシリア地域全体のことを指す。シリア地域とイラク、この2つの領域を支配することで、石油の宝庫であるイラクを完全に手中に収めようとしたのである。イランとアメリカがシリアをめぐって影響力をお互いに行使しあっているのも、その先にイラクを見据えているからにほかならない p155 利己心による上辺だけの教養は、短期的には多少は役立つかもしれないが、すぐに化けの皮が剥がれ、長期的には全く役に立たないこれは今も昔も変わらない普遍的な事実である p223 社会が自信を消失したとき、社会に不安が蔓延したとき、多様な価値観を包摂する民主主義というシステムを突き崩すような独裁体制が生まれるリスクは極めて高くなる。 p254 イスラム教には聖典のコーランとムハマンド伝承集のハーディスの2つのテキストが大前提となっている コーランには守るべき規律の基本が、そしてハーディスは日常において守るべき行動規範の具体的な内容が書かれている カダフィはコーランだけをベースにした新しいスタイルで、イスラム教に基づいた社会主義国を作り上げようとした
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独裁者とも呼ばれる11人の強権的な政治指導者たちを紹介する。人目を引くことを優先したと思しきタイトルは、内容とはやや乖離している。人選を含めて、前後半で趣きが異なる。 前半の5人はプーチン、習近平、トランプ、金正恩、アサドと、数カ月前に退任したトランプを除けば、いずれも現役であ...
独裁者とも呼ばれる11人の強権的な政治指導者たちを紹介する。人目を引くことを優先したと思しきタイトルは、内容とはやや乖離している。人選を含めて、前後半で趣きが異なる。 前半の5人はプーチン、習近平、トランプ、金正恩、アサドと、数カ月前に退任したトランプを除けば、いずれも現役である。これらの人物については各国代表者の人となりや個性を読み解きつつ国際情勢を解説する。ここで登場する各国の指導者間の関わりについての記述も多く、著者の見立てによる現代の政治状況の解説を主な目的としているように見える。前半のなかでは、外務省官僚としてロシア外交に従事した著者の体験談も交えたプーチンへの評価がもっとも面白かった。 後半の6人はアルバニアのホッジャ、ヒトラー、毛沢東、スターリン、カダフィ大佐、金日成。いずれも故人であり、前半と違って、そのほとんどがすでに歴史的な存在として扱われる人物である。後半はこれまでとは流れが変わり、現在のコロナ禍のような人心の不安が煽られやすい状況にあって、その危機を利用する政治家が台頭する可能性について随所で警鐘を鳴らすためのメッセージ性が強くなっている。そのために、これらの歴史的人物から、国家的な失敗と教訓を引き出す流れとなっている。その目的もあって、独裁者を生み出す国や組織で発生する忖度のメカニズムについての指摘が重要と思えた。個別には、本書内ではもっとも知名度が低いであろう、エンベル・ホッジャとアルバニアという国についての情報が興味深かった。 各章(人物)に割かれるのは20ページ前後にとどまる。多数の指導者を取り上げるという企画のため、掘り下げという点では物足りなく感じる。著者が懸念するように、今後の日本についても、コロナ禍による経済状況の悪化による分断から不安と不満を抱いた国民が、強権的な指導者に依拠してしまう怖れを感じる。著者が指摘する状況に陥らないためにも、本書の示すようなメッセージが多くの人に伝わることを望む。 以降、各章の短い紹介を追記する。 1.ウラジーミル・プーチン →徹底してロシアの国益だけを優先する。人情家の一面を併せもつ鉄仮面。 2.習近平 →権益拡大を維持する中国だが、不安材料も多い。後継者不在を憂慮。 3.ドナルド・トランプ →パフォーマンス力、ビジネスマンとしての交渉力。差別主義により社会的分断が悲劇的に進行。 4.金正恩 →主に対米外交について。プーチンは熟練政治家と評価。日本は外交に失敗。 5.バッシャール・アル・アサド →小数部族が権力を握る特殊事情。ロシアの後ろ盾を得て政権維持。弱さを自覚した独裁者。 6.エンベル・ホッジャ →アルバニアとホッジャの歴史。共産主義を徹底した風変りな指導者。 7.アドルフ・ヒトラー →他の独裁者に類例がない、「ただ生き残れれば良い」というニヒリズムの革命。 8.毛沢東 →中華人民共和国における神話。 9.ヨシフ・スターリン →組織に内在する暴力性。多くの企業組織も孕むスターリン主義的な理論。 10.カダフィ大佐 →全く新しい理想社会の企図。対外的な軟化をきっかけに転落。 11.金日成 →国民の幸せと経済的発展を希望したが、構造に目を向けず問題を矮小化。
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