脱GHQ史観の経済学 の商品レビュー
本書は脱GHQ史観の経済学というタイトル通り、日本の現在もなお停滞する経済が、アメリカの占領下における影響を未だ引きずり続けている点について記載されている。日本は太平洋戦争に敗れ、日本史上初めて外国の占領を受けた。明治維新以降爆発的に増加する人口の捌け口を大陸満州や朝鮮半島に求め...
本書は脱GHQ史観の経済学というタイトル通り、日本の現在もなお停滞する経済が、アメリカの占領下における影響を未だ引きずり続けている点について記載されている。日本は太平洋戦争に敗れ、日本史上初めて外国の占領を受けた。明治維新以降爆発的に増加する人口の捌け口を大陸満州や朝鮮半島に求めた日本であったが、それは日本を取り巻く周辺諸国並びに、植民地政策で先行利益を得ていたアメリカやヨーロッパを刺激する。結果、太平洋戦争へと突入し、約4年の戦闘をもって原子爆弾2発で沈められた日本。その後、コーンパイプを加えたマッカーサーが厚木の基地に降り立つ写真は誰もが一度は見た事があると思うが、占領軍の中心的組織としてGHQが日本の経済、政治に深く関わっていく。いや表現としては統制していくという方が正しいであろう。アメリカの政策の基本方針としては、本書にも記載されるように、防共的な側面に加え、再び日本が国力を身に付けて戦争を起こさない様、抑制された経済の道を歩む事になる。当時の経済は緊縮財政。不況時には世界恐慌時のアメリカのニューディール政策の様に、政府が積極的に公共投資を行い、失業者を減らす事は、歴史上も成功事例は多くある。一方、戦後灰と化した日本の都市には失業者が溢れ、かつ食うものにも困る様な状況、これに対するGHQの政策は緊縮財政であった。これを現代の日本も引きずり続けるというところから本書は始まる。 本書は筆者が冒頭に経済政策の思想的な側面に特に限定したトルソ(胴体部分のみ)であるという様に、手足や頭部をどの様に考えていくかは、未だ未だ課題も多く記載されていないとする。新書サイズで限られたページ枚数であり、過去の日本の経済の変遷を、政府の政策面から俯瞰するには十分であった。引き続き、本書を軸に日本が抱える膨大な課題を、個別に見て行きたくなる内容だ。
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緊縮財政は、GHQの遺した楔だったなんて。 新しい気づきを与えてもらえたけど、話が憲法やトリエンナーレ等々、いろんなところにとんで専門的すぎるのか難しかった。やや陰謀論に聞こえなくもないという。いつもの「おはよう寺ちゃん」ののりで、親しみやすく論じてほしかったな。
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洗脳が解けたら、 遠い理想より今を守る武器として核を守るのだろうか。 日本の永久非武装 日本が2度とアメリカに逆らわないように、洗脳する。 しかしながら、デフレ、安い国という今日の評価でありながら、現時点でもGDP世界3位、円も安定通貨、株価も高く推移。世界一高齢化率が高いのも栄養医療衛生水準の高さと非武装からくるだろうか。 これは洗脳によって、マイルドなバカに慣れた方が、目隠しされた状態でサラリーマンがマイホームローン払いながら生かし生かされるているのに、時々幸せを感じちゃったりする。 経済自由化は弱体化してほしかった。 日本の人口が増えるとまた世界に領土を求めて戦争しかけるかもしれないから、人口がマイルドに減って欲しいという 優生思想で GHQが日本をコントロールするのと、 中国がウィグルをコントロールすることの類似。 GHQ的戦勝国側の世界史観にフリーライドする韓国ら
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シュンペーターの創造的破壊は、大掃除を伴うもの。大掃除で清算する必要がある。=日本の雇用システムと中小企業を清算するべき。 清算主義=風邪を引いたらそのまま放置していれば、強靭な体に生まれ変わる、という思想。 最低賃金を上げることで、若年失業率が上昇するか。韓国経済の実例。若年...
シュンペーターの創造的破壊は、大掃除を伴うもの。大掃除で清算する必要がある。=日本の雇用システムと中小企業を清算するべき。 清算主義=風邪を引いたらそのまま放置していれば、強靭な体に生まれ変わる、という思想。 最低賃金を上げることで、若年失業率が上昇するか。韓国経済の実例。若年層の雇用状況は高止まり。 集団的自衛権は合憲か。佐々木惣一。自衛権は集団的自衛権を含むことは自明。 競合性の高低、排除可能性の高低によって 指摘財、クラブ財、オープンアクセス財、純粋公共財に分けられる。 公共財は、競合性がなく、排除可能性が低い。 オーブンアクセス財は、教養牧草地。競合性が高く排除可能性が低い。 防衛は公共財。国際的に見れば国際公共財。冷戦構造では、アメリカやソ連にフリーライドしていた。
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「経済民主化」を達成したとして称賛される戦後のGHQの政策だが、その本当の目的は緊縮財政によって日本経済を弱らせ、再軍備させないようにするものだった、というのが本書の至る所で述べられている。これはまさに現代まで引きずっている事だなと感じた。 ほかにも、優生保護法、慰安婦問題の本当の問題点、学術会議など色々学ぶことができた。
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読んでいて驚きました。かつて学生の時に教えられたGHQの政策が現在の日本が今だ引きずっている「緊縮主義」の原因となっていたとは全く知りませんでした。引用文献も各章ごとに載っています。以下に、各章を読んでいて特に印象に残った内容を本書から一部だけ引用します。 第一章:経済学はいま...
読んでいて驚きました。かつて学生の時に教えられたGHQの政策が現在の日本が今だ引きずっている「緊縮主義」の原因となっていたとは全く知りませんでした。引用文献も各章ごとに載っています。以下に、各章を読んでいて特に印象に残った内容を本書から一部だけ引用します。 第一章:経済学はいまでもGHQが占領中 財閥解体、農地改革、労働民主化などのGHQが指導した戦後改革、「経済民主化」は、日本の経済復興ではなく日本の経済の弱体化を狙ったもの。 第二章:緊縮財政の呪縛 石橋湛山が極東国際軍事裁判で被告側の弁護を行おうとしたことが驚きの事実として 詳述されています。詳しくは本書をご覧ください。 第三章:集団安全保障と憲法改正の経済学 憲法学者の佐々木惣一の言葉を引用して憲法について「どんなに憲法解釈が順法理的にすばらしくても、現実に平和が維持されないでは意味をなさない」 第四章:占領史観にただ乗りする中国と韓国 GHQが当時の日本への視線と、今日、中国政府がウイグル族などに向ける視線が共通していることに注意されたい。この時代の「優生思想」による産児制限は現在でも影響を持続しています。 第五章:学術会議、あいちトリエンナーレに映るGHQの影 日本学術会議は、日本の科学者から選ばれた210人の会員と約2000人の連携会員で職務の行う政府の一組織である。この意味からも。政府からの民主的コントロールが必要になるのは当たり前である。自分たちの組織で勝手な人事をやっていいわけがない。 上記の他にも、日銀に「緊縮主義」はなぜ刷り込まれたのか、など読みどころは沢山あります。
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