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自衛隊最高幹部が語る令和の国防 の商品レビュー

4.2

12件のお客様レビュー

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2024/02/07

現状認識や周辺事態の予測などは様々な方面で語られているので、特に目新しいと言うことはないが、陸海空の元将官が集まって議論する、このシチュエーションが活きているのが5章だろう。 この章は読み応えが有ったと言える。 しかし、自衛隊にここまでの問題意識をお持ちであれば、現役時代にもう...

現状認識や周辺事態の予測などは様々な方面で語られているので、特に目新しいと言うことはないが、陸海空の元将官が集まって議論する、このシチュエーションが活きているのが5章だろう。 この章は読み応えが有ったと言える。 しかし、自衛隊にここまでの問題意識をお持ちであれば、現役時代にもう少しでも状況改善していただけていれば、といつもながら残念におもう。

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2024/02/06

台湾、朝鮮半島の有事は対岸の火事などではないし、米軍基地をいくつも抱えた日本は大きなダメージを受けるだろう。これまでは戦後の新憲法と冷戦という対岸の煙のおかげで殆ど何もしてこなくても問題にならなかった。しかしながら現時点では中国、北朝鮮の軍事行動がますます活発化し、日本に居る米軍...

台湾、朝鮮半島の有事は対岸の火事などではないし、米軍基地をいくつも抱えた日本は大きなダメージを受けるだろう。これまでは戦後の新憲法と冷戦という対岸の煙のおかげで殆ど何もしてこなくても問題にならなかった。しかしながら現時点では中国、北朝鮮の軍事行動がますます活発化し、日本に居る米軍がターゲットになることを考えると、ヤバいと思わなければいけない。ロシアのウクライナ侵攻でフィンランドやスウェーデンはNATO加盟に舵を切ったが、日本も周りが問題児ばかりなんだから、この議論を活発化させないといけない。兼原信克氏の別の本「歴史の教訓」も読んでみたい。

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2023/02/02

兼原さんが一流の軍人と見る自衛隊OB陸海空からそれぞれ1名と諸々のテーマについて議論。 コロナ禍で明らかになった後方支援体制の脆弱さ、防衛装備工業会は飽くまで任意団体で統制する力はないこと、米台共同作戦は日米ですら常々共同でやっても不具合出るのだから相当難しい、朝鮮有事では船がそ...

兼原さんが一流の軍人と見る自衛隊OB陸海空からそれぞれ1名と諸々のテーマについて議論。 コロナ禍で明らかになった後方支援体制の脆弱さ、防衛装備工業会は飽くまで任意団体で統制する力はないこと、米台共同作戦は日米ですら常々共同でやっても不具合出るのだから相当難しい、朝鮮有事では船がそんなにないので北からの難民はせいぜい数千人程度ではないかという推測、核抑止の複雑さが高まっているのに核戦略の専門家がいない自衛隊、防衛装備庁は想定したメリットより欠点が目立っている等々。 政軍関係についての議論や自分達が幕僚長として創設に関わった防衛装備庁の問題など彼らだから話せる内容は面白かった。防衛大綱の改正や統合司令官の創設はその方向で話が進んでいて、こういった人たちが意見を公にしていくことが改革への推力になるのだろうな。

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2022/08/05

令和にもなって昭和を引きづっている政治とマスコミ・大衆。 少なくとも現場レベルでは議論の種は腐るほどあるなと感じたし、危機感も強いなと素直に思った。

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2022/06/02

著者のひとり兼原信克氏の話をラジオで聴き、興味を持ち本書を手に取った。日本の安全保障の状況がよくわかる内容だった。 陸海空の元自衛隊の最高幹部と元内閣官房副長官補の4人での座談会という形で本書はまとめられている。令和3(2021)年4月に発行されているので、ロシアのウクライナ侵...

著者のひとり兼原信克氏の話をラジオで聴き、興味を持ち本書を手に取った。日本の安全保障の状況がよくわかる内容だった。 陸海空の元自衛隊の最高幹部と元内閣官房副長官補の4人での座談会という形で本書はまとめられている。令和3(2021)年4月に発行されているので、ロシアのウクライナ侵攻の1年前の話である。危機はすでにはじまっていたのだと思い知らされる。北朝鮮中国そしてロシアの核保有国に接する日本はもっとも危険な場所に位置する。 安全保障にかかわるトップクラスの地位にいた人が必要と感じてきた法整備や予算確保さえ進まないことに不安が募った。 最後の「日本の安全保障に対する10の提言」に希望を持ちたいと思う。

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2022/04/18

日本の安全保障の現状を元自衛隊のトップの方々が語り合う形式。 現状への危機感や課題点が浮き彫りになり、不安になることも多くあったが、まずは国民一人一人が正当な危機感を持って、日々の生活にアンテナを立てながら、情報収集をしていかなければいけないと感じる。 安全保障面は不勉強な点...

