過ぎにし夏、マーズ・ヒルで の商品レビュー
幻想SFとは何か…… そこには何かあるのだろう、が、そこにだれも手をさしのべない。 ひとつひとつの意味を探りながら読むのは、その気運が高まったときにおこなうこと。 今はその時ではなかった……。 最後の「マコーリーのベレロフォンの初飛行」だけは、楽しめた。 かつて、少年のよう...
幻想SFとは何か…… そこには何かあるのだろう、が、そこにだれも手をさしのべない。 ひとつひとつの意味を探りながら読むのは、その気運が高まったときにおこなうこと。 今はその時ではなかった……。 最後の「マコーリーのベレロフォンの初飛行」だけは、楽しめた。 かつて、少年のようにスミソニアン航空宇宙博物館を見てまわって、興奮して帰ってきたことを思い出した。 また、いつか読む日がくる。
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ネビュラ賞、世界幻想文学大賞受賞作掲載というから、バリバリSFかファンタジーもんを予想してたらら…、オレ的には純文学でもおかしくないジャンルの小説。 幻想や現実離れの描写や表現は最小限で、人間生活のリアルで生な光景が深く静かに描かれている。表題作のみ若干幻想味が濃いかなぁ、それでもこれだったら十分芥川賞エリア(当社比)だと思うが。 どの作品も死と向き合う人、その人をとりまく人を描いている。今まで辛気臭いテーマだと思っていたのに、何時の頃からかリアルに感じ取れるようになってきた。人生折り返すというのはこういうことなんだろうな。命に対する執着が弱まってきているのは老化、でもこういう小説を読みふけることができるのは熟成。老化と熟成は表裏一体なのだ、当たり前だが。
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中短編集。ネビュラ賞、世界幻想文学大賞受賞の4作品。 SFレーベルから出版されている、ファンタジー要素のある、純文学。 個人的感覚では、ほぼ純文学です。 共通するテーマは、家族・愛・死あたりか。 文学的に評価が高そうな雰囲気はなんとなく感じるが、自分の好みではなかった。 読了後、...
中短編集。ネビュラ賞、世界幻想文学大賞受賞の4作品。 SFレーベルから出版されている、ファンタジー要素のある、純文学。 個人的感覚では、ほぼ純文学です。 共通するテーマは、家族・愛・死あたりか。 文学的に評価が高そうな雰囲気はなんとなく感じるが、自分の好みではなかった。 読了後、落ち着いた気分になれる感じ。 決して魅力がない作品ではないです。評価は☆2.4くらい。
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4篇を収録した作品集。「過ぎにし夏、マーズ・ヒルで」はネビュラ賞と世界幻想文学大賞を、「イリリア」は世界幻想文学大賞を、「エコー」はネビュラ賞を、「マコーリーのベレロフォンの初飛行」は世界幻想文学大賞を受賞と、すべての作品が賞を獲得しているまさに傑作選だ。ただし、どの作品も“普通...
4篇を収録した作品集。「過ぎにし夏、マーズ・ヒルで」はネビュラ賞と世界幻想文学大賞を、「イリリア」は世界幻想文学大賞を、「エコー」はネビュラ賞を、「マコーリーのベレロフォンの初飛行」は世界幻想文学大賞を受賞と、すべての作品が賞を獲得しているまさに傑作選だ。ただし、どの作品も“普通”で、とくにSFやFTを感じさせるものではない。バリバリのジャンル作品を期待すると肩透かしを食らうが、どの作品もしみじみとした味わいがあって良かった。
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