月の汀に啼く鵺は の商品レビュー
オカルトなどの不思議でちょっと怖い話、民話や昔話がが好きな人におすすめ。 長谷川夕さん4作目。 祖父の遺作である小説『巷説山埜風土夜話』。ここに書かれた話とよく似た不思議な出来事に誘われるように、晶は祖父の物語を読み解いていく。直接会って話すことのなかった祖父と、本を通じてまるで...
オカルトなどの不思議でちょっと怖い話、民話や昔話がが好きな人におすすめ。 長谷川夕さん4作目。 祖父の遺作である小説『巷説山埜風土夜話』。ここに書かれた話とよく似た不思議な出来事に誘われるように、晶は祖父の物語を読み解いていく。直接会って話すことのなかった祖父と、本を通じてまるで対話するように物語は進む。祖父を知る人たちとの関わりや本を読むことで、祖父の人となりが見えてきて、祖父への頑なだった拒絶が少しずつとけていく。続きを読みたいと思わせるラストもよい。
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表紙のイメージと随分違った。 しっかり者の晶、かわいい弟雫。とてもいい関係で微笑ましい。 晶は、自分の感情にとても自覚的で、やるべきことに忠実で、そういうところに好感が持てる。雫も素直ないいこ。 マレビトの話は普通に怖い。
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初めて読む作家。 兄弟二人きり、母は2年前に亡くなった。 兄弟は父違い。 ある時、母の地元に一人で暮らしていた祖父が死んで、連絡が入った。 二人の他に血族はない、遺産を処理するために田舎に。 母とは大喧嘩をして別れ、行き来はなく、一度も会ったことのない祖父だった。 だが、長...
初めて読む作家。 兄弟二人きり、母は2年前に亡くなった。 兄弟は父違い。 ある時、母の地元に一人で暮らしていた祖父が死んで、連絡が入った。 二人の他に血族はない、遺産を処理するために田舎に。 母とは大喧嘩をして別れ、行き来はなく、一度も会ったことのない祖父だった。 だが、長男の、主人公「晶」は外見も声も祖父に生写しだった。 祖父はその田舎の郷土史などを研究していて、たくさんのじもとの、たくさんの地元の人々と交流があった。 次々と葬儀にやってくる人々。 ある日、祖父がまとめまとめた地元の怪異をまとめた本を見つける。 次々と怪異と遭遇するのだが。。。 不思議な話怖い話が続くが、決して気持ちの悪い結末にはならない。心情も豊かに表現され、心優しくなる怪異なお話だ。 他に 僕は君を殺せない おにんぎょうさまがた どうか、天国に届きませんように 七不思議のつくりかた 月の汀に鳴く鵺は
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主人公の直江晶は、弟の雫と共に夏休みを祖父の家で過ごしている。亡くなった祖父の遺品整理のためだ。そこに祖父を訪ねて様々な人が訪れる。妙にカンのいい雫の力と祖父の遺した『巷説山埜風土夜話』を借りながら、不思議な事件を解決していく。 …百鬼夜行抄と京極夏彦の某シリーズの面影があり、正直目新しい題材ではない気がする。とはいえ『巷説山埜風土夜話』の内容に一捻りあり、面白く読めた。もっと結末が後味悪い方が好みなんだがなー。
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亡き祖父を慕って、あるいは頼ってくる来訪者の悩みに対して真面目に向き合う祖父そっくりの兄(そっくりと言われても20歳である)と、そんな兄を特殊能力(?)でアシストする弟の物語。 弟が手のかかる子ながら能力がチート級に高いが、途中でそんな弟くんは学業があるため退場。 この展開には驚いたけれど、亡き祖父を理解する上で兄には必要な期間だったのかなと思う。 弟くんがいなくても兄のお人好しさは変わらなかったし、真実を見出す目は確かだったから。 祖父が残した真偽のほどは分からない作り話に隠された真実。 そして生前一度も会う機会のなかった祖父と母の確執、そして祖父の想いとは。 民俗学的謎解きに、弟くんが絡めばホラー要素も、そして不器用な家族愛ものとして、一冊の中に様々な要素が入っていて面白かった。 特に民俗学・都市伝説系のミステリが好きな人にはぜひおすすめしたい。 祖父の残した話に隠された真実にびっくりすること請け合いだと思う。 何しろどの話もオチが二段構えな感じで、解釈が変わっていくので、それだけでも面白いのだ。
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