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なぜ、脱成長なのか の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2021/08/27

成長によって、人種や国内国外への不平等、あるいはジェンダーにおける労働の固定化と不平等を招く、ということがやっと指摘されてきた。  国連のSDGばかりが強調されて教育でも教えられているが実はそれが開発と強く結びついていることが指摘されている。  教育でSDGを説明する場合にはこの...

成長によって、人種や国内国外への不平等、あるいはジェンダーにおける労働の固定化と不平等を招く、ということがやっと指摘されてきた。  国連のSDGばかりが強調されて教育でも教えられているが実はそれが開発と強く結びついていることが指摘されている。  教育でSDGを説明する場合にはこの本も合わせて説明する必要がある。

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2021/08/13

脱成長というよりは、「脱消費」「資本主義の変革」を目指すべきと説いてる本。現在の成長至上主義の生活システムの抜本から変える、そのためには個々人の運動から政治変革を促す「共進化」を推進すべきと言った本書の見解は新鮮だった。 ただ、これが財源的に可能か、どの程度の規模に収縮すべきかな...

脱成長というよりは、「脱消費」「資本主義の変革」を目指すべきと説いてる本。現在の成長至上主義の生活システムの抜本から変える、そのためには個々人の運動から政治変革を促す「共進化」を推進すべきと言った本書の見解は新鮮だった。 ただ、これが財源的に可能か、どの程度の規模に収縮すべきかなど、多くの点での検討が足りない気がする。

Posted byブクログ

2021/08/05

草の根ネットワークから始まる個人の行動力が必要。 GDPの成長は格差拡大につながっている。 成長は必要ない。より少なく生産、少なく消費する生活を指向するべき。 成長には、循環型、永続型、複利型がある。複利型は永遠には続かない。永続型も自然ではない。複利成長を目指すことはできない。...

草の根ネットワークから始まる個人の行動力が必要。 GDPの成長は格差拡大につながっている。 成長は必要ない。より少なく生産、少なく消費する生活を指向するべき。 成長には、循環型、永続型、複利型がある。複利型は永遠には続かない。永続型も自然ではない。複利成長を目指すことはできない。 物資使用量と市場取引の拡大を止める。成長なしで豊かな生活を送れる制度をつくる。 成長追及は、負債、不平等、金融危機を生む。新自由主義は、自由ではなく新たなルールを作った。 成長を求めることが本能、ではない。 デンマークの自転車通勤。 グリーンニューディール政策は、緑の成長と繁栄の両方を目指している。 グリーンニューディール債を発行し、公共事業を行う。 ユニバーサルベーシックインカムとユニバーサルベーシックサービス。=全員にいきわたるもの。資格認定が必要ない。 貧困軽減が経済成長の後押しではなく、環境破壊を防ぐ目的として使われる。 ユニバーサルケアインカム=無償のケア活動に対する保障。 カリフォルニア州では、大規模な山火事が原因で、パシフィックガス&エレクトリック社が破綻した。 今は生産性の向上が企業の利潤と株主の配当に回ってしまう。 炭素税でユニバーサルサービスを賄う。労働への課税はやめる。環境破壊には課税する。 ニューディール政策のときは累進課税が効果的だった。 犠牲を強いる緊縮財政ではなく、連帯経済やコミュニティ経済を補強していけるか、がカギ。 自然界効果、ケアワーカー、子育て中の家族、自転車愛好家、ビーガン、ヒッピー、失業者、気候難民、田舎暮らし、帰納運動、などと相性がいい。 環境グズネッツ曲線は、統計データによって否定されている。 資源は安くなると、使用量は増える。これが経済成長の基本。より少ない資源でより少なく生産するべき。 市場は、汚染に対して正しい値段を付けられない。 農業から工業、サービスへと移行するにつれ、資源とエネルギーの使用量は増えた。 GDPは、環境汚染でもその対策をすれば増えるもの。無報酬の働きは計算に入れない。

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2021/07/04

 サブタイトルは、「分断・格差・気候変動を乗り越える」。このためには、GDP至上主義、経済成長至上主義から脱却し、コモンズを取り戻すことが必要だと説き、コモニングの実践を紹介する。著者たちも簡単なことではないは承知しており、しかし個々人の実践からバルセルナのような社会運動、変革に...

 サブタイトルは、「分断・格差・気候変動を乗り越える」。このためには、GDP至上主義、経済成長至上主義から脱却し、コモンズを取り戻すことが必要だと説き、コモニングの実践を紹介する。著者たちも簡単なことではないは承知しており、しかし個々人の実践からバルセルナのような社会運動、変革につなげていくしか、この人類の危機を乗り超えて行く方法はないという。    経済成長がウェルビーイングを増大させることはないということは、各種調査から明らかになっている。人類全体の、一人も取り残さずウェルビーイングを増大させて行くには、脱成長と、多分「分配」しかないということを主張する。 最初は「わたしのシェアとシンプルライフが、誰かのシンプルライフを叶え」て、「個人の努力から、共通の努力へ」そして「共進化」「共進化するコミュニティ経済へ」。その筋道を明らかにする。  書かれてないこと。この先コミュニティーの規模はどうなる? 国民国家はこのままなのか? グローバル化に可逆性はあるのか? 脱成長の社会は、地球の反対側の人々と物理的には出会わない社会なのか?

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2021/06/30

注目している(惹かれている)斎藤幸平が書いているので手に取った。脱成長こそが私たちの直面する危機を乗り越える手だというのは分かる。スローな社会をつくり人間らしい生き方をしてウェルビーイングを維持することを目指すのは大賛成だ。グリーンな経済成長とかSDGsとかのまやかしは警戒すべき...

注目している(惹かれている)斎藤幸平が書いているので手に取った。脱成長こそが私たちの直面する危機を乗り越える手だというのは分かる。スローな社会をつくり人間らしい生き方をしてウェルビーイングを維持することを目指すのは大賛成だ。グリーンな経済成長とかSDGsとかのまやかしは警戒すべきだと思う。難しいことだが人間らしくやさしいところが気に入った。 ただこの本がNHK絡みだというのが合点がいかん。

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2021/06/14

脱成長を掲げる人々の問題意識の出発点には通じるものがあります。このまま資本主義社会を続けていれば、社会も地球も壊れてしまうーー。そこからの変革を求める気持ちは一緒だと思います。 しかし、なぜ資本主義社会だと環境問題を解決できないのか?どうやって社会を変えていくのか?という命題につ...

脱成長を掲げる人々の問題意識の出発点には通じるものがあります。このまま資本主義社会を続けていれば、社会も地球も壊れてしまうーー。そこからの変革を求める気持ちは一緒だと思います。 しかし、なぜ資本主義社会だと環境問題を解決できないのか?どうやって社会を変えていくのか?という命題については、わたしはこの著者たちとは違う立場です。 著者たちの中に、経済学の専門家はいないようです。だからこそ、なぜ資本主義社会では環境破壊を引き起こしてもなお経済成長が優先されるのか解き明かされていませんし、資本主義社会において財界がいかに政治権力を握っているかについての考察もありません。そうした資本独特の運動と権力構造を無視しているため、政治闘争の重要性はかなり低いものとして扱われてしまっています。ようは「個人が変われば社会は自ずと変わる」という論調です。 著者たちは「まずは個人が変わりコミュニティが変わることで政治も変わっていく」と語りますが、そこには資本主義社会の法則がまだ貫かれているのです。だからこそ、この社会の仕組みを変えるために必要なのは明確な政治闘争なのだと思います。

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