京都丸太町の恋衣屋さん の商品レビュー
初めて読む作者 天花寺さやか氏の本である。 作者の名前、小さく表紙に記載で、「天花寺」をなんて読むのか?と、思い開いてみる。 表紙裏に「てんげいじ」と記載!!! 話は、京女なのに、積極的であり、大阪のツッコミの良さが、表れた主人公である。 大阪生まれの私は、話の面白さと、関西...
初めて読む作者 天花寺さやか氏の本である。 作者の名前、小さく表紙に記載で、「天花寺」をなんて読むのか?と、思い開いてみる。 表紙裏に「てんげいじ」と記載!!! 話は、京女なのに、積極的であり、大阪のツッコミの良さが、表れた主人公である。 大阪生まれの私は、話の面白さと、関西弁の読みやすさで、親しみを持ちながら読み始めた! 「出来ない」と言うところ「でけへん」「できひん」と、文字にしたら、なんやねん!!!と思われるような言葉が、スラッと出てくる。 話の内容は、京都の貸衣裳店の娘で、常務として活躍する一人娘が、転職活動していた泰彦との出会いからである。 明日香の猛烈なアタックで、泰彦が、着物の良さを認めながら、明日香への思いと、漫才のように思われていたのが、接近して行く様は、凄く微笑ましい。 若い二人が障害も無く、そして、気取りも無く、自然と、信頼していく姿が、良い! 作者が京都生まれなので、京都の祭りについてや、浴衣の種類、西陣織についてなど、楽しく読ませて貰った。 京都の河原町や、丸太町の呉服の展示会に若き日に、今は亡き母と行った事を思い出す。 京都の人は、表向きは、柔らかでも 内心は、なかなかシビアである。 訪問者でも、長居したら、「マァ、お~ぶ(お茶)でも飲んで行っておいで!」言葉をかけるが、もう、さんざんいるのだから、帰って!の意味である。 そんな内心の言葉を、吐かずに、明日香が、ずばずばと、泰彦に感情をぶつける所が、面白い。 セクハラのようにも感じるかもしれないが、言葉のピンポン玉のプレーの如く、泰彦も、アウトのボールをかわしながら、二人の仲が深まって行くのには、ここの祖母と同様の目で見ていた。 二人の恋が成就しますようにと!
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京都の女性はおしとやかなのかと思いきや、明日香は京女ながら非常に押しの強い女性だった。 一目惚れした相手にプロポーズしてしまうほど。 勿論相手にはプロポーズをかわされてしまうが(そりゃそうだ)就職の件はちゃんと受け止めてくれるあたり、その相手である泰彦はいい男である。 しかも全く知らない世界だった和装・お衣装の世界に飛び込んでも、嫌がるどころか興味が出て、しっかり勉強する努力家。 いい男である。 明日香の一目惚れという直感は間違いではなかった。 京都の貸衣装店でのお話。 タイトルに「恋」とある通り、お話に出てくるお客様はカップル(もしくはカップル未満の男女)が多い。 しかも少し問題や悩みを抱えているカップルたち。 そんな彼もしくは彼女の背中を貸衣装(和装)がそっと押してくれる、そんな話だったと思う。 泰彦と仲のいい女性が出てきて、恋愛面としてのピンチは多少あったが、お仕事面での大きな失敗や挫折はない感じなので、安心して読めるお話。 そういう意味では少し物足りなさもあるかもしれない。 前向きになれるお話なので、元気になりたいときに読むと、お客様と同じように背中をそっと押してくれる物語だと思う。 特典SSは作者さまの別作品とのクロスオーバーなお話。 いずれ「あちら」の話にも主役カップルが出てくるのかもなんて、そういう妄想も広がった。 楽しみである。
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