ジョブ型雇用 はやわかり の商品レビュー
ジョブ型雇用はやわかり 編著:マーサージャパン 紙版 日経文庫 B142 ジョブ型雇用に対する語は、メンバーシップ型雇用である ■ジョブ型雇用とは JD:ジョブディスクリプション(職務記述書)に定義された雇用形態 タスク(業務)の集合体をジョブという ジョブは、職種と、...
ジョブ型雇用はやわかり 編著:マーサージャパン 紙版 日経文庫 B142 ジョブ型雇用に対する語は、メンバーシップ型雇用である ■ジョブ型雇用とは JD:ジョブディスクリプション(職務記述書)に定義された雇用形態 タスク(業務)の集合体をジョブという ジョブは、職種と、階層の組み合わせで定義される 職種:営業、警備、事務 階層:一般、係長、課長、支店長など ジョブについてパフォーマンスが見られない場合(PIP:Perfomance Improvement Program:業務改善プログラム)を適用し、改善がみられない場合は、必要に応じて退職勧奨も行われる メンバーシップでは、採用後に適材適所で人材を配置しますが、ジョブショップでは、そのような配慮・異動はありません。 ■ジョブ型雇用の基本 JDが基本:ジョブの明確化が出発点 報酬は、①原則的には職種別にきまること、②現場の裁量にて、決められる 会社の業績ではなく、個人・組織の成果管理が行われる 評価は、精緻さではなく、育成・フィードバックを重視する ジョブ型雇用のよいところは、若いうちから高い専門性が得られ、報酬に反映されること ■ジョブ型雇用と、メンバーシップ型雇用の違い 変化につよい、ジョブ型雇用 安定的な業務につよい、メンバーシップ型雇用 要因計画がうまくいかない3つの理由 ①当事者不在 ②ツール・情報がない⇒需給ギャップの特定 ③実効的な打ち手につながらない メンバーシップ型雇用⇒ジョブ型雇用へ ■ジョブ型雇用の導入のポイント 役員層、経営幹部が、ジョブ型雇用の抵抗勢力になっている 段階ステップ ①人材市場の状況 ②自社の準備状況 ③今後の構造変化・市場変化 ⇒ 報酬設定、昇給額などの設定 年金・福利厚生の見直し 外部採用競争力の強化 ⇒ 人事部門の権限を、事業部門へ移管 ■ ジョブ型雇用:ラインマネージャーの6つの役割 ① 自組織の目標を策定、その目標を達成するために必要な要員計画を立案する ② 役割分担、体制を検討し、ジョブを定義 ③ 定義されたジョブに基づき、採用面接を行い募集ポジションについて、人材を調達 ④ 自組織の目標達成に向けた各メンバーの業務進捗を管理、各人のパフォーマンスを評価、フィードバックを行い、アドバイスを行う ⑤ 各人に昇給・賞与原資、昇格枠の中で、処遇を決定 ⑥ 低パフォーマンスのメンバを見極め、PIPプロセスを開始、異動、リスキル、転職勧告などを行う 目次 第1章 ジョブ型雇用とは何か 第2章 ジョブ型雇用の基本形 第3章 経営戦略とのかかわり 第4章 導入にあたってのポイント 第5章 ジョブ型雇用がもたらすもの 第6章 競争力強化のためになすべきこと ISBN:9784532114374 出版社:日経BP 日本経済新聞出版本部 判型:新書 ページ数:272ページ 定価:900円(本体) 発売日:2021年04月23日
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ジョブ型雇用の理解を深めるにはおすすめです。外資コンサルティング・ファームらしく、ところどころ挟まれたチャートがわかりやすい。各章に事例が掲載されており、大手外資、大手メーカー、大手金融、メガベンチャーとバランスは良い。 【要約】 第1章 ジョブ型雇用とは何か ・ジョブ型雇用の...
