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日本疫病図説 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2021/07/04

2020年には「アマビエ」が流行しましたが、日本では昔から様々な感染症に見舞われてきた歴史があり、医療が未発達の時代には、その対策として病魔退散の祈りを図絵に込めてきました。 本書でいう「疫病芸術」は、有名な絵師や芸術家によって作られたものではなく、市井の人たちの祈りが込められた...

2020年には「アマビエ」が流行しましたが、日本では昔から様々な感染症に見舞われてきた歴史があり、医療が未発達の時代には、その対策として病魔退散の祈りを図絵に込めてきました。 本書でいう「疫病芸術」は、有名な絵師や芸術家によって作られたものではなく、市井の人たちの祈りが込められたものであり、民俗文化のひとつです。 有名なものとしては、上記の「アマビエ」や、その元となったと見られる「アマ彦」などがありますが、信仰の対象としても有名な「牛頭天王」や、「赤もの」の一種である「赤べこ」など、様々なものが本書では体系立てて取り上げられています。 本書はそのほとんどがカラーで載っているので(一部、元が白黒と思われるものなどは白黒になっていますが)、色鮮やかで、当時の人たちが色に込めた思いにも想像が広がります。 2021年現在、まだコロナ禍が収まらない中で、古の日本人たちが絵に込めた病魔退散の祈りを知ることは、意味のある行為だと思います。 そして、その「疫病芸術」をまとめた稀有な本である本書は、今の時代にこそ重要な本だと思います。

Posted byブクログ

2021/06/13

日本の疫病に関する絵や玩具を集めて紹介した本。疫神の像やまじない絵、かわら版的なお知らせの絵や疫病の流行を予言する妖怪の絵までたくさん掲載されていて見ごたえがあります。コロナで有名になったアマビエももちろん載ってます。こうして見ると、大昔から人間は疫病に悩まされてきて、それを避け...

日本の疫病に関する絵や玩具を集めて紹介した本。疫神の像やまじない絵、かわら版的なお知らせの絵や疫病の流行を予言する妖怪の絵までたくさん掲載されていて見ごたえがあります。コロナで有名になったアマビエももちろん載ってます。こうして見ると、大昔から人間は疫病に悩まされてきて、それを避けるために知恵を絞ってきたんだな…。

Posted byブクログ

2021/05/09

日本では古来、疫病が流行ると神仏や伝説上の武将、幻獣などのイメージを借り図像化され病除けや啓蒙の用途に利用されてきた。それらの図版を集め解説したもので、ボリュームは少ないが中身はしっかりしている。図版も豊富で見ているだけでも楽しい。 著者の畑中章宏という人、民俗学者とのことだが「...

日本では古来、疫病が流行ると神仏や伝説上の武将、幻獣などのイメージを借り図像化され病除けや啓蒙の用途に利用されてきた。それらの図版を集め解説したもので、ボリュームは少ないが中身はしっかりしている。図版も豊富で見ているだけでも楽しい。 著者の畑中章宏という人、民俗学者とのことだが「災害と妖怪」とか「津波と観音」とか面白そうな本を書いてる。要チェック。

Posted byブクログ