日本の安全保障の現状を元自衛隊のトップの方々が語り合う形式。 現状への危機感や課題点が浮き彫りになり、不安になることも多くあったが、まずは国民一人一人が正当な危機感を持って、日々の生活にアンテナを立てながら、情報収集をしていかなければいけないと感じる。 安全保障面は不勉強な点が多いので、今後知識を獲得していきたいと思う良書。

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2022/04/09

国家のそしてそれを成り立たせる戦略の必要性を認識した。また、科学技術の遅れを急いで取り戻さないといけないと強く感じた。

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2021/08/16

【総括】 陸海空自衛隊の元最高幹部クラスが、日本を取り巻く安全保障環境と安全保障政策上の課題について比較的率直に議論していて興味深い。 【興味深かった個別論点】 ◯特に海自は装備品の修理・管理を民間企業に依存しており、企業人員を動員できる制度を作らないと継戦能力に支障をきたす。...

【総括】 陸海空自衛隊の元最高幹部クラスが、日本を取り巻く安全保障環境と安全保障政策上の課題について比較的率直に議論していて興味深い。 【興味深かった個別論点】 ◯特に海自は装備品の修理・管理を民間企業に依存しており、企業人員を動員できる制度を作らないと継戦能力に支障をきたす。 ◯台湾有事、朝鮮有事の際の日米協力・事態対応シナリオが詰まっていない。 ◯軍事技術・研究にかける予算が日本は少なく、学術会議はじめ学界が自衛隊等との協働を忌避している実情が軍用技術の発展を阻害している。大抵デュアルユースなので専門的にフォローするポストが政府内に必要。 ◯装備協力・移転促進のためには、セキュリティ・クリアランスの認可付与制度が必要。 ◯核抑止・エスカレーション・ラダーについても日米で共通認識が出来上がっていない。

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2021/08/08

外務省・国家安全保障局の戦略家の兼原氏が、陸海空の戦略家である、岩田元陸幕長、武居元海幕長、尾上元空自補給本部長が国防上の問題点について議論。 入口としての日本の戦略環境は真新しくはない議論だが、台湾危機への対応、朝鮮半島の核問題と核抑止の議論、科学技術と軍事研究の乖離の問題、...

外務省・国家安全保障局の戦略家の兼原氏が、陸海空の戦略家である、岩田元陸幕長、武居元海幕長、尾上元空自補給本部長が国防上の問題点について議論。 入口としての日本の戦略環境は真新しくはない議論だが、台湾危機への対応、朝鮮半島の核問題と核抑止の議論、科学技術と軍事研究の乖離の問題、総理への軍事情報のアクセスと総理の資質などの根深い問題について専門的議論を行っていて興味深い。 最後に、議論のまとめとして10の提言を出しているのは言いっぱなしでなく面白い。 1. 日米首脳会談で核問題を取り上げよ 2. 総理決裁の統合軍事戦略を策定し、防衛大綱を防衛戦略に格上げせよ 3. 台湾有事への対応を始めよ 4. 国の安全保障に科学技術予算を活用せよ 5. 国防の不可欠な機能として防衛産業を位置づけ、育成・活用戦略を策定せよ 6. 防衛大臣の下に装備開発委員会を設置せよ 7. 統合幕僚監部に統合司令官と常設統合司令部を設けよ 8. 自衛隊の軍令系の将を格上げして大将とせよ 9. 有事対応の民間サイバーセキュリティを強化せよ 10. 有事対応のシーレーン防護に取り組み、エネルギー安全保障を強化せよ 余談だが、陸海は元幕僚長で空はそうではない。でも、抑止論や航空戦略など専門知識の深い尾上さんの話は両幕僚長に負けず劣らず面白い。座長たる兼原氏の人選なのだろうが、好みや知己の問題であれば良いが、空自ではまともな人材が幕僚長にいないのか、或いはまともな人は幕僚長になれないのか、若干気になった。

Posted byブクログ

2021/07/20

こういった書籍によくある、理想論だけ言うて終わりではなく、では実際問題どうするか?に踏み込んだ結論(10の提言)を出している正直な姿勢は好感が持てる。 そうだよなあ。統合幕僚長の任務、超人でも全部はこなせないよなあ。

Posted byブクログ