はつなつみずうみ分光器 の商品レビュー
21世紀の短歌史を体系的に提示してくれるスターターキット。良い短歌を「詠む」ことは良い短歌を「読む」ことなしには達成し得ない(ただし短歌という形態だからこそテクニック云々に固執するのは煩わいという理解は大前提にある)と承知しているので、「よくまとまっているな」という印象を受けた。...
21世紀の短歌史を体系的に提示してくれるスターターキット。良い短歌を「詠む」ことは良い短歌を「読む」ことなしには達成し得ない(ただし短歌という形態だからこそテクニック云々に固執するのは煩わいという理解は大前提にある)と承知しているので、「よくまとまっているな」という印象を受けた。あとがきにもあるが、短歌に対する著者のエネルギーは確実にこの本に凝縮されている。あとは、まだ混沌とした光しかもたない短歌の入門者が、本書という分光器を通じてそれぞれの波長に分かれ、短歌に邁進することを期待するのみである。
Posted by
短歌を読むのが大好き。いつか詠んでみたいとも思ってる。そんな気持ちで本書を手に取ると、なんというか、雑音が多すぎる。 どこまでがニューウェーブでどこからがポストなのかとか、ライトバースとニューウェーブの違いはなんだとか、どうでも良くないか? そんなふうに歌人を区分わけしないと楽...
短歌を読むのが大好き。いつか詠んでみたいとも思ってる。そんな気持ちで本書を手に取ると、なんというか、雑音が多すぎる。 どこまでがニューウェーブでどこからがポストなのかとか、ライトバースとニューウェーブの違いはなんだとか、どうでも良くないか? そんなふうに歌人を区分わけしないと楽しめないのか短歌って? その区分が歌壇内での派閥?みたいなのを生んでいるような記述もあり、読んでて非常に馬鹿馬鹿しくなる。 文壇にもそういうのあるんだろうが、小説は別にそんなの知らなくてもその本単体との出会いだけで楽しく読める。 「私性」を全面に押し出す現代短歌だからこそ必要な解説なのかもしれないが、一般読者を幻滅させると思う。歌人は歌人に向けて歌を詠んでるのか?そんな閉じた文学じゃないと思うんだけどなあ。 笹井宏之を初めて読んだ時の感動をもう一度味わいたい。そのための手引きになればと思って本書を手に取ったが、反感ばかり持ってしまった。 それから、自分がこの短歌素敵と思う基準はなんなのかいまだに分からない。笹井宏之は大好きだけど宇都宮敦は全く響かない、この違いはなんなのでしょう。それも本書では解き明かせなかった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
別の著作の『桜前線開架宣言』の第二弾として本だが桜前線は現在読まれている歌人の紹介が中心。 本書は瀬戸夏子さんの思い入れに共感できると引き込まれる本。たくさんの歌人を紹介しているので興味を持った歌人については物足りなさもあるが、短歌集を読めということだろう。 引き込まれた。
Posted by
- 1
- 2