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理不尽な進化 増補新版 の商品レビュー

4.1

16件のお客様レビュー

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2021/11/05

理不尽な絶滅 運で決まるルール、 適応したもの、たまたま適応していたものが生き残る これは理不尽な絶滅と同じなのかもな、と思うことがたびたびある。

Posted byブクログ

2021/09/10

ウィトゲンシュタインの壁。 生の問題(不条理性)から逃げないこと。 自分を棚に上げて科学を礼賛しないこと。 不条理にこそ価値がある。

Posted byブクログ

2021/07/05

 文庫本オビの名だたる評者のコメントに魅せられて手に取ってしまった一冊。    本書は科学としての進化論について論ずるものではないし、一般読者にも理解できるよう丁寧に論述されているが、内容を一言で説明することは難しいので、気になったところを、以下書き留めておく。  「私たちは...

 文庫本オビの名だたる評者のコメントに魅せられて手に取ってしまった一冊。    本書は科学としての進化論について論ずるものではないし、一般読者にも理解できるよう丁寧に論述されているが、内容を一言で説明することは難しいので、気になったところを、以下書き留めておく。  「私たちは進化論が大好きである」(序論)との印象的な一文から本書は始まる。そもそも進化論は、生物の世界を説明する科学理論である。と同時にそれは、"新たなビジネス環境への適応"、"進化する天才"、"○○のDNAが流れている"といったワードを日々目にするように、物の見方やイメージを我々に喚起するものでもある。  本書は先ず、「適者生存」として語られる進化論を、圧倒的多数の絶滅した種から見るとどうなるのか、という問いから思考を進めていく。遺伝子が悪かったのか、運が悪かったのか?それを説明するキーワードが"理不尽な"である。生存のためのルールが変更されてしまう、そして新しいルールはそれまで効力を持ってきたルールとは関係ない。こうして多くの種が絶滅し、代わってその空きに新たな種が登場する。  第二章では、科学理論としてのダーウィニズムと、スペンサー流発展的進化論として私たちが抱いている進化論的世界像(との分業体制あるいは乖離的共存の状況について語られる。この辺りの論は非常に面白い。  第三章は、適応主義を巡り、進化生物学者として有名なグールドとドーキンスの間で行われた論争を取り上げる。論争の判定としてはドーキンス側に軍配が上がったというのが今日的評価だが、著者は、なぜグールドは死ぬまで負けを認めようとしなかったのか、その点について終章で考えていく。    ここでのキーワードは「歴史」である。グールドは、生物がもつ特徴が何の役に立っているのかという「現在的有用性」と、それがどのような経緯でそうなったのかという「歴史的起源」の区別を保持することが重要であると言う。ではなぜ歴史が必要とされるのか。進化の道筋はそのメカニズムとは外的な関係にある物理的諸条件に左右されるという事実は、進化の歴史が単なる発展や展開ではなく、ほかならぬ歴史であることと同義であるからである。  そして、ダーウィニズムの心臓部には「説明と理解」、すなわち「自然の説明」と「歴史の理解」という哲学的問題がビルトインされている。  本書はたしかに進化論に関する本である。そこで取り上げられている内容だけでもとても興味深い。同時にものの見方、考え方についての人文学的内容に溢れた本である。ニ読、三読することでそのつながりや著書が本書全体を通して言わんとしていること、面白さがより分かってくるのではないだろうか。    

Posted byブクログ

2021/07/01

「理不尽」という言葉がこんなにも進化論(ネオダーウィズム)を表現するのにピタッと合致するとは思わなかった。 ドーキンスとグールドの論争、そして実社会で言葉のお守りとして俗用(悪用⁉︎)される進化論について丁寧に解説されており、仕事も含めて今後の人生にプラスになる書籍であり、おすす...

「理不尽」という言葉がこんなにも進化論(ネオダーウィズム)を表現するのにピタッと合致するとは思わなかった。 ドーキンスとグールドの論争、そして実社会で言葉のお守りとして俗用(悪用⁉︎)される進化論について丁寧に解説されており、仕事も含めて今後の人生にプラスになる書籍であり、おすすめできる。 ただし、本書はサイエンス書ではなく哲学書であり、内容もボリュームがあるので、読破には時間を要した。 しばらく経ってから再読し、しっかり自分のものとしたいと思える一冊だった。

Posted byブクログ

2021/06/29

<あとがき> 私は自分で掘った穴を自分で埋めるようなやり方で本を書く。 はじめに躓きがある。原因を探るために地面を掘り返すが、掘り返したところで見つかるわけではない。躓いたのは地表においてなのだから。 今度は掘り返した土を埋め戻すことになる。 新たな目標は、もはや躓く余地がないほ...

<あとがき> 私は自分で掘った穴を自分で埋めるようなやり方で本を書く。 はじめに躓きがある。原因を探るために地面を掘り返すが、掘り返したところで見つかるわけではない。躓いたのは地表においてなのだから。 今度は掘り返した土を埋め戻すことになる。 新たな目標は、もはや躓く余地がないほど地面を平坦にすることだ。その埋め戻し分が書き物になる。 当然ながら埋め戻す土は掘り返した土と同量なわけだから、地面の上になにかが積み上げられることはない。つまり誰の糧になるわけでもない、自分の納得のためにだけ本を書いている。

Posted byブクログ

2021/05/04

進化論から始めて歴史と自己への認識に至るまでを深く広く熱く語られている。熱量が高すぎるが故に読むのに骨が折れるのも事実。特に一番長い終章は人文学的な専門用語、言い回しが多く、読み続けるのに難儀した。註の参考書籍紹介のコメントが何気に面白い。

Posted byブクログ