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匣の人 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2021/05/13

なるほど交番のことを匣とはうまく言ったものだ。事件の事や警察内部の事などよく知っている人だなと感心して読んだ。後で著者の来歴を拝見して納得した。

Posted byブクログ

2021/05/11

交番勤務の主任・貴衣子は、新人の里志とペアを組み、日々巡回していた。貴衣子は、刑事を経験していたが、セクハラや上司や後輩に嫌気がさし、異動願で交番勤務に戻っていた。一方、里志は問題のある生徒として、一目置かれていた。 そんな時、郵便配達員から、保養所に人がいないのに窓が開けっぱな...

交番勤務の主任・貴衣子は、新人の里志とペアを組み、日々巡回していた。貴衣子は、刑事を経験していたが、セクハラや上司や後輩に嫌気がさし、異動願で交番勤務に戻っていた。一方、里志は問題のある生徒として、一目置かれていた。 そんな時、郵便配達員から、保養所に人がいないのに窓が開けっぱなしということで、貴衣子たちは現場に駆けつけた。そこで、外国人の他殺体を発見する。 作者の松嶋さんは、元女性白バイ隊員という経験を持っています。白バイについての情報はありませんでしたが、警察内部の特に地域課についての情報が詳細に書かれていました。 警察学校を卒業してすぐに配属される交番勤務。日々、地域の人達や安全を見守っていく仕事で、どっちかというと刑事よりも地味な印象です。でも何もないからこそ、安心安全の証拠であり、感謝しないとなと思いました。 物語では、外国人労働や介護、未成年の違法動画といった複数の社会問題が複雑に絡んでいきます。その背景には、お金や孤独といった精神的な問題があります。なかなか他人には言えない事情があったり、結局はもがくしかないといった現状に何とも言えないモヤモヤ感がありました。 事件の真相としては、意外な所から解決に導いていき、衝撃的とまではいきませんが、色んなストーリーが上手く絡み合っていて、楽しめました。 また住民だけでなく、警察官側の苦悩も描かれています。女性側から見た警察内部での格差といった問題もありましたが、警察としての使命感といったことにも触れていて、「警察官」として輝く視えました。 警察官だけでなく、どんな立場が違えども、みんな一人の人間です。弱い心を持ちながらも、必死に生きる人達の心情が心を揺さぶられました。似たような立場だからこそ、分かち合える情の深さも感じました。 舞台は交番という警察の職場ですが、職種は違えども、自分の職場でも似たような状況かなと思いました。新人をどのように育てるのか。今時の若者は・・・とは言いつつも、新人から見たら、先輩の教育に異議を唱えるかもしれません。 難しいけれども、どう打ち解けていけばいいのか。第一印象だけで判断するのではなく、お互いの話を噛み締めるまで噛み締めることが大事かなと思いました。

Posted byブクログ

2021/04/02

殺された技能実習生、徘徊する老人、消えた女子高生、疑惑の新人巡査。女性巡査部長が見た、小さな町の歪(いびつ)な絆。交番は、住民の“救いの匣(はこ)"になれるのかーー元女性白バイ隊員が描く、緻密な交番ミステリ!

Posted byブクログ