ジョブ型雇用の理解を深めるにはおすすめです。外資コンサルティング・ファームらしく、ところどころ挟まれたチャートがわかりやすい。各章に事例が掲載されており、大手外資、大手メーカー、大手金融、メガベンチャーとバランスは良い。 【要約】 第1章 ジョブ型雇用とは何か ・ジョブ型雇用の必要性はデジタル化、グローバル化、少子高齢化というメガトレンドに起因 ・ジョブ=タスクの集合体 ・ジョブ型は構成員の出入りがあるオープン・コミュニティで外部競争力を重視し、メンバーシップ型は構成員が固定のクローズド・コミュニティで内部公平性を重視している ・ジョブ型雇用では事業の必要な組織とジョブを定義し、適所適材で人材を配置する。ただちに適材が見つからないジョブに関しては、採用か社内公募で充足する。ジョブごとに人材確保を行うため、職種別採用、職種別報酬となる。報酬の決定は、市場価値をもとに事業およびジョブを理解している現場マネージャーが決定する側面が強くなる。異動は会社主導ではなく、本人同意が原則となる。ジョブの要件を満たしていない場合は、PIPを実施し、必要に応じて退職勧奨を行う ・ジョブ型のメリットは事業の必要な人材を確保できることであり、さらにそれが個人間に競争をもたらし、「リスキルやスキルアップを促す構造があること」、ひいては「組織における不活性層が出にくいこと」 第2章 ジョブ型雇用の基本形 ・ジョブの明確化からすべては始まる。JDそのものは必要に応じた粒度で作成すればよく、個人が担うジョブについて会社と個人の双方が合意し、各個人のキャリア自律を認めることが重要 ・ジョブ型雇用は仕事を介した会社と個人の労働力に関する市場取引であり、報酬額は個々のジョブの重要性や難易度、需給バランスによって決まる ・ジョブ型雇用では評価は過度な精緻さを追求せず、育成やフィードバックが重視される 第3章 経営戦略とのかかわり ・デジタル化が進むこれからの社会においては、多様性を前提に、変化に対するレジリエンスを備えることが組織・人材戦略上重要であり、そのためには多様性の対義である同質性の維持に重きを置いた人材調達・活用の仕組みを見直さなければならない 第4章 導入にあたってのポイント ・最大の抵抗勢力はプロパーの役員(=メンバーシップ型の勝者) ・全面的なジョブ型への移行が難しい場合は、役割・貢献に応じた報酬決定を強化することや、公募制の拡充を通じた従業員のキャリア自律の強化からスタートすることも選択肢。検討にあたっては①人材市場の状況②自社のジョブ型へのレディネス③今後の構造変化・市場の変化に対する見通しがポイント 第5章 ジョブ型雇用がもたらすもの ・個人にとってはジョブ型によりキャリア形成の自由度が増す ・ラインマネージャーにとっては、要員計画を立案し、人材を調達し、報酬との結びつきが緩やかになる評価制度を業務の進捗管理や育成のために活用するようになる
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理想論ではある気もするが、ジョブ型移行に関連した主要な検討事項や乗り越えるべき壁について、早くキャッチアップできる
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予備知識がないと難しい印象です。とりあえずカタカナ語が多くてなかなか頭に入って来ません。どっぷりメンバーシップ型雇用のところにいる自分にとっては夢みたいな話ばっかりでした。でも最近の若者向けには良い話かなとも思いますがスキルがない若者にとっては厳しい社会ですね。
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ジョブ型雇用丸わかり ジョブ型雇用とは、単なるジョブディスクリプションの作成ではなく、人ではなくジョブをベースとした経営という根本的な思想であるということが本書では強調される。安定した経済環境において、強力であったメンバーシップ型雇用という日本の発明が今や色あせる中で、経営思想...
ジョブ型雇用丸わかり ジョブ型雇用とは、単なるジョブディスクリプションの作成ではなく、人ではなくジョブをベースとした経営という根本的な思想であるということが本書では強調される。安定した経済環境において、強力であったメンバーシップ型雇用という日本の発明が今や色あせる中で、経営思想の転換を迫る本書は、ジョブ型雇用への理解を単なるトレンド以上のものとして認識させてくれるであろう。ジョブ型雇用の肝要である、部門のマネージャーへの人事権の移行や、部門マネージャーの人事知識・感覚の醸成が日本企業にジョブ型を導入する最初の障壁となる。実際、日系企業から外資に転職して強く感じるのは、人をも範疇とした管理会計的な思考である。働く人は、それ自体がコストではないが、コスト意識は性格に持つ必要がある。日系企業で感じていた違和感として、コスト感覚を度外視した職務であった。ここは非常に難しい部分でもあるが、保険会社の支払い部門では、修理費を1万円削減する努力を年収1千万オーバーの人材が何日もかけて行っているという実態がある。人間は機械とは異なり、何倍にも生産性を上げることができるが、その人間信仰の末路として、努力の方向性を誤った職務が存在するとすれば、企業経営としての欠陥を言わざるを得ない。もちろん、メンバーシップ型雇用が強みを発揮する産業も確実のあるものの、ジェネラリスト育成が逆に変化に対応できないという経路依存性が障壁になる産業もやはり確実にある。 ジョブ型雇用では、ジョブに合致する人材であれば、その人材を惹きつけることは企業努力を注ぐべきポイントである。206ページのピラミッドは非常に示唆に富む。社員への訴求価値は上から、感情面(目的意識との合致)、経験面(生活の質、心理的安全性、健康、裁量ある働き方)、契約面(福利厚生、報酬)と3層の構造となっている。社員が重視するのは、実は感情面などの主観的部分でもあるが、この価値は3人いれば三者三様である。経験面に関しても、当人のキャリア観と合致しているか否かは、原則として企業側の努力で変えることができない。これらは個人の中で腹落ちさせるべき問題であり、採用する側のマネージャーやメンバーからのアプローチ次第であろう。その場合、人事部として明確に競争環境にさらされ、客観的な数値として強化せざるを得ないのは報酬面と福利厚生である。そして最下層にあるこれらの要素は、多くの人材を惹きつけるという観点では平等性の高いものが求められる。そう考えると、平等性の高いベメフィットは自然と限定されてくる。保養所はインドアの人には魅力的と映らず、オフィスで提供されるベネフィットも在宅勤務を望む人には響かない。結婚手当や住宅補助もあれば便利だが、戸籍上の結婚が現在できないLGBTやあえて独り身を選んでいる人間にはこちらも価値がない制度となってしまう。そうすると、すべての従業員が平等に保障される保険制度などがやはりジョブ型雇用における重要なベネフィットであると感じた。
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人材流動性、会社と個人の関係性、報酬配分、が違う。 組合の目的は、雇用保障だった。戦後は解雇の実態として広く行われていた。整理解雇4要件は判例で強化された。 雇用解雇昇給は中央管理で行われれる。厳しい評価は避けられる結果、不活性な中高年が生まれやすい。 第1回ブームはバブル崩壊...
人材流動性、会社と個人の関係性、報酬配分、が違う。 組合の目的は、雇用保障だった。戦後は解雇の実態として広く行われていた。整理解雇4要件は判例で強化された。 雇用解雇昇給は中央管理で行われれる。厳しい評価は避けられる結果、不活性な中高年が生まれやすい。 第1回ブームはバブル崩壊後。コスト削減策のひとつ。 第2回は、グローバル化による。ジョブグレードの導入。年功制の排除目的。 ジョブ型ではラインのマネジャーが人事も行う。 外資系企業でも個別の職務ごとにJDが整備されているのは半数。 評価はJDに沿ったものになるため、人事評価は厳密に行われない。 安定した環境ではパートナーシップ型は優位。 変化に強いジョブ型。 リモートワークの普及で、対面式マネジメントができなくなったことの反対アクションとしてジョブ型に注目が集まった。 M&Aで、すり合わせが必要になる。 プロフェッショナル経営人材が必要になる。 個々人の専門スキルの情報がない。職能等級ではわからない。年功的に上がる傾向がある。 ブラックエレファント=潜在的に重要な問題だと認識していても、その問題が大きすぎて対処に大変なエネルギーを要する一方、ただちに悪影響が及ばないことからつい放置されがちな問題。現状維持に走っているわけではないが、変革は難しい。 最大の抵抗勢力は、現役の役員、経営幹部。それまでの成功体験を捨てられない。 経路依存性のワナ=キーボードの配列の例。協力で並大抵の努力では克服できない。 ジョブ型では、人事の主導権が人事部から個人にうつる。 グループ会社を戦略的に作ってジョブ型採用に移行する。ITエンジニア部門など。 ジョブ型=有期契約、はない。有期にしようとしても、優秀な人は集まらない。 ラインマネジャーの能力開発が必要。昇給、賞与、採用など。 野村證券。 日立は、グローバル共通システムで、人事と職務に見える化を推進した。 個人には雇用保障が無くなることがデメリット。そのかわり給与水準は上がる可能性がある。 キャリア形成の自由度が上がるかわりに、責任が生じる。 判例で労働法制が作られてきたが、変わる可能性、または職場復帰ではなく金銭解決が普通となる可能性がある。 退職所得控除など、永年勤務優遇策を改める必要がある。 スキルがない若者の就職難。 ソニー=自律的キャリアを後押しする仕組み。社内募集、キャリアプラス、FA制度、キャリア登録。 企業間の移動もジョブ型ではあり得る。メンバーシップ型では、企業文化の違いが多く難しい。 人材流動性を高める施策も始まっている。 ブラック企業は日本独特のもの。ジョブ型になれば転職されてしまう。 アメリカだけでなく、シンガポール香港は、年収300~400万程度で、ホワイトカラーエグゼンプションが適用。しかし過労死はない。すぐに転職するから。 メルカリ=バリューとカルチャーを前提に、タレントマネジメントがオープンに行われている。
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